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重畳的債務引受後債務者と引受人は連帯債務が原則との判例紹介2

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平成26年 5月10日:初稿
○「重畳的債務引受後の債務者と引受人との関係は連帯債務が原則との判例紹介1」の続きです。


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四 そこで、抗弁(4)、すなわち控訴人の消滅時効の抗弁につき検討する。
Aが被控訴人より本件25万円を借り受けた当時同人が他より資金を借り受けてこれを他に貸付ける貸金業を営んでいたことは当事者間に争いがなく、これによれはAは商法第502条第8号の銀行取引を営業としていたもので、同人は商法にいわゆる商人であり、本件25万円の借入れもまた同人のための商行為と認められ、被控訴人の貸付行為が商行為にあたるかどうかを論ずるまでもなく、本件の25万円の貸借には商法の適用があり、債権の消滅時効は5年である。そうして、右25万円の貸金の弁済期が昭和34年10月15日であることは被控訴人の自認するところであるから、その時効の中断につきなんらかの主張立証もない本件においては、Aに対する貸金債務は昭和39年10月15日の満了により時効によつて消滅し、これにより同人の負担部分と認められる12万円については控訴人もその義務を免かれたものである(本件支払契約の結ばれたのが右の時効の進行中であるからといつてAについてはそれが何ら中断事由となるものではないから右の判断を異にするものではない)。

五 次に連帯保証人Fの弁済について考える。
Fが本件の25万円の貸金につき連帯保証をしたことは前認定のとおりであり、同人が被控訴人に対しその保証債務の履行として昭和43年5月13日に12万円、同年10月18日に3万円合計15万円を弁済したことは当事者間に争いがない。この事実によると、右弁済により、控訴人が前記債務引受により負担した債務のうち前記時効によつて消滅した部分を除く残債務(12万円)は全部消滅したことが明らかである。

六 以上のとおりで、被控訴人主張の公正証書と引換に支払を求める24万円の契約金債権はそれ自身単独に発生したものでなく、Aの被控訴人に対する貸金債務を控訴人が引受けることにより生じたものであり、右控訴人の引受債務は時効並びに弁済により消滅に帰している。従つて控訴人に対し本件支払契約の履行を求める被控訴人の請求はすべて失当である。

七 被控訴人の不法行為を原因とする請求について判断する。
1 被控訴人は本件公正証書が偽造であることによりAに対して貸付けた60万円相当の損害を蒙つたというが、右公正証書がAから被控訴人に交付されこれを担保として被控訴人からAに金員が貸与されることについては控訴人は何ら認識がなかつたのであるから控訴人の公正証書作成行為と被控訴人の右金員貸付による損害との間には相当因果関係はない、しかのみならず被控訴人が本件公正証書を担保として貸付けたのが25万円であつて60万円でないことは前認定のとおりであるし、右の25万円もこれを貸付けたことにより直ちにそれだけの損害が生ずるというわけでもない。被控訴人としてはA、B、Fに対し同時に同額の請求権を取得しているのであつて、その回収ができれば損害を生ずることはないからである。そうして本件公正証書が被控訴人の手中にあることを知つた控訴人がその返還を求めたのに乗じ、被控訴人は控訴人をしてその債務引受をさせたことは前認定のとおりであり、控訴人に対してその引受債務の履行を求めれば結局においてなんらの損害も生ぜず、不法行為責任を問うべき限りでない。控訴人に対する債権が時効消滅したとしても、それは右債務引受契約の後に至つて被控訴人が自ら招いた損害であるにすぎず、本件公正証書の偽造行為とはかかわりのない事柄である。

2 また、被控訴人は本件公正証書による請求権の実現としてその主張の強制執行をしたり、これに伴つて提起された請求異議訴訟に応訴することにより損害を蒙つたというが前認定のとおり被控訴人は、おそくとも本件支払契約の結ばれた昭和37年4月27日までに、本件公正証書が偽造のものでその債務者であるDおよびCに対しては強制執行をすることができないと知つていたのであり、それにも拘らず被控訴人が敢て強制執行をしたものと認めるほかはないから、その執行費用やこれに伴つて必要となつた請求異議訴訟の費用などはいずれも被控訴人が自ら招いた出費であるというにすぎず、控訴人に対し不法行為責任を問うべき限りではない。《証拠》も右認定を左右するに足らない。
 以上のとおりで、控訴人の不法行為を原因とする被控訴人の本訴請求もすべて理由がない。

八 よつて被控訴人の請求の一部を認容した原判決を取り消してその請求を棄却。


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