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弁護士の2割が年収100万円以下とのニュース雑感2

平成25年 5月11日:初稿
○「弁護士の2割が年収100万円以下とのニュース雑感」を続けます。
弁護士の2割が年収100万円以下とのニュース」について、それみたことか、とばかりに司法改革による法科大学院経由弁護士大増員政策の失敗をあげつらう弁護士ブログが彼方此方に見られます。しかし、このニュースを見て多くの国民が弁護士側に同情して、弁護士の主張する参入規制論に賛成してくれると本気で考えているとしたら、お門違いも甚だしく、実にお目出度いと評価するしかありません。

○繰り返し記載していますが、私は、司法改革とは弁護士特権の剥奪であり、それまでの弁護士に対する国民の不満が爆発して起こったと評価しています。司法改革前の弁護士には三大特権が特権が与えられており、それは①独占、②少数者による寡占、③競争排除(宣伝・広告禁止と統一料金)の3つでした。独占とは弁護士法第72条による法律業務独占であり、少数者による寡占とは独占している法律業務を少人数で支配していることであり、③競争排除とは、宣伝・広告することが禁じられ、更に統一料金が定められており、競争しなくても商売が成り立つことです。

○この三大特権により弁護士は商売としてみた場合、実に恵まれており、ひとたび弁護士資格を取得すると、後はさしたる営業をすることなく商売が成り立ち、一生安泰でした。弁護士資格は、いわば生涯の生活保障のようなものでした。しかし特権を与えられ、生涯を保障された人間は、つけあがるのが常です。お客さまは神様ですなんて発想は全くなく、顧客満足なんて言葉も不要で、殿様商売が横行し、依頼する側からは不満が溜まるのは当然です。

○おまけに弁護士法第1条に「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。」なんて記載されているものですから、弁護士は「人権擁護」・「社会正義実現」の使徒であり、普通の商売人ではなく、世のため人のために指導する立場にある偉い人種なんだと勘違いが生じました。お客さまに対する態度も、おれ達は偉い指導者なんだから黙って言うことを聞けと言う態度で接します。

○更に合格者500人時代の試験は、100人の内2人も合格しない合格率1.5パーセント程度で熾烈を極めていたため、合格すると周囲から凄い、凄いとチヤホヤおだてられ続け、オレは偉いんだと舞い上がります。そして司法修習生になると、正に金の卵扱いで、1年目から国家公務員上級職の3年目相当の給料を支給された上、裁判所・検察庁・弁護士会で大事なお客さまとして大切に大切に扱われます。弁護士を目指せば多くの弁護士事務所から声がかかり、正に売り手市場で、就職の苦労など全く無縁で就職し、就職した途端、先生なんて呼ばれて、更に偉くなったと勘違いが進みます。

○司法改革以前の弁護士はこのような特権階級でしたが、特権が強ければ強いほどやっかみが生じるのが当然です。特権を剥奪して普通の階級に引きずり下ろせとの大合唱が起こり、特権維持に汲々とする日弁連メンバーが殆ど排除された司法制度改革審議会によって法科大学院制度と3000人合格の合格の号令が出されて、弁護士の特権剥奪が決定づけられました。

○弁護士の殿様商売については、あくまで一般論で、みんながみんなそうだったとは言いませんが、弁護士を利用する国民側に一般的にはそのように見られていたことは間違いありません。かような経緯で、司法改革が進み、弁護士の特権階級引きずり下ろしの結果、「弁護士の2割が年収100万円以下とのニュース」は、一般国民から見たら、「ざま見ろ、良かった良かった、まだまだ甘い」、であり、弁護士に再び特権をやろうなんて気になるはずがないでしょう。

○司法改革による弁護士大増員で弁護士業界も普通の競争社会に突入し、「顧客満足第一です」と謳う弁護士HPが激増し、これまでのような殿様商売では淘汰されるのが確実な状況になっています。この状況は国民が望んだものであり、今更特権復活などあり得ないと覚悟し、過去を振り返らず前を見て進むしかありません。
以上:1,654文字

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