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齋藤孝氏著”ざっくり世界史”を読んで

平成21年10月20日(火):初稿
○平成21年10月18日ミラノから成田空港へ帰る機内で齋藤孝氏著「ざっくり世界史」をじっくり読み込みました。ミラノから成田空港まで12時間を要し、この間、殆ど眠ることが出来ないことが判っていましたので、時間つぶしに読もうと持ち込んでいたものでした。ローマに行けば、西洋史への興味が蘇り、キリスト教以前のギリシャ・ローマ史を勉強したくなるだろうと思ったこともあり、以前購入して、積ん読だった同著を持ち込みました。

○私は大学受験時代文化系のため社会科目が2科目で日本史と世界史を選択しましたが、高校3年時から授業を受けた日本史は比較的好きな科目で苦手意識はなかったのですが、その前の高校2年時から授業を受けた世界史は、舌をかみそうな面倒なカタカナでの人物名、地名等を覚えるのが大変でちと苦手意識を持っていました。しかし、大学受験を一度失敗し、文理予備校時代に当時東北大教授の西村貞治氏の世界史講義を聴いていくらか好きになり、大学入学後も、西村貞二教授の西洋史講義を聴いて面白いと感じていた時期もありました。

○しかし大学卒業後は、世界史からは全く離れてスッカリ忘れていました。「ざっくり世界史」25頁に世界史を学生時代に勉強した人は「カノッサの屈辱」と言う言葉をご記憶と思いますなんて、記述がありましたが、これすらスッカリ忘却の彼方でした。
カノッサの屈辱(カノッサのくつじょく、ドイツ語: Gang nach Canossa、イタリア語: Umiliazione di Canossa)とは、聖職叙任権をめぐってローマ教皇グレゴリウス7世と対立していた神聖ローマ皇帝ハインリヒ4世が、1077年1月25日から3日間、教皇による破門の解除を願って北イタリアのカノッサ城に赴いて許しを願ったことをいう。
とのことで、皇帝の世俗的権力より、教皇の宗教的権威の方が勝っていたことを象徴的に表しています。

○同著では、世界史を、①西洋近代化のパワー、②帝国の野望史、③欲望の世界史、④世界史に現れたモンスター資本主義・社会主義・全体主義、⑤宗教の役割、の5つのテーマに分けて平易な言葉で分析・解説しており、大変、判りやすく、すんなりと読み込むことが出来、
(特にアテネにおける)そうした論理的な明晰さ、合理性というものを大事にする古代ギリシャの価値観が、とてつもないパワーとなって育っていき、西洋の近代化を促し、やがて全世界を支配していくことになるのです。
なんて気に入った文章に赤線を引きながら読み進み、4,5時間で全頁の必要部分に赤線を引いて読み終え、ミラノから成田に及ぶ12時間の狭い空間での辛い飛行時間の3分の1以上をこれに費やすことが出来ました。

○このとてつもないパワーも、ローマがキリスト教を国教化して権力が皇帝から神の代理人としての教皇に移り、エネルギーが影を潜め、仮死状態に陥ったかのごとき印象を受ける「中世」と呼ばれる時代について、
キリスト教の神は唯一絶対の創造主であるため、人間世界と霊的世界では、霊的世界の方が上位にあるとされ、人間の合理性や明晰性、努力をして何かを生み出す自由な発想力といったものが全部押しつぶされてしまうのです。
などと実に判りやすい言葉で歴史の流れを説明しています。

○なるほど、なるほど、と頷きながら、読み進んで行ける著作ですが、1回読んだだけでは、忽ち、忘れてしまいますので、2,3回は読んで、更に既に買い集めてある他の角度からの世界史解説書を読み進めていこうと思った次第です。
以上:1,443文字

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