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”証人の声、傍聴人に聞かせる義務ない”平成26年7月10日東京高裁判決雑感

平成26年 7月13日:初稿
○平成17年4月1日初稿の「裁判公開の原則雑感」に、「難聴者にまで配慮して、裁判公開の原則を貫くアメリカに比較し、日本の法廷は傍聴席に内容が判るようにするとの意識が欠如しているとしか思えません。裁判公開の原則は大日本帝国憲法にも定められていたのですが。」と記載していましたが、正にその通りの判決が出されたようです。後記「証人の声、傍聴人に聞かせる義務ない」平成26年7月10日東京高裁判決です。

○一審の東京地裁判決が同様の結論を出していたものを、東京高裁でも追認したようであり、私が持っている判例データベースで、この2つの判決全文データがないか探したのですが、現時点では見つかりません。一審東京地裁判決は、おそらく1,2年前と思われますが、ネットでは話題にならなかったようです。

○繰り返し記載していますが、平成17年3月のアメリカサンフランシスコ法曹事情視察旅行で最高に感激したことは、法廷の聴覚障害者に対する情報保障意識が日本と比べものにならないことでした。それまでアメリカという国は、余り好きな国ではありませんでしたが、この時の視察旅行で、徹底した「民の国」であると実感し、徹底した「お上の国」である日本国民として誠に羨ましいと思いました。

○「聴覚障害者の権利-裁判の情報保障」に「サンフランシスコ裁判所で垣間見た裁判審理では全員がマイクをシッカリと使い傍聴席にもハッキリ聞こえて裁判内容が良く判るように工夫さら、更に赤外線によるワイヤレスヘッドホンシステムが装備され、高齢の難聴者と思われる黒人のお爺さんがヘッドホンを使いながら熱心に傍聴していました。」と記載していました。

○このサンフランシスコ裁判所の姿勢は、正に「傍聴人が証言をつぶさに知る権利を与えたもの」でした。この姿勢に比べて、園尾隆司裁判長の「保障されるのは公正さ」と指摘し、「傍聴人が証言をつぶさに知る権利を与えたものではない」との姿勢は、なんと遅れていることか。「民には知らしむべからず」とのお上の姿勢がシッカリと現れています。塚田弁護士さん、まだ若い弁護士さんのようですが、是非とも、最高裁で逆転判決を得て頂きたいものです。

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「証人の声、傍聴人に聞かせる義務ない」平成26年7月10日東京高裁判決
朝日新聞デジタル2014年7月11日10時19分

 刑事裁判の法廷で、傍聴人に証人の声が聞こえなかったのは「裁判の公開を定めた憲法に反する」として、裁判を傍聴した弁護士が国に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が10日、東京高裁であった。園尾隆司裁判長は「証人の声を傍聴人に聞こえるようにする義務はない」と述べ、請求を棄却した一審・東京地裁判決を支持し、弁護士の控訴を退けた。

 訴えたのは塚田育恵弁護士(東京弁護士会)。判決などによると、2012年にさいたま地裁であった殺人事件の公判で、地裁は法廷外の部屋にいる証人にモニターを通じて質問する「ビデオリンク方式」を実施。この裁判の被告の共犯として起訴された男の弁護人を務めた塚田弁護士が傍聴席にいたが、証言の大半が聞こえなかった。

 この日の判決は「裁判の公開の原則」について「保障されるのは公正さ」と指摘し、「傍聴人が証言をつぶさに知る権利を与えたものではない」とした。判決後、塚田弁護士は「傍聴人の権利を著しく制限する判決だ」とし、上告する方針を明らかにした。

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