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映画「おくりびと」を観て-親友A君の思い出2

平成20年10月15日(水):初稿
○小学校5年の時同じクラスになって以来、同じ中学・高校に通い、何かと気が合い、高校卒業後も親しく付き合ってきたA君が、平成12年1月23日肝臓ガンのため48歳の若さで亡くなった時、私は葬儀日程等残された奥様の相談に乗り、通夜、納棺、火葬、葬儀、法要等数日間殆どの仕事をキャンセルして立ち会いました。

○その時の記憶で一番印象に残ったのが、「おくりびと」納棺師による納棺の儀式でした。当時、納棺師なんて言葉は知らず、単に葬儀社の担当社員の方がやってくれたものと思っていました。亡くなった翌日に葬儀社の方がA君の自宅に訪れ、A君のご遺体が安置されていた部屋に祭壇を作ることから始まりましたので、葬儀社の方が祭壇作りから納棺までやってくれたもので、映画「おくりびと」の様に納棺専門の業者ではなかったと思われます。

○祭壇が出来た後、納棺の儀式が始まり、ご遺族、親戚に私も加わり、ご遺体の周りを囲んで、納棺師の方の儀式が始まりました。ご遺体はおそらく病院で死去後に着せ替えられた浴衣のような和服をまとっていましたが、これを白装束の旅立ち姿に着せ替える作業を淡々と手際良く進められました。

○一番感心したのはご遺体がそれまでまとっていた浴衣を脱がせて白装束に着替える作業でした。ご遺体に白い布をかぶせてご遺体が横たわったまま周りの者にはご遺体の肌が殆ど見えないようにしたまま実に手際良く着替えを済ませました。20代の若い方がやられていたように記憶していますが、ご遺体の動きを必要最小限に抑えていたのにも、巧いものだと感心しました。

○白装束に着替えた後、足には白足袋を付けてワラジを履かせ、手には手甲(てっこう)をつけ、顔はひげを剃り、簡単な死に化粧をしてそれまで土色だった顔色に生気が戻ったように感じました。そして頭には白い三角巾の天冠(てんかん)を付けたように記憶しています。三途の川を渡る旅姿という説明を受けたように記憶していますが、白無垢の立派な衣装をまとって正にこれから旅立ちという出で立ちになりました。

○その後ご遺体を奥様・お子様のご遺族が中心になり,私も手を添えて納棺したように記憶していますが、A君の死去直前、末期肝臓ガンによる激痛の苦しみをまざまざと見ていただけに、納棺の儀式後、安らかな表情に見えたA君にどうか安らかにゆっくりお休み下さいと心の中で語りかけました。

○映画「おくりびと」でも感じましたが、納棺儀式は、故人との別れのケジメの第一歩となる重要なもので、この儀式でご遺族や関わりのある人たちが故人をあの世に送り出したとの認識を得ることが出来ます。この儀式を見事ものだと感じさせ,故人を大事に丁寧にお送りだしたと認識させてくれる重要な仕事だと再認識しました。
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