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認知者も認知無効の主張ができるとした最高裁判決紹介

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平成26年 2月15日:初稿
○認知に関して民法には以下の条文があります。
(認知の取消しの禁止)第785条
 認知をした父又は母は、その認知を取り消すことができない。
(認知に対する反対の事実の主張)第786条
 子その他の利害関係人は、認知に対して反対の事実を主張することができる。


○このように民法785条では「認知をした父又は母認知の取消はできない」と言いながら、786条では「子その他の利害関係人は、認知に対する反対事実即ち認知無効の主張はできる」としています。そこで、「認知をした父又は母」は、「その他利害関係」に該当するかどうかが問題になります。この点について「認知をした父も利害関係人に該当する」と明言した平成26年1月14日最高裁判決(裁時1595号1頁)本文全文を紹介します。


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主文
 本件上告を棄却する。
 上告費用は上告人の負担とする。 

理由
 上告代理人○○○○,同○○○○の上告受理申立て理由第1について
1 本件は,血縁上の父子関係がないことを知りながら上告人を認知した被上告人が,上告人に対し,認知の無効の訴えを提起した事案である。

2 原審の適法に確定した事実関係の概要等は,次のとおりである。
(1) 被上告人は,平成15年3月○日,上告人の母と婚姻し,平成16年12月○日,上告人(平成8年○月○日生まれ)の認知(以下「本件認知」という。)をした。上告人と被上告人との間には血縁上の父子関係はなく,被上告人は,本件認知をした際,そのことを知っていた。

(2) 上告人と被上告人は,平成17年10月から共に生活するようになったが,一貫して不仲であり,平成19年6月頃,被上告人が遠方で稼働するようになったため,以後,別々に生活するようになった。上告人と被上告人は,その後,ほとんど会っていない。

(3) 被上告人は,上告人の母に対し,離婚を求める訴えを提起し,被上告人の離婚請求を認容する判決がされている。

3 原審は,民法785条及び786条は,血縁上の父子関係がない場合であっても認知者による認知の無効の主張を許さないという趣旨まで含むものではないなどとして,被上告人による本件認知の無効の主張を認め,被上告人の請求を認容すべきものとした。

4 所論は,認知者自身による認知の無効の主張を認めれば,気まぐれな認知と身勝手な無効の主張を許すことになり,その結果,認知により形成された法律関係を著しく不安定にし,子の福祉を害することになるなどとして,血縁上の父子関係がないことを知りながら本件認知をした被上告人がその無効の主張をすることは許されないというのである。

5 血縁上の父子関係がないにもかかわらずされた認知は無効というべきであるところ,認知者が認知をするに至る事情は様々であり,自らの意思で認知したことを重視して認知者自身による無効の主張を一切許さないと解することは相当でない。また,血縁上の父子関係がないにもかかわらずされた認知については,利害関係人による無効の主張が認められる以上(民法786条),認知を受けた子の保護の観点からみても,あえて認知者自身による無効の主張を一律に制限すべき理由に乏しく,具体的な事案に応じてその必要がある場合には,権利濫用の法理などによりこの主張を制限することも可能である。そして,認知者が,当該認知の効力について強い利害関係を有することは明らかであるし,認知者による血縁上の父子関係がないことを理由とする認知の無効の主張が民法785条によって制限されると解することもできない。

 そうすると,認知者は,民法786条に規定する利害関係人に当たり,自らした認知の無効を主張することができるというべきである。この理は,認知者が血縁上の父子関係がないことを知りながら認知をした場合においても異なるところはない。

6 以上によれば,被上告人は本件認知の無効を主張することができるとして,被上告人の請求を認容すべきものとした原審の判断は,是認することができる。論旨は採用することができない。
 よって,裁判官大橋正春の反対意見があるほか,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
以上:1,723文字

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