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国土交通省不動産鑑定評価基準第7章第2節賃料鑑定評価手法全文紹介1

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平成26年 8月28日(木):初稿
○「借地借家法第11条地代等増減請求権に関する条文と立法趣旨備忘録」を続けます。
借地借家法第11条に基づく地代等増減額請求においては、最終的に裁判所が「相当額」を判決によって決定します。この裁判所での「相当額」の決定方法は、殆どの場合不動産鑑定士による鑑定結果に依存します。理論上、鑑定人の鑑定結果は裁判所の判断を拘束するものではありません。しかし、裁判官は法律の専門家であっても、不動産鑑定の専門家ではありません。結局、不動産鑑定専門の不動産鑑定士による頼らざるを得ません。

○時に2回、3回と複数回それぞれ別な不動産鑑定士に依頼して行う場合がありますが、その鑑定結果は、鑑定人によって全て違うのが普通です。その意味で、不動産鑑定結果は、一寸したさじ加減で相当柔軟性を持ちます。ですからできるだけ安く、或いは、高くとの鑑定依頼人の意向を加味した鑑定が可能になります。公平な立場で裁判所から命じられた鑑定でも、複数の場合、それぞれ結果が異なるわけですから、私的に依頼者の意向を受けた鑑定結果は、相当幅を持ったものになります。要するに鑑定料を支払ってくれるお客様の意向に沿って高くも安くもなります。

○鑑定結果は、よく言えば相当柔軟性があり、悪く言えば恣意的になる可能性があります。そこで、できるだけ公平・適正な鑑定結果を得るため国交省で不動産鑑定基準を作成・公表しています。国交省HPに平成26年5月1日一部改正最新版もPDFファイルで公表されていますが、残念ながらコピーガードがかかっています。そこでコピーガードのかかっていない平成21年8月28日一部改正版での「第7章鑑定の方式 第2節賃料を求める鑑定評価の手法」を2頁に分けて備忘録として掲載します。目次は以下の通りです。

第2節賃料を求める鑑定評価の手法
Ⅰ 賃料を求める場合の一般的留意事項
1.実質賃料と支払賃料
2.支払賃料の求め方
3.賃料の算定の期間

Ⅱ 新規賃料を求める鑑定評価の手法
1.積算法
(1)意義
(2)適用方法
2.賃貸事例比較法
(1)意義
(2)適用方法
3.収益分析法
(1)意義
(2)適用方法

Ⅲ 継続賃料を求める鑑定評価の手法
1.差額配分法
(1)意義
(2)適用方法
2.利回り法
(1)意義
(2)適用方法
3.スライド法
(1)意義
(2)適用方法
4.賃貸事例比較法



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第2節 賃料を求める鑑定評価の手法
不動産の賃料を求める鑑定評価の手法は、新規賃料にあっては積算法、賃貸事例比較法、収益分析法等があり、継続賃料にあっては差額配分法、利回り法、スライド法、賃貸事例比較法等がある。

Ⅰ 賃料を求める場合の一般的留意事項
賃料の鑑定評価は、対象不動産について、賃料の算定の期間に対応して、実質賃料を求めることを原則とし、賃料の算定の期間及び支払いの時期に係る条件並びに権利金、敷金、保証金等の一時金の授受に関する条件が付されて支払賃料を求めることを依頼された場合には、実質賃料とともに、その一部である支払賃料を求めることができるものとする。

1.実質賃料と支払賃料
実質賃料とは、賃料の種類の如何を問わず貸主に支払われる賃料の算定の期間に対応する適正なすべての経済的対価をいい、純賃料及び不動産の賃貸借等を継続するために通常必要とされる諸経費等(以下「必要諸経費等」という。)から成り立つものである。
支払賃料とは、各支払時期に支払われる賃料をいい、契約に当たって、権利金、敷金、保証金等の一時金が授受される場合においては、当該一時金の運用益及び償却額と併せて実質賃料を構成するものである。
なお、慣行上、建物及びその敷地の一部の賃貸借に当たって、水道光熱費、清掃・衛生費、冷暖房費等がいわゆる付加使用料、共益費等の名目で支払われる場合もあるが、これらのうちには実質的に賃料に相当する部分が含まれている場合があることに留意する必要がある。

2.支払賃料の求め方
契約に当たって一時金が授受される場合における支払賃料は、実質賃料から、当該一時金について賃料の前払的性格を有する一時金の運用益及び償却額並びに預り金的性格を有する一時金の運用益を控除して求めるものとする。
なお、賃料の前払的性格を有する一時金の運用益及び償却額については、対象不動産の賃貸借等の持続する期間の効用の変化等に着目し、実態に応じて適切に求めるものとする。
運用利回りは、賃貸借等の契約に当たって授受される一時金の性格、賃貸借等の契約内容並びに対象不動産の種類及び性格等の相違に応じて、当該不動産の期待利回り、不動産の取引利回り、長期預金の金利、国債及び公社債利回り、金融機関の貸出金利等を比較考量して決定するものとする。

3.賃料の算定の期間
鑑定評価によって求める賃料の算定の期間は、原則として、宅地並びに建物及びその敷地の賃料にあっては1月を単位とし、その他の土地にあっては1年を単位とするものとする。

以上:2,041文字

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