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平成23年第6回新司法試験合格者発表雑感2

平成23年 9月10日(土):初稿
○「平成23年第6回新司法試験合格者発表雑感」を続けます。
丁度1年前の「平成22年第5回新司法試験合格者発表雑感」では、「折角、創設された法科大学院をつぶすべきなんて非道い主張をするつもりは全くありません。しかし法曹志願者が減るのは問題であり、貧乏人でも挑戦できるように法科大学院を経由せず司法試験を受験できる予備試験を充実させ、且つ、不合理極まりない受験機会制限を速やかに撤廃して頂きたいものです。」と謙抑的に記載していたものを、「平成23年第6回新司法試験合格者発表雑感」では、「今は法科大学院のある都市に居住して高い授業料を支払うとの大きな代償が必要なうえ、5年過ぎたら受験資格すら失います。今年の合格者状況を見て、こんな、馬鹿馬鹿しい法科大学院、受験制限制度など廃止しろと、腹立たしく思っております。」とつい過激な感想を書いてしまいました。

○しがない貧乏弁護士のつぶやきなど何の影響力もないことが目に見えているが故の暴言ですが、現在の私の偽らざる実感です。私は昭和55年(1980年)4月、28歳と8ヶ月で仙台弁護士会に登録して、弁護修習先のN法律事務所に勤務し、勤務弁護士(イソウロウ弁護士略してイソ弁)としてスタートしました。平成23年9月現在は弁護士生活31年5ヶ月になります。

○31年数ヶ月の弁護士生活を振り返り、登録当初のことを思い起こすと実に恥ずかしくなります。当初2年1ヶ月はN法律事務所に勤務して固定給を頂きながら、且つ、個人の事件を受任することが出来ました。郷里気仙沼で2年間受験勉強をして、司法書士受験を目指す方2名とゼミをするなどしていた関係で、有り難いことに、登録当初から郷里気仙沼からの個人事件が結構入りました。

○2名のゼミ仲間の内1人は私より20歳以上年長で、市会議員を退任されて司法書士を目指し、私が司法試験に合格した昭和52年に司法書士試験に合格され、私が弁護士登録した頃には司法書士として仕事をしており、もう1人は、義父が市会議員兼司法書士で、いずれも顔が広く、多くの知り合いを有していたため、司法書士では処理できない事件を良く仙台の私に紹介してくれたからです。

○弁護士登録10年目位までは郷里気仙沼の事件が多く、週に1度は気仙沼に帰って仕事をしていましたが、今思うと気仙沼のご依頼された方々には、ホントに迷惑をおかけしたのではと気恥ずかしくなります。と言うのは、自信を持って言えますが、特に弁護士登録1年目などは、受験勉強としての法律は判っていても実務で使いこなす力はなきに等しかったからです。形式的に弁護士資格はあっても、真の実務家とは到底評価できる力はありませんでした。

○受験勉強或いは司法研修所の白表紙起案での勉強は、真の実務勉強にはなりません。真の実務勉強とは、お客様と対面し、報酬を頂き、お客様のご希望にお応えするために、ああでもないこうでもない、必死に考えながら行動をしていくうちに長い時間をかけて自然と体得していくものであり、関係書籍を読んで文字から体得できるものではありません。この意味で、司法研修所2回試験合格、単位弁護士界登録での形式的弁護士資格が、真の実務家としての弁護士資格になるまでは、実務経験5年くらいは必要というのが私の実感です。

○法科大学院は、実務家養成のため実務的問題を解決する訓練もしているとこのとですが、実務はいくら紙の上で訓練しても殆ど無駄というのが私の経験からの実感であり、その法科大学院教育の延長上の現在の司法試験でどれだけ将来の実務家としての能力を測れるのか大いに疑問を感じて憤っているところです。
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