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弁護士業務広告規程ガイドライン(運用指針)全文紹介5

平成25年 4月25日:初稿
○「弁護士業務広告規程ガイドライン(運用指針)全文紹介4」の続きです。
 今回は、「第4 表示できない広告事項と例外的に許される表示(規程第4条)」ですが、重要な点は、現在及び過去に取り扱った事件の表示です。特に成果を上げた事件について、宣伝効果があると考えて、HP或いはブログ等で記述しがちですが、守秘義務との関係で問題となります。

○お客さまご本人から書面で同意を得ている場合は問題ありませんが、同意を得ていない場合、「依頼者が特定されない場合で,かつ,依頼者の利益を損なうおそれがない場合」となるように記述を注意しなければなりません。また、一般には特定されなくても、依頼者ご本人には、自分のことが書いてあると判るような場合も、依頼者の心情を考慮した表現にしなければなりません。この点は注意が必要です。

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第4 表示できない広告事項と例外的に許される表示(規程第4条)
 規程第4条は,規程第3条で禁止される典型的な広告事項を具体的に明示し,列挙したものである。これは例示であり,ここに列挙されていない広告事項であっても,規程第3条各号の1つにでも該当する場合は,禁止されることになることはいうまでもない。
 また,第2号から第4号までは,ただし書で例外的にその表示が許される場合を規定していることに意味がある。

1 訴訟の勝訴率(第2号)
 訴訟事件の勝訴率を表示することは,規程第3条第2号の誤導又は誤認のおそれのある広告に該当し許されない。

2 顧問先又は依頼者。ただし,顧問先又は依頼者の書面による同意がある場合を除く(第2号)
 顧問先又は依頼者は,弁護士等の守秘義務にかかる事項であり,弁護士等が依頼者に対して厳格な守秘義務を負担していることから,顧問先や依頼者をこれらの者の同意なしに表示することは,規程第3条第6号の法令に反する広告に該当し許されない。
 しかし,顧問先又は依頼者の書面による同意がある場合には,顧問先又は依頼者を表示することができる。
 顧問先や依頼者というのは,単なる名目的な関係では不十分であり,誤導となるおそれがないような実質的な関係を備えていることが必要である(規程第3条第2号)。
 同意を書面で要求しているのは,守秘義務に関して無用な争いが生じるのを避けるためである。
 同意の範囲や有効期限の問題は,個別に判断することになるので,明確にしておくことが必要である。また,過去の顧問先や過去の依頼者を表示することも可能であるが,その場合は,そのことを明示するなどして誤導にならないように配慮すべきである。

3 受任中の事件。ただし,依頼者の書面による同意がある場合及び依頼者が特定されずかつ依頼者の利益を損なうおそれがない場合を除く。(第3号)
 受任中の事件は,弁護士及び外国法事務弁護士の守秘義務にかかる事項であり,依頼者 の同意なしにこれを表示することは,規程第3条第6号に該当し許されない。ここでいう「事件」とは,訴訟事件に限らず,訴訟外の事件や交渉案件など弁護士の受任中の事件全てを広 く含む趣旨である。

 また,「受任中」とは,委任契約締結時から委任契約終了時までの期間をいい,委任契約終了時とは,契約の目的となっている委任事務処理が終了し金銭的な清算などの一切の処理 が完了した時点と解される。

 依頼者の書面による同意がある場合は,依頼者に対する守秘義務に反することにならないから広告にその表示をすることが許される。
 なお,相手方に対しては守秘義務を負っていないので,相手方の同意まで得る必要はない。
 依頼者の書面による同意がない場合であっても,依頼者が特定されない場合でかつ依頼者の利益を損なうおそれがない場合には,例外的に広告として表示できる(本号ただし書後段)。このような場合とは,例えば,集団訴訟事件で,原告団への加入を呼びかける必要があ るのに,依頼者が多数で既に委任を受けている依頼者の個別の同意を得るのが困難な場合等を想定している。そうした場合には,依頼者が特定されることなく広告することが可能であるし,かつ,依頼者の利益にも合致する場合が多いと思われるからである。

 この依頼者が特定されずかつ依頼者の利益を損なうおそれがない場合かどうかは,個別かつ具体的に判断されることになる。したがって,一般的には依頼者の書面による同意を得るのが無難である。 また,依頼者が特定されない場合としてあるのは,依頼者名を表示しない場合でも依頼者が特定されてしまう場合があるからである。

4 過去に取り扱い,又は関与した事件。ただし,依頼者の書面による同意がある場合及び広く一般に知られている事件又は依頼者が特定されない場合で,かつ依頼者の利益を損なうお それがない場合を除く。(第4号)
 本号も前号と同様に依頼者に対する守秘義務との関係で規程第3条第6号に該当し広告することが許されない事項である。

 しかし,過去に取り扱った事件又は過去に関与した事件は,前号の受任中の事件の場合 よりも,事件の結論が既に出ていて,評価も固まっていることから,守秘義務に反しない限 り広告ができるとしている。具体的には,広告ができる場合として,ただし書では次の3つの要件の1つを充たすことを求めている。
(1) 依頼者の書面による同意がある場合
(2) 広く一般に知られている事件で,かつ,依頼者の利益を損なうおそれがない場合
(3) 依頼者が特定されない場合で,かつ,依頼者の利益を損なうおそれがない場合

(2)の広く一般に知られている事件とは,既に判例集,新聞,雑誌等で広く公表されている事件であり,守秘義務違反の生じる余地のない場合であるが,依頼者の利益を重視し,依頼者の利益を損なうおそれがないことを要件として加えている。

(3)の依頼者が特定されない場合には,一般的には特定の依頼者の守秘義務との抵触が問題とならないと思われる。しかし,やはり依頼者の利益を重視し,依頼者の利益を損なうおそれがないことを要件として加重したものである。

(2)及び(3)の場合は,いずれも依頼者の同意がなくても広告として表示することを認めたのである。しかし,このような場合でも,無用のトラブルを防止するには,依頼者から書面による同意を得ておくことが望ましい。

以上:2,617文字

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