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遺産分割協議をした後に遺言書が発見された場合の分割協議の効力3

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平成25年10月 5日:初稿
○「遺産分割協議をした後に遺言書が発見された場合の分割協議の効力2」の続きで、平成5年12月16日最高裁判決(判タ842号124頁、判時1489号114頁)の事案と判決内容を私なりのまとめと解説です。

○先ず事案概要です。
・被相続人Aは、昭和58年2月1日付け自筆証書による遺言で、遺産の一部である甲地(一筆の土地であり、農地)について北150坪を三男X2の所有、南186坪を長男Y及び四男X3の折半とする旨が記載
・Aは、法定相続人として妻と四人の息子を残して、同年4月1日に死亡
・相続人の全員は、同年8月14日、このA遺言の存在を知らずに、甲地を被相続人の妻Bが単独で相続するという内容の一部遺産分割協議
・Bは昭和59年1月7日に死亡し、Bは財産全部をYに相続させるとの公正証書遺言を残し、Yは甲地を承継
・二男X1,三男X2,四男X3が、長男Y(被上告人)に対し、
 主位的請求として、本件遺言の効力として、甲地は遺言書通り上告人X2は1110分の495、同X3は1110分の307の共有持分に更正登記手続請求
 予備的請求として、遺産分割協議不成立、仮に成立したとしても要素の錯誤により無効なので、本件土地がAの遺産であることの確認及び本件土地につき上告人らの持分各16分の3とする更正登記手続請求
・原判決は、当時A遺言の存在を知っていたとしても、本件遺産分割協議の結果には影響を与えなかったので、X2らがA遺言の存在を知らないでの遺産分割協議に要素の錯誤はないとして、主位的請求及び予備的請求のうち本件土地がAの遺産であることの確認を求める部分は理由がなく、本件B遺言についてした遺留分減殺請求により、上告人らは本件土地につき各8分の1の持分を有することになるので、予備的請求のうち更正登記手続請求認める。


○これに対して、平成5年12月16日最高裁判決は、
相続人が遺産分割協議の意思決定をする場合において、遺言で分割の方法が定められているときは、その趣旨は遺産分割の協議及び審判を通じて可能な限り尊重されるべきものであり、相続人もその趣旨を尊重しようとするのが通常であるから、相続人の意思決定に与える影響力は格段に大きいということができる。
A遺言は、本件土地につきおおよその面積と位置を示して三分割した上、それぞれを被上告人、上告人X2及び同X3の三名に相続させる趣旨のものであり、本件土地についての分割の方法をかなり明瞭に定めているということができるから、上告人X2及び同X3は、A遺言の存在を知っていれば、特段の事情のない限り、本件土地をBが単独で相続する旨の本件遺産分割協議の意思表示をしなかった蓋然性が極めて高いものというべきである。
として、原審とは逆の判断をして、錯誤の成否について更に審理を尽くさせるため原審に差し戻しました。

○遺言が相続人の意思決定に与える影響の大きさ、A遺言がかなりの程度明瞭に分割方法を定めたものであること、Bに甲地を取得させた遺産分割協議の内容と遺言の内容が全く異なるものであったことが判断のポイントになっているものと思われますが、本判決は一つの事例であるに止まり、遺言の存在を知らずにした遺産分割協議の意思表示には要素の錯誤があるという一般論を述べたものではないことに注意を要するとの解説もあります。遺言書の内容と遺産分割協議の内容の相違の程度等事実関係の相違に応じた事案ごとの判断が必要になります。
以上:1,419文字

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