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国・日弁連の新法曹要請制度ネガティブキャンペーン?

平成22年 8月19日:初稿
○北海学園大学法科大学院のHPの2010.06.14「法科大学院協会総会」の記事の中に「なぜ(法科大学院受験生数が)減少しているのか。文科省・法務書をはじめとした国,日弁連などが,新しい法曹要請制度に対してネガティブキャンペーンをしてきた効果であることは,誰の目にも明らかである。」との記述がありました。

○この法科大学院のどなたがこの記事を書いたのか判りませんが、言葉の端々に文科省・日弁連に対する怨みが感じられます。特に文科省に対しては、自分たちが法科大学院設立のキャンペーンをして、さんざん持ち上げておきながら、今になってハシゴを外され、他人事のように話し、おまけに受験生減少の原因は、法科大学院にあると責任転嫁されて、頭に来たとの怒りが表れた文章です。

○「地域の人々と共感し、地域社会に共生して、地域の住民一人ひとりの福祉に配慮し、地域社会の充実を図るという視点を見失わずに紛争を解決できる専門的能力と人問的素養を備えた法曹」育成のとの「かけがえのない使命」を負っていわば法科大学院の発展に夢と希望をかけて法科大学院設立に当たり、また、その使命実現のために日夜努力をされている法科大学院関係者と気持としては、判らない訳ではありません。しかし、国はいざ知らず日弁連の法科大学院担当者にしてみれば、八つ当たりも甚だしいと感じることでしょう。彼らも法科大学院発展のため相当な努力をしてきたからです。

○「日弁連は,修習生の給費制復活を要望しているが,これは,合格者数1500人との交換条件になっているとの見解」があるとのことですが、ちと解せません。国の方針は合格者3000人、給費制廃止から貸与制であり、これを合格者1500人に減らし、且つ、給費制復活するのは、いずれも国の方針に反することです。交換とは、一方は国主張を認め、他方は日弁連主張を認めるものと思いますが、いずれも日弁連主張のみを認めろと言うことでは、交換とは言えない気がします。

○制度的欠陥を個々の法科大学院の責任に転嫁するのはおかしいとの主張は全く持ってその通りでしょう。合格率70%をめざすなら法科大学院定員を今の数分の1に抑えておくべきところ、むやみに法科大学院設立を認めた文科省の責任です。法科大学院側としては高いお金を支払って入学・勉強している法科大学院学生のため、せめて当初予定合格者3000人枠は守って欲しいというのは当然の主張でしょう。

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法科大学院協会総会
 (平成22年)6月12日,法科大学院協会の総会が学習院大学で開催された。全法科大学院が加盟して,法科大学院をめぐるさまざまな問題を検討する組織である。毎回,最初に文科省の担当者が法科大学院をめぐる状況について挨拶をする。いつも他人事のような報告なのでおもしろくないが,近年ますます気に入らない。

 受験生数が激減しており法科大学院によっては,競争率2倍を切るところも出ていること,合格率が20%を切る法科大学院も散見されること,昨年中教審のワークグループが指導重点校を公表したが,今後とも,各法科大学院は競争率の維持,合格率の維持に努力してもらいたいというような趣旨の報告がなされている。

 受験生数の減少は,結局,法律家を目指そうとする人が減っているということにほかならない。なぜ減少しているのか。文科省・法務書をはじめとした国,日弁連などが,新しい法曹要請制度に対してネガティブキャンペーンをしてきた効果であることは,誰の目にも明らかである。

 その集大成が昨年公表された重点校であろう。なぜ,競争率2倍を切り,合格率20%を切ると,その法科大学院に問題があるということになるのだろうか。数値の根拠はまったく示されていない。そのまま公表すれば,レベルの低いマスメディアがどのような報道をするかは分かっていたはずである。

 競争率の減少は,すでに述べたように,個々の法科大学院に問題があるのではない。また,合格率が70%に達しないのも,学生数と合格者数から自動的に算出される結果論にすぎない。制度的欠陥を個々の法科大学院の責任であるかのように公言する組織は,まともな仕事ができるのかと疑問をもたざるをえない。

 それはともかく,興味深い話を聞いた。

 日弁連は,修習生の給費制復活を要望しているが,これは,合格者数1500人との交換条件になっているとの見解である。もし,本当ならとんでもない話だ。うかつに,給費制を支持するわけにはいかないだろう。もっとも,定員とは切り離して考えることができるという見解もあるから,合格者数と給費制の両方を主張するのであれば,おおいに歓迎すべきであるが,これは理想論かもしれない。

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