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映画”フライト”を観て-アル中ダメ男の物語でも秀逸

平成25年 3月24日:初稿
○平成25年3月23日、平成25年1月5日の「ホビット 思いがけない冒険」以来、2ヶ月半ぶりにMOVIX仙台で、映画「フライト」を観てきました。「彼は英雄(ヒーロー)か犯罪者か。心揺さぶる衝撃の感動作」とのキャッチフレーズに惹かれ、航空機事故を巡って緊迫する法廷場面が続くのだろうと期待して観に行きました。しかし、この点では全く期待はずれのアル中ダメ男の物語でした(^^;)。

○映画冒頭、あたかも絵に描いたような、出るところはシッカリと出て、引っ込むべきところは引っ込むシッカリ引き締まったメリハリのあるスッキリボディの女性が、ベッドから起きてスッポンポンのヘアー丸出して部屋を歩き回るのには驚きました。この場面だけでも一見の価値ある映画です(^^;)。このスッキリボディに比べると、期待のウィトカー機長(デンゼル・ワシントン)の方は、禁欲的筋骨隆々とはほど遠いメタボっぽいモッサリボディでちとガッカリしました。しかし、後で振り返るとこのモッサリボディが期待はずれの意志薄弱なアル中ダメ男を象徴していました。

○デンゼル・ワシントン氏、名優との評価の高い方ですが、女房だけでなく愛する子供にまで愛想を尽かされたアル中のダメ男ぶりをシッカリ演じきる後半は、ダラダラと流れて少々退屈さを感じさせました。しかし、航空機が乱気流で激しく揺さぶられながらこれをアッサリと乗り切るも、高度9000mで、突然、航空機が急降下を始めて、驚異の背面飛行を経て胴体着陸するまでの前半は、ハラハラ・ドキドキ・ワクワクの連続で正に映画の醍醐味を味わえる素晴らしいものでした。

○「ドーン!」と言う大きな音と共に航空機(サウスゼット227便)が突如急降下を始め、制御不能となった後のウィトカー機長の副操縦士に対する指示は、急降下を止めるべくスピードブレーキ(※抵抗板)をかけ、車輪とフラップ(※高揚力装置)を出し、更に燃料放出、更に驚異の背面飛行によって一時的に下降を止めて、迫り来る住宅街を切り抜けます。そして、広い牧草地(畑地?)に到達したところで背面飛行を正常飛行に戻し、燃料切れでエンジンが止まりてグライダーのようになって胴体着陸する過程には、操縦士としての過失はないはずです。

○むしろ、普通の操縦士であれば背面飛行など実施できず、住宅密集地の地面に激突し、航空機は大破して、住宅地住民まで巻き添えにした大惨事になるところでした。この場合、全乗員即死で、且つ、住民にも相当が犠牲が予想されるところ、ウィトカー機長の驚異的飛行術で、全乗員102名中、犠牲者は旅客4名、乗員2名の6名に止まったのは奇跡的でした。事故後10人のパイロットに挑戦させた事故のシミュレーションでは、全員が地面に激突、全乗客死亡で、ウィトカー機長の神の操縦術が証明されています。

○だとするとウィトカー機長の操縦に過失はありません。ところが最終的には相当期間刑務所に収容される状況となります。何故そうなるかは、アメリカの航空法、業務上過失致死傷等の犯罪構成要件が不明で何とも言えません。映画をじっくり見る必要があります。日本の場合どうなるか、調べてみると関係条文は次の通りです。日本の場合、せいぜい、「1年以下の懲役又は30万円以下の罰金」に止まるはずですが。なお、道交法・刑法は参考条文です。

航空法
第70条(酒精飲料等)

 航空機乗組員は、酒精飲料又は麻酔剤その他の薬品の影響により航空機の正常な運航ができないおそれがある間は、その航空業務を行つてはならない。

第149条(所定の資格を有しないで航空業務を行う等の罪)
 次の各号の一に該当する者は、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
(中略)
3.第70条の規定に違反して、その航空業務に従事した者

道路交通法
第65条(酒気帯び運転等の禁止)

 何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
2 何人も、酒気を帯びている者で、前項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがあるものに対し、車両等を提供してはならない。

第66条(過労運転等の禁止)
 何人も、前条第1項に規定する場合のほか、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。

第117条の2 次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
1.第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあつたもの

第117条の2の2 次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
1.第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの
2.第65条(酒気帯び運転等の禁止)第2項の規定に違反した者(当該違反により当該車両等の提供を受けた者が身体に前号の政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態で当該車両等を運転した場合に限るものとし、前条第2号に該当する場合を除く。)

刑法
第208条の2(危険運転致死傷)

 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ、よって、人を負傷させた者15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。その進行を制御することが困難な高速度で、又はその進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させ、よって人を死傷させた者も、同様とする。
2 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転し、よって人を死傷させた者も、前項と同様とする。赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転し、よって人を死傷させた者も、同様とする。

第211条(業務上過失致死傷等)
 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
2 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。


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