仙台,弁護士,小松亀一,法律事務所,宮城県,交通事故,債務整理,離婚,相続

旧TOPホーム > 相続家族 > 遺産分割 >    

借金も原則として遺産分割の対象の範囲外

相続家族無料相談ご希望の方は、「相続家族相談フォーム」に記入してお申込み下さい。
平成18年 5月10日:初稿
○平成18年3月1日更新情報「預貯金は原則として遺産分割の対象の範囲外」で相続人が残した銀行等への預貯金は、共同相続人の遺産分割協議を待つまでもなく、相続開始と同時に、当然に相続分に従って分割されるので(最高裁昭和29.4.8民集8-4-819)、原則として遺産分割の対象にはなりませんと述べました。

○では銀行やクレジット会社からの借金はどうなるかというと、裁判所は、これらの借金も法律上当然に相続分の割合により、お互いに連帯することなく被相続人の債務を分割して相続人毎に承継し、連帯債務者の相続人はその相続分の割合で生存する連帯債務者と連帯して債務を承継するとしています(最高裁昭和34.6.29民集13-6-757)ので、借金も預貯金と同様遺産分割の対象にはなりません

○重要なことは遺産分割協議によって不動産等積極財産の殆どを相続した者も、ごく僅かしか相続しない者、極端に言えば生前贈与等のために全く相続しない者も、相続した財産の額とは全く関係なく一律に相続分の割合による債務を承継することです。

○具体的には父Aの相続人として母B、長男C、二男Dが居た場合で、遺言がなかった場合、相続分は法定相続分になりますので、母B2分の1、長男C、二男Dは各4分の1になり、父Aが銀行に4000万円の借金があればBが2000万円、C、Dが各1000万円の割合で借金を承継します。債権者の銀行としては4000万円の債権が当然にBへの2000万円とC、Dへの各1000万円と分割されてしまいます。

○父Aに遺産としては時価5000万円の不動産しか無く、B、C、Dの遺産分割協議の結果、この時価5000万円の不動産を長男Cが取得し、B、Dは何も取得しないとなった場合であっても銀行は長男Cには、法定相続分の1000万円しか請求できません。

○学説には上記結論を不合理として相続人B、C、D全員が全額5000万円を承継し相続分は内部の負担割合とするとか或いは遺産分割で取得した財産の割合で債務を承継するとする考えもありますが、実務は裁判所の考えで運営されています。

○もっとも上記の場合、実際は銀行は時価5000万円の不動産に抵当権を設定していることが殆どであり、不動産に対する合計4000万円の抵当権は維持されますので、銀行が困ることはありませんが、抵当権がない場合、困ったことになり、他の手当が必要になります。

○相続分は遺言によって指定される場合があり、例えば父Cが全ての財産を長男Cに相続させると言う遺言を残した場合は、相続分は全てCに帰属し、母B、二男Dは相続分無しとなりますので、借金もCが全て承継し、相続分のないB、Dは承継しないのがスジのはずです。

○これに関する判断を示した判例を探してるところですが、現時点では見あたりません。学説では、債権者の保護を考慮して、債権者に対する関係では、遺言による指定相続分ではなくあくまで法定相続分で各相続人が承継するとの考え方の方が有力のようです。前記の通り、指定相続分割合如何に拘わらず相続人全員が全債務を承継するという考えも有力ですが、実務の世界では判例が基準であり学説は殆ど考慮されません。

○私自身は判例の趣旨からは遺言による指定相続分か遺言がない場合は法定相続分で分割されるべきと思いますが、実務的には相続分指定があっても債務承継に関しては法定相続分と覚えておいた方が無難なようです。
以上:1,401文字

タイトル
お名前
email
ご感想
ご確認 上記内容で送信する(要チェック

(注)このフォームはホームページ感想用です。
相続家族無料相談ご希望の方は、「相続家族相談フォーム」に記入してお申込み下さい。


 


旧TOPホーム > 相続家族 > 遺産分割 > 借金も原則として遺産分割の対象の範囲外