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30年前の弁護士収入事情-昭和55年実態調査結果

平成21年12月24日(木):初稿
○弁護士の経済的基盤に関する実態調査は、昭和40年代から地域を限定して開始されていましたが、弁護士の業務ないしは経済的基盤に関する全国的な実態調査は、昭和55年に第1回目が実施され、以降、平成2年、平成12年と10年毎に3回実施され、平成22年に4回目が予定されて、現在その実施準備中です。この調査は,私も所属する日弁連業務改革(以前は対策)が中心となって実施されました。

○その調査の目的は、「弁護士が国民にとってより有用な存在となること」「弁護士集団として業務改善の方向を見出すべき素材の提供」であり、「社会状況の推移と弁護士業務の適応状況を測定し、時機に応じた適切な指針を見出すこと」を期待していたとのことです(日弁連機関誌「自由と正義」2002年臨時増刊号10頁)。

○上記調査の詳細報告は、第1回昭和55年分が「自由と正義」32巻10号に掲載され、昭和63年ぎょうせい「日本の法律事務所」として出版され、第2回平成2年分が「自由と正義」42巻13号、第3回平成12年分が「自由と正義」53巻13号に掲載されています。当事務所にはこれらの全資料があるはずですが、ぎょうせい「日本の法律事務所」と「自由と正義」42巻13号がどういう訳か見あたりません。

○これらを探すために過去の「自由と正義」を保管している本棚を見てみました。この本棚は通常殆ど利用しないスペースです。「自由と正義」を改めてザッと目を通すと、各号テーマを決めて特集を組み,当時の各テーマについてのエキスパートが論考を満載しています。「自由と正義」はデータ資料としては大変価値の高いものなのに、おそらく、殆どの弁護士は、本棚の片隅に放置して殆ど利用されていないと思われます。これをデータベース化して検索を容易にすれば利用価値が飛躍的に高まるはずですが,勿体ないと痛感しました。

○第1回弁護士の経済的基盤に関する実態調査は、回答期限3月31日として昭和55年3月1日付で行われましたが、回収率が悪いため回答期限を同年5月20日まで延期し、母集団1万1466件中、4036件回収率41.3%を上げ、その結果詳細が「自由と正義」32巻10号に掲載されています。

○調査のための質問事項は、A事務所の構成1~6、B事務所の設備・人員7~14、C取扱ケース15~26、D収入・支出27~31、E日常の業務活動32~35、F弁護士業務について36~37、G最後にあたなご自身のことをうかがいます38~46の合計46問に及び出身地・出身大学・父の職業まで聞かれる詳細なもので、こんな質問票を送付された方は,迷惑この上ないなと思うものです(^^)。

○肝心の収入ですが、その平均は、
売上(経費控除前の総売上)が、
東京1889万円、大阪・名古屋1544万円、高裁所在地1424万円、高裁不所在地1298万円
所得(経費等控除したもの)が
東京760万円、大阪・名古屋683万円、高裁所在地711万円、高裁不所在地614万円
で、「30年前の弁護士収入事情と平成21年現在との比較雑感」に記載したA弁護士の話と一致しました。
ちなみに当時の開業医の平均所得は2190万円で弁護士の700万円前後の3倍以上あり、相当の収入格差がありました。
以上:1,329文字

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