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相続人への死因贈与と相続債権者との関係2

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平成21年 1月31日:初稿
○被相続人Aが、所有する甲不動産を、生前に第3者Bに死因贈与して仮登記をし、Aが死去後、Aの債権者Cが甲不動産を差押しても、Aの相続人がBへの仮登記を本登記にした場合は、BC間の権利関係は対抗問題となり、先に仮登記を取得していたBの権利が優先します(昭和31年6月28日最高裁判決、民集10巻6号75頁)。

○しかしBがAの相続人の場合、相続人である以上、限定承認してもAが所有する財産の範囲内で債務も承継します。そして民法第931条(受遺者に対する弁済)で「限定承認者は、前2条の規定によって各相続債権者に弁済をした後でなければ、受遺者に弁済をすることができない。」と規定されており、受遺者より債権者の権利が優先します。民法第554条(死因贈与)「贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与については、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用する。」と規定されています。問題は、死因贈与の「性質に反しない」としてこの問題について遺贈の規定が適用されるかどうかです。私は適用すべきと思っております。

○そしてAの死後、Bが限定承認者ながらAの相続人としてB自身に対する仮登記を本登記にする手続をすることは、民法第921条の「相続財産の全部又は一部を処分」をしたことになり、法定単純承認とみなされ、BはAの完全な相続人となり、Cに対する債務を承継することからCの差押が優先することになると考えて良いと思っております。

○上記のように現行民法条文の適用で債権者Cの権利を優先させて良いと思うのですが、平成10年2月13日最高裁は、条文適用をするまでもなく、「信義則に照らし」と言う理由で、Cの権利を優先させています。以下、長くなりますが,最高裁の説く「信義則」の具体的理由です。
被相続人の財産は本来は限定承認者によって相続債権者に対する弁済に充てられるべきものであることを考慮すると、限定承認者が、相続債権者の存在を前提として自ら限定承認をしながら、贈与者の相続人としての登記義務者の地位と受贈者としての登記権利者の地位を兼ねる者として自らに対する所有権移転登記手続をすることは信義則上相当でないものというべきであり、また、もし仮に、限定承認者が相続債権者による差押登記に先立って所有権移転登記手続をすることにより死因贈与の目的不動産の所有権取得を相続債権者に対抗することができるものとすれば、限定承認者は、右不動産以外の被相続人の財産の限度においてのみその債務を弁済すれば免責されるばかりか、右不動産の所有権をも取得するという利益を受け、他方、相続債権者はこれに伴い弁済を受けることのできる額が減少するという不利益を受けることとなり、限定承認者と相続債権者との間の公平を欠く結果となるからである

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