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担保不動産収益執行からの救済ー建物使用許可

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平成24年 8月28日:初稿
○「担保不動産収益執行からの救済ー収益等分与」では、貸しマンション等の担保不動産収益執行によって、貸しマンションからの賃料収入の一切を断たれて死活問題となった債務者側の救済方法として民事執行法第98条の収益等分与の制度を説明していました。貸しマンション等の所有者は、貸しマンション最上階等を自分の住居として使用している例が多くあります。

○担保不動産収益執行決定によって、この担保の対象となっている貸しマンション全ての使用収益権が裁判所選任管理人に移りますので、債務者は貸しマンションに居住できなくなり、管理人は、貸しマンション一部を住居として使用している債務者に対し明渡を求めることも出来ます。以下の規定です。
第96条(強制管理のための不動産の占有等)
 管理人は、不動産について、債務者の占有を解いて自らこれを占有することができる。
2 管理人は、前項の場合において、閉鎖した戸を開く必要があると認めるときは、執行官に対し援助を求めることができる。
3 第57条第3項の規定は、前項の規定により援助を求められた執行官について準用する。


○これに対する債務者の救済制度が建物使用許可で以下の条文に規定されています。
第97条(建物使用の許可)
 債務者の居住する建物について強制管理の開始決定がされた場合において、債務者が他に居住すべき場所を得ることができないときは、執行裁判所は、申立てにより、債務者及びその者と生計を一にする同居の親族(婚姻又は縁組の届出をしていないが債務者と事実上夫婦又は養親子と同様の関係にある者を含む。以下「債務者等」という。)の居住に必要な限度において、期間を定めて、その建物の使用を許可することができる。
2 債務者が管理人の管理を妨げたとき、又は事情の変更があつたときは、執行裁判所は、申立てにより、前項の規定による決定を取り消し、又は変更することができる。
3 前2項の申立てについての決定に対しては、執行抗告をすることができる。


○この制度の趣旨は、競売の場合は、競売開始決定が出ても、執行官による不動産現況調査、不動産鑑定士による評価(鑑定)等の手続を経て最低売却価格が決定され、入札期間が定められ、売却許可が出て買受人が決まるまではその建物に居住出来るのに対し、担保不動産収益執行の場合は、決定が出ると前記第96条により直ちに管理人から退去を求められる立場になるため、債務者が他に居住すべき場所を得ることができないとき、居住に必要な限度で期間を定めて建物使用許可を認めるものです。

○1週間から1箇月程度の債務者が通常転居に必要な期間については、管理人の判断で債務者の居住の継続を認めてもよいが、この期間(最大1箇月程度か)を超えてなお居住を継続すべき事情がある場合、その居住権を確保するするために建物使用許可が認められます。この転居困難の事情としては、
①家族人数・家具等の関係で適当な転居先が確保しにくいこと
②債務者の収入が少ないため家賃を支払うことが出来る転居先を確保するのに長期間を要すること
③一定地域に居住すべきやむを得ない事情があり、その地域に転居先を確保するのに長期間を要すること
等がありますが、さらに貸家・貸室の需給状況、賃料、債務者の収入、家族の必要経費等を勘案して、新たな居住先を確保することがおよそ可能か否かと言う基準から判断すべきとの柔軟な考えもあり、私自身はこの考えが妥当と思っております。

○許可の要件としては「期間の定め」があり、この期間は、貸家・貸室の需給状況、債務者の収入等を基準に定められますが、最長で強制競売の場合と比較して、当該執行裁判所における競売開始決定から売却許可決定による代金納付までに通常要する期間、-仙台地方裁判所の場合は6箇月程度か?-を最長とすべきとの解説もあります。しかし、担保不動産収益執行の対象不動産に瑕疵があるとか、不動産価格の下落が激しく、競売になると価格が大幅に下落して回収効率が低いため当面賃料から回収するとして競売申立をしない等の事情がある場合は、この「期間」について更に柔軟に考えて良いのではと思っております。





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