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寄与分の基礎の基礎2-寄与の程度と補助者の寄与

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平成18年 9月17日(日):初稿
○寄与分は、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をして初めて認められます。

○良く単に同居していただけで寄与分の主張がなされますが、労務提供・療養看護その他の方法で「特別の寄与」とされる高度なことが必要で、そのためには無償で行われ、これによって被相続人の相続財産が維持・増加したこととの因果関係が必要です。

○夫婦間には同居・協力・扶助義務、直系血族・兄弟姉妹間には扶養義務、直系血族・同居の親族間には扶け合い義務があり、これらの義務の履行と見られる行為は一般に特別の寄与には該当しません。但し扶養に関しては寄与分に認めるべきとの考えもありますが、難しいところで別項で検討します。

○特別の寄与と言うためには、寄与行為が無償で行われたことが必要です。無償とは、契約関係に基づく給付ではなく、またこれに対する反対給付を受けていないことです。良く被相続人所有土地建物に同居し、生活費を一部負担していた場合に寄与分が主張されることが多いのですが、土地建物に居住することは賃料相当額の反対給付に該当する場合が多く、相当多額の負担をしていないと寄与分とは認められません。

○寄与相続人に対し寄与に対する補償の趣旨で生前贈与や遺贈などがなされた場合はその分は寄与分から差し引かれ、補償を超える部分にしか寄与分は認められません。

○特別の寄与があったと言えるためには、寄与の結果被相続人の財産の維持・増加が必要です。維持とはその寄与がなければ財産が減少した場合を言います。いくら多大な貢献があったとしてもそれによって財産が維持・増加がなければ寄与分は認められません。

○寄与分が認められるのは原則として共同相続人に限られますが、相続人である夫の妻や子が家業の農業や商業に無報酬で従事したり、妻が夫の両親の療養看護に尽くした場合には、妻や子の寄与行為が相続人たる夫との身分関係の一体性から行われるものであり、相続人たる夫を補助したものとして夫の寄与分に認めらます。

○相続人の母で被相続人の先妻が婚姻期間中無報酬で家業に従事して相続財産を増加させていてもその子である相続人が母の貢献分を寄与分として主張することは認められません。母は相続人たる子の補助者とは言えないからです。
以上:962文字

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