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弁護士資格は価値下落でも弁護士業務は価値あり

平成22年 7月31日:初稿
○「司法修習生給費制維持の主張が世間一般に通る要件2」で、一般の方の司法修習生に給費制を取る以上は全員に一定の義務を課すべきとのご意見、法科大学院生の方の合格すれば少しは将来の見通しが立つので、兎に角、当初予定通り3000人合格を維持して頂きたいとの切実がご意見をご紹介しました。

○繰り返し記載してきましたが、合格者を増やしても合格しても就職先がなく将来の見通しもないのだから、合格者数を制限すべきとの多くの弁護士の主張は、これから合格をめざしている受験生の方には、迷惑この上ないものに決まっています。当初予定3000人合格が2000人に絞られれば、確実に毎年1000人の方が合格出来ず何らの資格も得られず放置されます。この1000人の方は、合格後、仕事があろうがなかろうが、兎に角、資格が欲しいはずです。如何に就職が厳しかろうが、資格さえ取れば、「少しは将来の見通しが立つ」からです。如何に資格の価値が下がろうが、資格があるのとないのでは、天と地の差があります。

○受験生の立場からすれば、合格者数制限即ち参入規制を主張される方の就職先がない、仕事がないとの主張は、既に合格して弁護士資格を得た方が現在の弁護士資格の価値が下がるのを少しでも食い止めるための既得権維持の主張としか思えないはずです。受験生の方が「3000人合格が反故にされることのほうが大問題」と主張されるのは、誠にごもっともなことです。

○私は、500人時代ですら、ときに弁護士は経済的には楽な商売ではないとの認識を持たざるを得ない状況も経験しました。従って3000人時代になると言うことは、これまでの弁護士の特権は喪失し、弁護士資格は単なるライセンスになり、弁護士資格を得ただけで生涯の食い扶持となった時代は過ぎ去ると覚悟しました。また上位500番の成績でなければ合格出来なかったものが、3000番まで合格するとなれば合格者のレベルも一気に下がって当然と思っていました。

○要するに合格者3000人時代は、弁護士資格がそれまで特別の資格だったものが、ごく普通の資格に成り下がるもので、その価値は大幅に下がり、この資格だけでは食えなくなることは目に見えていました。また合格者が3000人にも増えるのであれば、これまで通り、司法修習生給費制を維持するのは、到底、無理であり、もし維持するとすれば、司法修習生全員に給費制に見合う公的義務が課されなければ、給費制財源を負担する国民の支持は得られないと思っていました。

○私が腹立たしかったのは、合格者3000人時代になれば、弁護士資格自体は大幅に下がり、それだけで食い扶持にならない時代になることは目に見えているのに、それでも資格自体価値あると宣伝し、且つ、お金のかかる法科大学院卒業資格がないと資格取得のための受験すら出来ない制度にしたことです。資格自体への参入規制を大幅に緩和したのだから、受験規制も緩和すべきところ、逆に受験については参入規制が敷かれました。

○3000人時代の弁護士資格は価値が大幅に下がりますが、弁護士の仕事自体は価値ある仕事に変わりません。この価値ある仕事を生涯の食い扶持にするためには合格後・資格取得後、これまでより遙かに多くの努力が必要になります。昔、日本の大学に入学するのが難しいが入学してしまえば、後は遊んでいても卒業できる、しかしアメリカの大学は入学は簡単だが、入学後相当の努力をしないと卒業できないと聞いていました。日本の弁護士制度も資格を取るのが緩和されたが、資格取得後、生涯の仕事とするのに大変な努力を要する時代になったと考えるべきでしょう。普通の資格は、みな、同じです。
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