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栄養失調凍死と瑕疵担保責任判例紹介2

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平成20年10月11日:初稿
「栄養失調凍死・幽霊の噂と瑕疵担保責任判例紹介1」の話を続けます。
 原告の主張骨子は以下の通りです。
①瑕疵を原因とする契約解除
元所有者花子の本件土地建物内で餓死と幽霊が出るとの噂は通所介護施設建物として契約の目的が達せられない重大な瑕疵に該当するので解除。

②詐欺による取消
売主は元所有者花子の本件土地建物内で餓死と幽霊が出るとの噂を告知すべき義務があるところこれを敢えて秘匿して契約を締結した行為は詐欺に該当するので詐欺を理由に契約を取り消す。

③重大な債務不履行
売主は売買目的物元所有者花子の本件土地建物内で餓死と幽霊が出るとの噂について十分な説明を果たした上で売買契約を締結すべき義務に違反したもので重大な債務不履行に該当し、本件損害賠償の予定特約に基づき原告に対し、売買代金額の20パーセント相当額の損害賠償義務がある。

結論として代金1400万円と損害賠償金280万円の合計金1680万円の支払を求める。

○訴え提起に際しての種々の判例調査結果では、建物内の自殺が瑕疵に該当するとの判例は多数見つかりましたが、餓死と幽霊の噂が瑕疵に該当するとの判例は見あたりませんでした。そのため完全勝訴の自信がなく、請求原因に一般論での詐欺による取消まで持ち出しましたが、後で考えるとこの請求原因は全く不要でした(^^;)。

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仙台地方裁判所平成18年8月31日判決言渡 その2

3 争点
(1) 原告の主張(請求原因)
ア 瑕疵を原因とする契約解除
(ア) 本件売買契約締結後、被告会社が本件土地建物の所有権移転の経緯を調査したところ、本件土地建物の元所有者である花子が本件建物内で餓死したこと、本件土地建物には花子の幽霊が出るとの噂があることが判明した。

 原告は、本件売買契約の締結にあたり、本件土地建物を通所介護施設として利用することを被告らに充分説明していた。本件土地建物の元所有者が本件建物内で餓死したという事実及び本件土地建物に幽霊が出るなどの噂がある物件であれば、介護施設としての利用目的を達成することは不可能であり、これを事前に説明されていれば、原告が本件売買契約を締結することはなかった。したがって、本件土地建物の元所有者が本件建物内で餓死したという事実及び本件土地建物に幽霊が出るなどの噂がある事実は、本件土地建物の重大な瑕疵に該当し、上記瑕疵のため、本件売買契約の目的を達成することができない場合に当たる。

(イ) そのため、原告は、平成17年6月21日、被告会社に対し、本件解除を通告するとともに、代金の返還を口頭で請求した。

(ウ) よって、原告は、被告会社に対し、本件売買契約の本件解除に基づく原状回復請求として、売買代金1400万円及びこれに対する支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。

イ 詐欺による取消
(ア) 被告会社は、本件土地建物の瑕疵である本件土地建物の元所有者が本件建物内で餓死したという事実及び本件土地建物に幽霊が出るなどの噂がある事実を熟知していた。また、原告は、本件土地建物を通所介護施設として使用することを被告会社に明示していた。したがって、被告会社としては、本件売買契約の締結にあたり、本件土地建物の元所有者が本件建物内で餓死したという事実及び本件土地建物に幽霊が出るなどの噂がある事実を原告に告知すべき義務があった。
 しかるに、被告会社は、本件土地建物を被告会社が買い受けた経緯を原告に説明する際、その事実をあえて秘匿し、単なる病死であると積極的に虚偽の事実を告げて本件売買契約を成立させた。被告会社のこの行為は詐欺に該当する。

(イ) そこで、原告は、本訴状をもって、被告会社に対し、本件売買契約を取り消す旨の意思表示をする。

(ウ) よって、原告は、被告会社に対し、本件売買契約の取消に基づく不当利得返還請求として、売買代金1400万円及びこれに対する本件解除の日である平成17年6月21日から支払済みまで民法所定年5分の割合による法定利息の支払を求める。

ウ 重大な債務不履行による損害賠償請求
(ア) 被告らは、本件売買契約の締結に当たり、本件土地建物の元所有者が本件建物内で餓死したという事実及び本件建物に幽霊が出るなどの噂がある事実をあえて秘匿し、単なる病死であると原告に積極的に虚偽の事実を告げて本件売買契約を成立させた。これは、売主として、売買の目的物について十分な説明を果たした上で売買契約を締結すべき義務に違反したものであり、債務不履行に該当する。

(イ) したがって、被告らは、本件損害賠償の予定特約に基づき、原告に対し、売買代金額の20パーセント相当額である280万円の損害賠償義務がある。

(ウ) よって、原告は、被告らに対し、本件損害賠償の予定特約に基づき、280万円及びこれに対する本件解除の日である平成17年6月21日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。

エ 被告乙野の責任
(ア) 被告乙野は、被告会社の代表者として、また、本件売買契約における宅地建物取引主任者として、本件土地建物について重要事項説明義務を負っていたところ、本件土地建物の元所有者が本件建物内で餓死したという事実及び本件土地建物に幽霊が出るなどの噂がある事実をあえて秘匿し、単なる病死であると原告に積極的に虚偽の事実を告げて本件売買契約を成立させた。

(イ) したがって、被告乙野は、原告に対し、個人としても、不法行為責任を免れず、被告会社と連帯して、原告の被った損害(売買代金1400万円と本件損害賠償の予定特約に基づく損害280万円)を賠償すべき義務を負う。

(ウ)よって、原告は、被告乙野に対し、不法行為に基づき、損害賠償として1680万円及び声rに対する本件解除の日である平成17年6月21日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。
(その3に続く)
以上:2,464文字

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