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成年後見人に関する河北新報記事三態雑感

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平成25年 7月29日(月):初稿
○仙台に本社があり、東北地方をエリアとする河北新報社が、平成25年7月25日(木)、26日(金)、27日(土)と3日間連続で、成年後見人に関する記事を掲載しました。おそらく長期間に渡り、担当記者が仙台家庭裁判所や仙台弁護士会、司法書士会等に対して取材を継続し、ある程度情報がまとまった段階で記事にしたものと思われます。成年後見人に就任した弁護士の不祥事は、「弁護士って?”成年後見、弁護士の標的に-預かり金着服相次ぐ”」に記載したとおり、全国紙でも取り上げられており、時宜にかなったものとして取り上げたのでしょう。

○「弁護士って?”成年後見、弁護士の標的に-預かり金着服相次ぐ”」との記事は、弁護士に対する悪意を感じるものですが、今回の河北新報記事も、仙台弁護士会からの取材は、「後見人となる弁護士への監督以上に、支援が大切だ」との抽象的文言のみ掲載し、司法書士会は「半年に1回、通帳のコピーなど預かり財産の報告書を提出させ、年間の収支を点検。問題があれば業務改善命令などを出し、故意の不正があった場合でも一定額を補償する。」と具体的対策を紹介し、挙げ句に「2000年の制度開始当初は弁護士が司法書士より後見人に選任されることが多かったが、12年は司法書士が6382件で弁護士の4613件を大きく上回った。リーガルサポート宮城支部長の高橋雅宏司法書士は『信頼を得る組織全体の努力が評価された』とみる。」として、あたかも弁護士より司法書士の方が、信頼できるが如き記事となっています。

○私自身は、親族成年後見人の解任申立事件を扱ったことがありますが、成年後見人業務の経験はなく、今後も余りやりたいとも思いません。他人様のお金を預かる重要な仕事ですが、おそらく病院の選定等従前の弁護士業務とは異なる観点からの勉強が必要になると思われるからです。しかし、万が一に備えて、河北新報3記事を備忘録として残します。

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◎弁護士会 対策に遅れ
2013年07月25日木曜日
後見人不正件数、12年は倍増

 成年後見制度をめぐっては、財産の横領などの不正が社会問題になっている。弁護士が成年後見人として携わるケースが増える一方、弁護士会の不正防止策やサポート体制は追い付いていない。
 仙台家裁が2012年に弁護士を後見人に選んだのは53件と、前年より倍近く伸びた。一方、不正を理由に弁護士を含む後見人らを解任したのは11件で、前年の2件を大幅に上回った。
 後見人による不正は全国でも急増している。最高裁によると、12年に判明した不正は前年比313件増の624件、被害額は約15億円増の48億円に上った。

 弁護士による預かり金着服事件が相次ぎ、日弁連はことし5月、預かり金の保管状況を弁護士会が調査できる規定を設けた。仙台弁護士会は本年度、後見人となる弁護士への後方支援体制やマニュアルの検討を始めた。
 仙台弁護士会で成年後見制度を扱う委員会の委員長を務める大橋洋介弁護士は「後見人が親族ら周囲の意向を優先して対応すれば、被後見人の利益に反することもある。後見人となる弁護士への監督以上に、支援が大切だ」と指摘する。

 弁護士会に先駆け、不正防止策を設けているのは司法書士会だ。
 後見人となった司法書士の指導や監督に当たる「成年後見センター・リーガルサポート」を1999年、東京に設立。半年に1回、通帳のコピーなど預かり財産の報告書を提出させ、年間の収支を点検。問題があれば業務改善命令などを出し、故意の不正があった場合でも一定額を補償する。
 2000年の制度開始当初は弁護士が司法書士より後見人に選任されることが多かったが、12年は司法書士が6382件で弁護士の4613件を大きく上回った。リーガルサポート宮城支部長の高橋雅宏司法書士は「信頼を得る組織全体の努力が評価された」とみる。

