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自由と正義平成22年6月号戒告事例-危険な例1

平成22年 6月17日(木):初稿
○弁護士には、弁護士職務基本規程があり、その制定理由について、規程前文で
弁護士は、基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とする。
その使命達成のために、弁護士には職務の自由と独立が要請され、高度の自治が保障されている。
弁護士は、その使命を自覚し、自らの行動を規律する社会的責任を負う。
よって、ここに弁護士の職務に関する倫理と行為規範を明らかにするため、弁護士職務基本規程を制定する。

と謳われています。

○臍曲がりの私は、この制定理由の「基本的人権の擁護と社会正義の実現」について、弁護士だけがこの高貴な使命を負っているので自分たちは他の一般の職業とは異なる高貴な職業であるとのエリート意識と世の指導者であるとの誤解を持つ源泉ではないか、この「基本的人権の擁護と社会正義の実現」は何も弁護士業に限らず他の一般の職業にも求められて良いのではないか、否、求められているのではないかと、といつも思っています。

○この独断と偏見はさておいて、この弁護士職務基本規程、弁護士業務遂行に当たっての指針としては大変便利であることは確かで、事件処理に当たり何か思い悩むことがあれば、この職務基本規程の基本精神に遡って検討すべく該当条文を参考にすることは良くあります。「基本的人権の擁護と社会正義の実現」なんていう高貴な使命に考え及ばずともいわば人間としての生き方の指針を与えてくれるからです。

○弁護士も客商売であり、お客様との遣り取りの間で、希にですが弁護士からの金銭の借入或いは弁護士の借入の保証を依頼されることがあります。私はお客様に対し、保証するときは、自分が支払ってやるとの覚悟がない限り、絶対保証人になってはいけませんとアドバイスしており、その言葉を繰り返してお断りしますが、更に粘られた場合、便利なのが、以下の弁護士職務基本規程第25条です。
第25条(依頼者との金銭貸借等)
 弁護士は、特別の事情がない限り、依頼者と金銭の貸借をし、又は自己の債務について依頼者に保証を依頼し、若しくは依頼者の債務について保証をしてはならない。

 この規程を根拠に保証してやりたいのは、やまやまですが、この規程に違反すると弁護士を首になりますので、ご勘弁下さいとお願いします。

○金銭の貸し借りの保証の他にたまに依頼されるのが、特殊法人の理事或いは監査役職です。弁護士の肩書きのある人間が理事にいると信用が上がり許認可を得やすくなるとの「誤解」に基づく要請ですが、これも全てお断りしています。お断りの理由は、先ず「弁護士の肩書きで信用が上がる」なんてことは全くの「誤解」ですと説明し、更に、実際稼働しない名目だけの職に弁護士はつけない決まりになっているんですなんて、適当な理由でお断りしています。

○ところが自由と正義平成22年6月号戒告事例の中にこの弁護士職務基本規程第25条違反で戒告になった例がありました。何が問題になったのか、多少、身につまされる面もあり、別コンテンツで紹介します。
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