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映画「たそがれ清兵衛」を観て

平成18年 6月18日(日):初稿
【ネタバレ注意】
○DVDで映画「たそがれ清兵衛」を見て感動しました。
先日、映画館で観ようと思って観はぐっていた「蝉しぐれ」をDVDで購入して観たのですが、期待していた観た割には、消化不良というか、何か物足らずイマイチ感動できず、これまた映画館で観ようと思って観はぐっていた「たそがれ清兵衛」をDVDで購入しました。感動で夜と朝の2回連続見てしまいました。

○清兵衛の子供が過去を振り返り状況を説明するナレーション役の岸恵子氏が、最後に登場して、アッと思わせる最後の場面に違和感を感じないわけではありませんでしたが、「かつての同僚や上司で明治政府で出世して偉い役人になった人がたくさんいて、『たそがれ清兵衛は不運な男であった』と言うのを聞いたことがあるが、父は出世などを望むような人ではなく、(他人の目などはばからず自分が生きたいように生きたもので)2人の娘を愛し、妻に愛され短かくても充足した人生を送ったもので決して自分が不運、不幸な男だ等とは思っていなかったはずだ。私はそんな父を誇りに思う。」と言う言葉がグッと胸に染み込み、前の決闘場面での緊迫感で押し込まれていた映画の感動が一気にこみ上げ、涙が溢れ出ました。

○最初の妻を労咳で亡くした後、惚け老人となった母と二人の娘と大きな借金を抱え、小役人ながら武士であるのに我が身を構わず、ボロ着をまとい、風呂にも入れず周りに臭気を漂わせ、役人同士の付き合いの飲み会などには全く参加せず、判を押したように仕事の終わるたそがれ時に帰宅し、帰宅後は生活費の足しにするための内職にいそしむ清兵衛を同僚達は「たそがれ清兵衛」と揶揄するようになっていました。

○そんな中でも清兵衛は、自分の境遇を惨めとは思わず、2人の娘の成長ぶりを見るのを最大の楽しみとして娘達を塾に通わせ、女にも学問が必要で学問は考える力を育てる大事なことだと言い聞かせるなど大きな愛情を注いで、僅かな畑を耕し、精一杯自分の人生を楽しんで生きてきました。

○清兵衛の状況を見かねた丹波哲郎扮する本家のおんつぁまが訪ねてきて縁談を進める遣り取りのシーンには大笑いしました。丹波哲郎は私の好きな俳優であの独特のとぼけたセリフ回しが好きで、彼の得意な「霊界」説明カセットテープを繰り返し聞いたものでしたが、本当に味のある役者です。

○藩内随一の剣客と言われた余吾善右衛門殺害の藩命を受け、善右衛門宅での死闘前の遣り取りのシーンも鬼気迫るものがありました。善右衛門の話しを聞いて逃がしてやるつもりになったものの、最後は死闘に至る経緯にハラハラドキドキしながら映画の醍醐味を楽しみました。

○宮沢りえも大変良い出来で、場面には出てきませんが、清兵衛とのその後の僅か3年足らずの結婚生活、清兵衛の充実した人生を支え、清兵衛亡き後、2人の娘を清兵衛に代わって立派に育ててくれる人物の大きさを十分に感じさせてくれました。勿論、主人公清兵衛役真田広之も素晴らしいの一語。

○何でこれほど感動するのかと振り返ると、私が不朽の名作と確信する映画「砂の器」と同様に基本的に私の大好きなジャンルである父と子の愛情物語だからでした。一見に値する映画です。
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