 全国で弁護士や司法書士ら第三者が後見人らに選ばれた例は12年、初めて親族を上回った。
 東北学院大法科大学院の遠藤隆幸准教授(家族法)は「専門職の後見人が増えるのは好ましいが、知見に濃淡がある」と分析。「裁判所が後見人の業務を適切に監督する体制を作ることも必要だ」と話す。

 [成年後見制度] 認知症や知的障害、精神障害などで判断能力が不十分な人(本人)について、援助者を選び、本人を支援して権利を守る。2000年に始まった。親族らの申し立てで家裁が成年後見人らを選任する「法定後見」などがある。成年後見人の選任対象は親族や弁護士、司法書士ら。仕事は法律行為に関するものに限られ、本人に代わって財産を管理したり、必要な契約を結んだりする。

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被後見人の保険金管理 「あるまじき行為」 仙台弁護士会
2013年07月26日金曜日
 仙台弁護士会の男性弁護士が被後見人の保険金を自分の業務用口座で管理していた問題で、弁護士会の内田正之会長は25日、仙台市青葉区の仙台弁護士会館で記者会見し「後見人としてあるまじき行為。しかるべき対応をする」と述べた。
 弁護士会などによると、弁護士は成年後見制度の後見人を務めた2009年以降、被後見人の高度障害保険金約2億6000万円を専用口座ではなく、弁護士の業務用口座で管理した。保険金の受領や管理状況を仙台家裁に伝えず、家裁による監督の機会を失わせるなどした。着服や流用、実害はないという。
 弁護士は昨年12月、財産を不適切に管理したとして後見人を解任された。弁護士会はことし1月と今月、「弁護士としての品位を失うべき非行に当たる」として内部組織の綱紀委員会に調査を請求した。
 今後、綱紀委や弁護士会の懲戒委員会の判断を踏まえ、処分が決まる。関係者によると、懲戒処分となる公算が大きい。
 内田会長は「極めて遺憾に思う。綱紀委と懲戒委の決議に基づいて対応する」と話した。


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親族後見人不正6000万円 仙台家裁管内で大幅増
河北新報2013年7月27日(土)06:10
 仙台家裁管内で2012年、成年後見制度の成年後見人らを務めた親族による不正の被害額が約6000万円に上ったことが26日、家裁への取材で分かった。11年の約340万円から大幅に増えた。親族が後見人らに選ばれるケースは多く、法曹関係者らは「判断能力の不十分な人に代わって財産管理する責任の重さをわきまえ、行動するべきだ」と指摘する。

 家裁によると、12年、不正を理由に親族の後見人らを解任したのは10件で、11年の2件を上回った。同課は「個別の事案については回答を控えたい」とした上で、被後見人の財産を後見人が自分のために使った例を挙げる。
 家裁が12年、後見人らに選んだのは382件で、このうち親族は213件と約6割を占める。
 家裁総務課の担当者は「後見人らが不正をしたことは誠に遺憾。後見人らに十分自覚を促すとともに、不正が判明した場合、解任手続きや警察への告発などを迅速に進めていきたい」と語る。
 親族や弁護士の後見人らによる不正が相次ぐ一方、後見人らのなり手不足が深刻化しており、第三者が「市民後見人」として活動する動きが広がりつつある。
 市民が研修などを受けて候補者となり、市町村長の家裁への申し立てを経て、家裁によって後見人に選任される。
 仙台市社会福祉協議会の内部組織「市成年後見総合センター」によると、市内では現在、50代~60代の男女4人が市民後見人として活動する。
 センターの担当者は「市民後見人は被後見人が住み慣れた地域で安心して暮らすための社会資源として期待されている」と話す。

[成年後見制度]認知症や知的障害、精神障害などで判断能力が不十分な人(本人)について、援助者を選び、本人を支援して権利を守る。2000年に始まった。親族らの申し立てで家裁が成年後見人らを選任する「法定後見」などがある。成年後見人の選任対象は親族や弁護士、司法書士ら。仕事は法律行為に関するものに限られ、本人に代わって財産を管理したり、必要な契約を結んだりする。
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