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日弁連の司法試験合格者増員ペースダウン緊急提言雑感

平成20年 7月22日:初稿
○平成20年7月18日、「司法試験合格者増員、日弁連がペースダウンを緊急提言」とのニュースが日経新聞社会面に大きく報道され、町村官房長官の「見識を疑う」との批判も掲載されていました。各単位弁護士会或いは弁護士連合会から合格者3000人増員政策見直し決議がなされていますが、日弁連の緊急提言は3000人増員の見直しを求めるのではなく、増員のスピードダウンを提言するものです。

○その提言の理由について、日弁連HPで次のように釈明しています。
今回の提言は、司法改革を推進する立場を堅持しつつ、多くの新規法曹を受け入れている立場から、人口急増のスピードが法科大学院、司法試験、司法修習、オンザジョブトレーニングに至る一連の養成過程において、法曹の質を維持するうえにおいて様々なひずみをもたらしている事実を直視し、増員のペースをスピードダウンして、ひずみ解消の方策を見いだしていこうとするものです。

○ここでいう「法曹の質を維持するうえにおいて様々なひずみ」とは、司法修習期間短縮での訓練不足によるレベル低下と就職先不足によるレベルの低い弁護士の誕生です。弁護士資格を取得しても就職先がなくいきなり独立(即独)する弁護士が増加し、そのレベルの低さからお客様に迷惑をかけるであろうという予測に基づきます。即独弁護士がレベルの低さでお客様に迷惑をかけたとの実績は現時点では聞いたことはなく、あくまで予測です。

司法制度改革審議会の意見では、「(合格者数は)平成14年に1200人程度,平成16年に1500人程度に増加させ,さらに法科大学院を含む新たな法曹養成制度の整備の状況等を見定めながら,平成22年ころには3000人程度とする」とされており、今回の日弁連緊急提言は、3000人を見直せと言っているのではなく、「新たな法曹養成制度の整備の状況等を見定め」た結果、整備状況が不十分であり、「平成22年ころの3000人」は先送りすべきとの提言であり、司法制度改革審議会意見に反するものではありません。

○しかるにこれに対し、「司法制度改革に携わってきた立場をかなぐり捨てて」なんてオーバーな表現で「見識を疑う」なんてこれまた大げさな表現で批判する町村官房長官の姿勢はその発言の影響力の大きい地位にある方としては、余りに慎重さを欠くと評価せざるを得ません。

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司法試験合格者増員、日弁連がペースダウンを緊急提言
7月18日19時28分配信 読売新聞

 日本弁護士連合会は18日、理事会を開き、司法試験の合格者数を2010年ごろまでに年間3000人に増やす政府目標について、「法曹の質を低下させることになりかねず、当面は法曹人口増員のペースダウンが必要だ」として、増員の時期を遅らせるよう求める緊急提言をまとめた。

 宮崎誠会長は記者会見し、「3000人という人数目標の見直しは求めていない。増員をペースダウンし、その間に、法曹の質の維持に必要な方策を見いだそうとするものだ」と説明した。

 これに対し、町村官房長官は同日の記者会見で「司法制度改革に携わってきた立場をかなぐり捨てて急に(見直しを)言い出すのは、正直言って見識を疑う」と批判した。

 司法制度改革では、過疎地での弁護士不足や、裁判員制度などの新たな弁護士需要に対応するため、司法試験合格者を従来の年間1000人程度から3000人にまで増員する政府目標が閣議決定された。

 しかし各地の弁護士会からは、弁護士間の競争激化などを懸念する声が上がっていた。

 提言では「数値目標だけを追求すれば、法的な基本知識が不十分で、実務能力に不安がある法曹者を出現させかねない」と懸念を示している。

最終更新:7月18日19時28分

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