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120年ぶり民法大改正備忘録-連帯保証に関する条文確認

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平成28年 2月11日:初稿
○「120年ぶり民法大改正備忘録-週間ダイヤモンドから」の続きで、今回は、大幅に改正される保証債務に関する条文内容確認です。

○「借金の保証人になることは善意に非ず-却って追いつめる」に「サラ金・クレジット債務を抱え連帯保証人が無いと借入出来ない段階になった方の借金の保証人なってやることは、その方のためには百害あって一利なしと考えた方が無難であり、本人は善意のつもりでも、実は却ってその保証により新たに借入を実現した人を追いつめる結果となることが多く、キッパリ断るのが本当の善意」と記載していました。

○「保証の巻『情けが仇、仇は情け』」には、「事業を営む友人等から銀行等正規金融機関ではない高利金融借入の連帯保証を依頼された場合、『情け』をかけ、その連帯保証人になることは、多くの場合『仇』となり、断固断るのが、友人に対する本当の『情け』です。」と記載していました。

○事業を経営していると金融機関等からの借入について当然の如く連帯保証人を要求され、切羽詰まって友人等に連帯保証をお願いすることが良くあります。私も稀に連帯保証をお願いされたことはありますが、弁護士は保証人になることは職責上好ましくないとされて、事実上禁止されています、なんていい加減なことを言って丁重にお断りしてきました(^^;)。両親が健在なのに親の遺言で保証人になることを禁じられているなんて言い訳をしている例も良く聞きます(^^)。

○金銭借入の保証人になることは、他人を事業経営等の失敗の後始末に巻きこむことで、これによるトラブルが後を絶ちません。そこで改正民法は、連帯保証契約に大幅な制限を加えました。以下、現行民法と改正民法の条文についての備忘録です。

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(現行民法)
第4款 保証債務
第1目 総則
第446条(保証人の責任等)

 保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う。
2 保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。
3 保証契約がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)によってされたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。

第447条(保証債務の範囲)
 保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する。
2 保証人は、その保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償の額を約定することができる。

第448条(保証人の負担が主たる債務より重い場合)
 保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときは、これを主たる債務の限度に減縮する。

第449条(取り消すことができる債務の保証)
 行為能力の制限によって取り消すことができる債務を保証した者は、保証契約の時においてその取消しの原因を知っていたときは、主たる債務の不履行の場合又はその債務の取消しの場合においてこれと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定する。

第450条(保証人の要件)
 債務者が保証人を立てる義務を負う場合には、その保証人は、次に掲げる要件を具備する者でなければならない。
一 行為能力者であること。
二 弁済をする資力を有すること。
2 保証人が前項第2号に掲げる要件を欠くに至ったときは、債権者は、同項各号に掲げる要件を具備する者をもってこれに代えることを請求することができる。
3 前2項の規定は、債権者が保証人を指名した場合には、適用しない。


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(改正民法-「民法(債権関係)の改正に関する要綱仮案」から)

第18 保証債務
1 保証債務の付従性(民法第448条関係)

民法第448条の規律を次のように改めるものとする。
(1) 保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときは、これを主たる債務の限度に減縮する。(民法第448条と同文)
(2) 主たる債務の目的又は態様が保証契約の締結後に加重されたときであっても、保証人の負担は加重されない。


   (中略)

6 保証人保護の方策の拡充
(1) 個人保証の制限

個人保証の制限について、次のような規律を設けるものとする。
ア 保証人が法人である場合を除き、事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証契約又は主たる債務の範囲に事業のために負担する貸金等債務が含まれる根保証契約は、その契約の締結に先立ち、その締結の日前1箇月以内に作成された公正証書で保証人になろうとする者が保証債務を履行する意思を表示していなければ、その効力を生じない。

