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現行司法修習制度は裁判技術以外へも門戸開放すべき?

平成23年 9月 3日:初稿
○「旧試験受験方法は受験技術に偏ってしまった-本当?」を続けます。
 当HPへご投稿された旧司と新司の両方の経験がある法曹実務家の方は、「現行の修習制度を大幅に変えるべきです。アメリカを見習ったのだから、ロースクール修了後は、旧来の裁判実務以外の分野で活躍できるようにするべきです。」と強く主張されています。

○私は、最近の司法修習制度は、殆ど情報がなくどのようになされているのか断定できませんが、弁護修習に関する限りは、私が初めて弁護修習を担当した平成2年(旧44期)から最後に担当した7人目(新61期)の司法修習生まで指導方法は殆ど変わっていません。データベースソフト桐システムが完備した最後の2人は桐システムの指導が加わっただけです。

○私が、弁護修習指導を担当したのは、旧44,46、48、51,53,59,新61の7名でした。53期を担当した時点で、当時のノルマ5名を終えたのでしばらく担当しなかったのですが、合格者大量増員でノルマが無制限になり、59期から担当再開を余儀なくされました。新61期担当後は、指導能力欠如を理由に担当を断り続けてきたのですが、担当者がなかなか見つからず困っているとの司法修習委員長のお嘆きを聞くに及び新64期はやむを得ず担当することになっています。

○私の司法修習時代は、司法修習期間は2年で、司法修習生として採用された4月初めから7月半ばまで3ヶ月は司法研修所前期修習で判決書きを始めとする実務の基本を叩き込まれ、8月から翌年11月までおよそ16ヶ月間は各地方裁判所に配属させられ、私の場合、弁護、民事裁判、検察、刑事裁判の順に各4ヶ月ずつ実務修習をして、11月下旬から司法研修所後期修習となり、翌年3月始めから半ばにかけて恐怖の二回試験を受け、3月下旬にその合否発表があり、4月始め、仙台弁護士会に入会して弁護士登録をしました。

○今振り返ると確かに、当時の修習内容は、弁護修習でも兎に角裁判実務のための起案に明け暮れていたように思いますが、それが当然と考えていました。司法修習時代で、私が特に印象に残っているのは、特に2年目に入ってから、兎に角、早く修習生活を終えて自分が直接責任者として行う本物の実務に入りたいとの強い願いでした。司法修習生は大変大事にされたと記憶していますが、兎に角、裁判所でも検察庁でも、いわばお客様であり、何らの権限なく裁判官、検察官の指導を受けて、起案の下書きをさせられる-下書きにもならない代物ですが(^^;)-ことが、かったるくて、かったるくて、早くこんな中途半端な生活から抜け出したいとばかり思っていました。

○権限もなければ責任もない状況で行う作業は、実際実務を扱っても、正に、畳の上の水練、机上の空論であることには変わりなく、身には付かないというのが私の感想です。扱う対象が前後期研修所修習の白表紙事件記録でも、実務修習での生の事件でも、自分には何らの責任のない状況で接する場合は、いわば他人事であり、強い感銘力を持って迫ってきません。だから長く記憶には残りません。それが自分がお客様からお金を頂き直接自分の責任で自分の名前を出して行う実務の場合、その結果の全責任を負わなければならず、名前のでない見習いでの作業と比べて格段に違う感銘力と迫力を持って迫ってきます。それ故良く記憶に残り、正に実務体験として積み重ねられ、以降の作業に強く影響します。

○現在、私の弁護士として基本的法律知識以外の実務の力が100あるとすれば、そのうち99は実際実務に入ってからの体験で形成されたものであり、司法修習時代の経験など殆ど役に立っていないと断言できます。その意味で私は、司法修習についてはどうせ大して役に立たないのだから、基本的知識だけ与えれば十分で、極端に言えば私の時代の前期修習程度の分量で十分であり、後は、実務の世界に放りだして、実際実務の海の中で藻掻き苦しんで徐々に実務能力を身につける方が合理的と思っており、それが弁護士「補」修習5年の構想です。

○前期投稿された方は、司法研修所で「旧来の裁判実務以外の分野で活躍」できる訓練もすべきとのご主張ですが、私の考えは、上記の通り司法研修所には基本知識習得以外の期待は無理・無駄との考えで、早く弁護士「補」として無限の実務修習に入った方が良かろうと思っております。
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