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司法制度改革審議会抜粋-合格基準設定は難しい2

平成25年 6月 7日:初稿
○「sonota/13060601.htm,司法制度改革審議会抜粋-合格基準設定は難しい」を続けます。
桐師匠【多遊】さんにお作り頂いた司法制度審議会データベース試作品での議事録全文のごく一部ですを読みふけっています。

法曹実務家は、この議論のなされた平成12年時点でも司法修習生の質について随分厳しい評価をしています。
量を重視するといっても最低限度の質は維持しなければならない、質が劣った弁護士が幾ら増えても国民の権利擁護のためには役立たない」と言うご指摘は正にその通りですが、司法改革反対派弁護士が言っていることと繋がります。但し、ユーザー側は多少質が落ちてもサービス精神旺盛な弁護士を欲しているように見えます。「最低限度の質」をどこに置くかの違いです。

○平成12年の合格者1000人時代ですら「現在の司法修習生の質的劣化というのは、かなり研修所の教官を困惑させているわけでありまして、基本書を読まず、予備校の論点整理だけで勉強してきた、そして、論点整理に書いてあることは立板に水で答えるが、ちょっとモディファイした問題には全く答えられないという修習生がたくさんいる」と評価されています。

○私は、合格基準に関しては、私は絶対評価で決めるべきと繰り返し訴えてきましたが、実際、選抜試験を担当する司法試験委員の方からは、「絶対的な評価でいくべきだということ、それはそのとおりだと思うのですが、この絶対的評価ということは、言うはやさしいけれど非常に難しい問題」、「今合格者は約1,000人になりましたけれども、絶対的評価で言ったら本当に1,000人を満たすのかどうか。その辺は見方が分かれるところ」なんて生の声が聞こえてきます。
これは、合格者1000人と言っても、合格者数1000人と決められたから合格させているが、絶対評価からは合格させられないレベルの合格者も居ると言っているようです。「本当にそれを満たすだけの人が毎年確保できているのかどうかというところは疑問がないわけではありません。」と言われていますので。

○実務は多種多様で教科書に書いてある知識だけでは答えられない問題が圧倒的であり、「ちょっとモディファイした問題には全く答えられないという修習生」に限らず、弁護士1,2年の経験では、なかなか、実務問題に答えられません。それ故、私は、合格者を増やした以上、最低2年程度「弁護士補」の期間が必要だと訴えているのですが。しかし、より厳しい参入規制だと叱られそうです(^^;)。

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【藤田委員(元広島高等裁判所長官)】
 私は、時には中坊委員と意見が一致するわけでありまして、一致するときは大きな声で言えと中坊委員がおっしゃるから言いますが、隣接法律専門職種の問題、これは法曹人口、法曹養成を考えるときには、前提として考えざるを得ない問題です。将来的に職種統一していく方向になるのであれば、これはもう法科大学院に関して問題として取り上げなければならないわけですが、そういうことを決めないで検討をお願いしているので、その点について御返答をいただくというわけにはいかないと思いますけれども、その点の取扱いをどうするかということが影響するということもちょっと念頭に置いておいていただければという気がいたします。

 それから、先ほどの質と量の話で、量を重視するといっても最低限度の質は維持しなければならない、質が劣った弁護士が幾ら増えても国民の権利擁護のためには役立たない、それは特に法曹倫理の面でそうです。そういう意味で、法科大学院を相当に質の高い人が卒業して、司法試験に受かってくるということが望ましいわけですが、現在の司法修習生の質的劣化というのは、かなり研修所の教官を困惑させているわけでありまして、基本書を読まず、予備校の論点整理だけで勉強してきた、そして、論点整理に書いてあることは立板に水で答えるが、ちょっとモディファイした問題には全く答えられないという修習生がたくさんいるというふうに聞くわけであります。

法科大学院を作ったとしても、現在の予備校が必死に生き残りを図るでありましょうから、法科大学院の入学試験と司法試験について活路を見出そうとすることが見えているわけであります。一方、現在の法学部生が試験科目以外の授業には出ない、試験科目についても3、4年になると出ない、そして予備校に通って、3年生までに大部分の単位を取り、4年生になると試験勉強に専念して授業に出てこない、というような状況を改善するには、大学だけの責任ではないわけであります。大学に入学してからも高校教育の補習教育をやっておられるそうでありますが、教育全体の問題であります。こういう現状の下で法学部教育を活性化するというのは大変なことだろうと思います。そういう意味で、活性化には時間が掛かると思いますので、その間の大学院教育あるいは司法試験の運用については、経過的ではありますけれども、最低限度の質的レベルは維持しなければならないということを考慮せざるを得ないのではないかと思います。

【井上委員(前東大教授、刑事訴訟法、元司法試験委員、法廷経験なし) 】
簡単に申し上げます。
今の司法試験の合格率が3%ということになってきたのは、一つは、オープンな性格の試験であるがゆえに受験回数の制限というのができなかったということもあるのですね。その辺は、今度はこういう丁寧な教育をした上で選別をするということで、受験回数の制限を最初から掛けていこう。それによって、たまってくる人は一定限度に抑えられるだろうという制度設計になっている。その点をまず指摘させていただきます。

もう一つは、髙木委員がおっしゃったように、絶対的な評価でいくべきだということ、それはそのとおりだと思うのですが、この絶対的評価ということは、言うはやさしいけれど非常に難しい問題なんですね。水原委員が指摘されたように、今合格者は約1,000人になりましたけれども、絶対的評価で言ったら本当に1,000人を満たすのかどうか。その辺は見方が分かれるところでありまして、私などは、大学で鬼と言われているようで、個人的にはかなり厳しい方だろうと思っているのですが、そういう目で見ると、本当にそれを満たすだけの人が毎年確保できているのかどうかというところは疑問がないわけではありません。

そういう意味で、理論的には、絶対的評価でやれば予定している数よりも下回るということはあり得るのですが、私は、現在の受験生を見ていますと、受かっているところの下半分というとおかしいのですが、その辺の層と、受かっていない受験生の上の方の層とはそんなに違わないのではないかと思うのです。

その辺を、丁寧に教育することによって全体としてレベルアップさせれば、かなりの数は確保できていくのではないか。そういう期待がありませんと、ロースクールというのは、大学人にとっても非常に大変なことですので、そういう希望を持って制度設計をしていくべきだと思っているわけです。
以上:2,916文字

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