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フランス弁護士会の弁護士倫理

平成21年 4月24日:初稿
以下、株式会社商事法務発行日弁連法務研究財団編「法と実務2」の記述のまとめです。

1.フランス弁護士倫理制度概要
(1)守秘義務と秘匿特権

 弁護士は職務上知り得た事項について一切漏らしてはならず(守秘義務)、また漏らさない権利(秘匿特権)があり、証言拒絶権あり。
守秘範囲は、助言または訴訟弁護記録に含まれる全てのものが対象。
従前破棄院刑事部は、訴訟業務における秘密だけに限定し、助言業務における秘密は含まない旨判示してきたが,近時助言業務も含むことに判例変更。

(2)兼業の禁止
 独立性・中立性に疑問を呈させるような業務兼務禁止。
 公務員・取締役等企業経営者・給与所得者はダメで、教師・仲裁人・調停人・議員はOK。

(3)顧客からの独立
 弁護士の尊厳は,弁護士が顧客と無条件に一体化することを許さず、顧客との関係でも独立性維持を要する。弁護士と顧客に従属関係はなく、弁護士が顧客が求める攻撃防御活動をしなくても問題なしとされている?
 顧客との間で事件処理方法に対立がある場合、解任また辞任すべき。

(4)報酬取立制限
 報酬は原則顧客と弁護士の合意で決定。顧客が報酬不払いの場合、かつては取立を禁止されたが、現在は先ず弁護士会長の仲裁に委ね(仲裁前置主義)、仲裁判断に納得出来ないときは控訴院に不服申立。

(5)宣伝・広告規制
 依頼の働きかけ(売り込み・宣伝?)は禁止、公衆への必要情報の提供は純粋の広告として許容されるが、広告も慎み深さを忘れず,弁護士の尊厳を害するものであってはならず,理事会のコントロールを受ける。

(6)懲戒手続
 所属弁護士会理事会の専属管轄。1982年法で裁判所面前非行は、裁判所が検察に通告し、検察が弁護士会理事会に申立。
 懲戒事由が広範で、職務上の非行に限らず,弁護士職の尊厳・名誉・廉潔を害する全ての私生活の非行も含まれる。
 懲戒手続は非公開、懲戒決定も一般に公示されず、対象弁護士・検察・不服申出人に通知されるだけ。懲戒決定は既判力を有するが、不服は控訴院で非公開審理。

2.CNBによる弁護士会則統一の方向
 弁護士と法律顧問統合に際し、既に全国組織のある法律顧問と全国組織のない弁護士会で、意見が対立。法案審理の上下両院で意見が分かれ、両院協議会で妥協案として全国弁護士評議会(CNB)創設が決定された。
 CNBの任務の1つが弁護士会則の調和に関する任務であるが、この「調和」が如何なる範囲に及ぶかで争いあり。
 CNB策定標準会則を巡って現在も10~20の弁護士会が訴訟で争っており、会則統一の成否は不透明。

3.弁護士の階層分化と新たな倫理のあり方
 弁護士と法律顧問統合に当たって、弁護士は、法的助言が主業務で且つ株式会社組織の大規模事務所所属の法律顧問を異質な職能と見て倫理意識に差があり、この認識が統一の障害になっていたが、1990年ようやく統一。
 しかし現在も、会計関係事務所における利益相反問題、大規模事務所内での弁護士主従関係問題について旧弁護士側が旧法律顧問側に対する疑問を持っているが、旧法律顧問側は問題としておらず,両者の認識にずれがある。

4.懲戒手続のあり方
 パリ弁護士会では、年間6000件近い倫理案件があり、内半分は弁護士からの照会案件。
 懲戒種類は、除名、3年以内の資格停止、戒告、注意の4段階。付随的制裁として裁判所内弁護士理事会ロビーへの制裁広告。
 懲戒手続については,弁護士会長に調査権限があり、懲戒対象とされた弁護士行動の調査を強制力を持って行使できる。その調査結果に基づいて事件を不訴追にするか理事会に付するかを決める。理事会においても必要に応じて調査を行う。
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