イ アの公正証書を作成するには、次に掲げる方式に従わなければならない。
(ア) 次に掲げる保証契約を締結し、保証人になろうとする者が、それぞれ次に定める事項を公証人に口授すること。
a 保証契約(bを除く。) 主たる債務の債権者及び債務者、主たる債務の元本、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものの定めの有無及びその内容並びに当該主たる債務者が債務を履行しないときには、当該債務の全額について履行する意思(保証人になろうとする者が主たる債務者と連帯して債務を負担しようとするものである場合には、債権者が主たる債務者に対して催告をしたかどうか、主たる債務者がその債務を履行することができるかどうか又は他に保証人がいるかどうかにかかわらず、その全額について履行する意思)を有していること。

b 根保証契約 主たる債務の債権者及び債務者、主たる債務の範囲、保証契約における極度額、元本確定期日の有無及びその内容並びに当該主たる債務者がその債務を履行しないときには、極度額の限度で元本確定期日又は5(2)ア若しくはイに掲げる事由が生じた時までに生じた主たる債務の元本及び主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものの全額について履行する意思(保証人になろうとする者が主たる債務者と連帯して債務を負担しようとするものである場合には、債権者が主たる債務者に対して催告をしたかどうか、主たる債務者がその債務を履行することができるかどうか又は他に保証人がいるかどうかにかかわらず、その全額について履行する意思)を有していること。

(イ) 公証人が、保証人になろうとする者の口述を筆記し、これを保証人になろうとする者に読み聞かせ、又は閲覧させること。

(ウ) 保証人になろうとする者が、筆記の正確なことを承認した後、署名し、印を押すこと。ただし、保証人になろうとする者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。

(エ) 公証人が、その証書は(ア)から(ウ)までに掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。
(注)保証人になろうとする者が口をきけない者である場合又は耳が聞こえない者である場合については、民法第969条の2を参考にして所要の手当をする。

ウ ア及びイの規定は、事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証契約又は主たる債務の範囲に事業のために負担する貸金等債務が含まれる根保証契約の保証人の主たる債務者に対する求償権についての保証契約(保証人が法人であるものを除く。)に準用する。

エ 次に掲げる者が保証人である保証契約については、アからウまでの規定は、適用しない。
(ア) 主たる債務者が法人その他の団体である場合のその理事、取締役、執行役又はこれらに準ずる者
(イ) 主たる債務者が法人である場合のその総社員又は総株主の議決権の過半数を有する者
(ウ) 主たる債務者が個人である場合の主たる債務者と共同して事業を行う者又は主たる債務者が行う事業に現に従事している主たる債務者の配偶者

(2) 契約締結時の情報提供義務
契約締結時の情報提供義務について、次のような規律を設けるものとする。
ア 主たる債務者は、事業のために負担する債務についての保証を委託するときは、委託を受ける者(法人を除く。)に対し、次に掲げる事項に関する情報を提供しなければならない。
(ア) 財産及び収支の状況
(イ) 主たる債務以外に負担している債務の有無並びにその額及び履行状況
(ウ) 主たる債務の担保として他に提供し、又は提供しようとするものがあるときは、その旨及びその内容

主たる債務者がアの説明をせず、又は事実と異なる説明をしたために委託を受けた者がアの(ア)から(ウ)までに掲げる事項について誤認をし、それによって保証契約の申込み又はその承諾の意思表示をした場合において、主たる債務者がアの説明をせず、又は事実と異なる説明をしたことを債権者が知り、又は知ることができたときは、保証人は、保証契約を取り消すことができる。

(3) 保証人の請求による主たる債務の履行状況に関する情報提供義務
請求による履行状況の情報提供義務について、次のような規律を設けるものとする。
債権者は、委託を受けた保証人から請求があったときは、保証人に対し、遅滞なく、主たる債務の元本及び主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものについての不履行の有無並びにこれらの残額及びそのうち履行期限が到来しているものの額に関する情報を提供しなければならない。

(4) 主たる債務者が期限の利益を喪失した場合の情報提供義務
主たる債務者が期限の利益を喪失した場合の情報提供義務について、次のような規律を設けるものとする。
ア 主たる債務者が期限の利益を有する場合において、主たる債務者がその利益を喪失したときは、債権者は、保証人(法人を除く。)に対し、主たる債務者がその利益を喪失したことを知った時から2箇月以内に、その旨を通知しなければならない。
イ 債権者は、アの通知をしなかったときは、保証人に対し、主たる債務者が期限の利益を喪失した時からその旨の通知をした時までに生じた遅延損害金(期限の利益を喪失しなかったとしても生じていたものを除く。)に係る保証債務の履行を請求することができない。
以上:4,223文字

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