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事務員の育て方-準備書面の作成が出来る例1

平成21年 4月 8日(水):初稿
○弁護士業務を占める多くの部分に書面の作成があります。この弁護士業務作成書面は多種多様にあり、弁護士1年生にとって最も重要な業務文書は学説・判例解説書ではなく,各種の弁護士業務書式集です。この詳細な書式があれば、徐々に弁護士業務をこなすことが出来るようになります。

○しかし訴訟においては最初に提出する訴状の殆どは、書式集で何とか作成出来ますが、訴訟が開始して、原告・被告双方の詳細な主張を展開する準備書面は、正にケースバイケースの主張をする文章となりますので、書式集で書くことは出来ません。お客様からその事件詳細について事情を聴取して、裁判官に判りやすく伝えるための文章を作成しなければなりません。

○この準備書面は,単に事実を書くだけでなく、どの法律のどの部分に該当し,或いは過去のどの判例に類似しその判例と同様の結論になるべきであるかなど、相当の法律、学説、判例等についての知識が必要な記述になります。従って殆どの場合、事務員が独力で書くことは先ず無理です。私の場合は、お客様と打ち合わせしながら,必要に応じてネットで法律条文、学説、判例等に当たり、役立つ情報・事例を参照しながら,そのお客様に有利になるようにお客様の目の前で記述を進め、一通り出来るとお客様に印刷して渡し、原則1日かけて検討して頂き、更に担当事務員に内容チェックさせて完成させます。

○準備書面によっては、争点が多岐に渡り、その争点を一覧しやすい争点比較表があると内容が理解しやすくなる場合もあり、この争点比較表等の表ものは、私の場合、この表を柔軟に構成出来るデータベースソフト桐が活躍してくれる場面です。そのため事件毎の論点比較表等も桐でシステム化していますが,事件によっては独自に桐で作成する必要が生じます。

○先日、遺言無効事件で、先ず桐が活躍してくれた例があります。私は、遺言が有効と主張する側で被告となったお客様の依頼を受けていました。祖父が書いたその遺言書の文字と、原告・被告双方で祖父が記載したと争いのない、残された僅かの祖父のノートや契約書の文字が、素人目にも一見して同じように見え、いつも筆跡鑑定を依頼しているA鑑定士に簡易鑑定を依頼すると、「筆跡は同じ」との鑑定書を作成して頂き、これを裁判所に提出し、これで楽勝だと高をくくっていました。

○ところがこれを受けた原告側で、その簡易鑑定の10倍以上の量でB鑑定士の「筆跡は異なる」との詳細な鑑定書を提出してきました。驚いた私は、お客様と相談し、裁判所に筆跡の鑑定申請をして、裁判所の選んだ鑑定人に公平に鑑定して頂こうと言うことになり、原告・被告双方申請で筆跡鑑定申出がなされ、裁判所がC鑑定士に筆跡鑑定を依頼し、数ヶ月結論が出ました。私は、「筆跡は同じ」との鑑定書が返ってくると確信していました。
以上:1,158文字

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