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弁護士増員―抵抗するのはやはり身勝手か?

平成20年 2月19日:初稿
○平成20(2008)年2月17日(日曜日)付朝日新聞社説に後記のような記述がなされました。弁護士増員に抵抗する日弁連或いは各弁護士の動きは、「身勝手というほかない」と断言しています。弁護士の平均年収が1600万円もあり、これを維持するために競争相手を増やすのは反対というのは余りに虫が良すぎると言います。

○「司法改革の原点は市民の利益のためであり、法律家の既得権を守るものではない。」とも断言しています。弁護士会の増員反対派は、増員によって①弁護士のレベルが落ちて市民に迷惑をかける、②新人弁護士が仕事にあぶれるとの2点を主張してます。しかし市民側では、①、②いずれも弁護士の独りよがりで、結局は既得権を守ろうとしているだけでないかと言われると有効な反論が難しいと感じます。

○最近、多重債務事件も減少しつつあり、仙台弁護士会法律相談センターの来訪者も減っているように思え、この上大量に弁護士が増えたら新人弁護士だけでなく、中堅ベテラン弁護士だって大変だと、一応中堅弁護士の私自身痛感しています。しかし、この世の中、皆厳しい競争社会を生き抜くため頑張っている、弁護士業界だけ今まで通り、参入規制でぬくぬくやっていけると思ったら大甘だと決めつけられると、返す言葉に窮します。

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弁護士増員―抵抗するのは身勝手だ
 生活や仕事で困ったことが起きたら、どこに住んでいても弁護士に相談することができる。このように司法を市民に身近な存在につくりかえるのが、今世紀に入ってようやく始まった司法改革だ。

 その具体策として、弁護士を中心に法曹人口を倍増させ、18年ごろに5万人にする。この政府の方針の下、法科大学院がつくられ、新司法試験が始まった。かつて500人だった司法試験の合格者は次第に増え、昨年は2100人になった。これを再来年までに3000人にするのが政府の計画だ。

 ところが、ここにきて計画に抵抗する動きが出てきた。

 一部の弁護士会が「質が低下する」「新人弁護士の就職難が起きている」という理由で、増員に反対し始めた。今月上旬にあった日本弁護士連合会の会長選挙で当選した宮崎誠氏は、政府に増員計画の見直しを求めると表明した。

 司法試験を管轄する法務省でも、鳩山法相が「3000人は多すぎる」と発言し、見直しを検討することになった。

 確かに、司法試験に通っても司法研修所の卒業試験に合格できない人は増えている。しかし、これは司法試験の合格者が増えた分、研修所で不適格な人を改めてふるい落としているともいえる。そもそも、どのくらいの質が弁護士に求められるかは時代によっても違うだろう。

 弁護士が就職難というのも、額面通りには受け取れない。弁護士白書によると、弁護士の年間所得は平均1600万円らしい。弁護士が増えれば、割のいい仕事にあぶれる人が出る。だから、競争相手を増やしたくないというのだろうが、それは身勝手というほかない。

 第一、弁護士過疎の問題は解消したのか。一つの裁判所が管轄する地域には、少なくとも2人の弁護士が必要だ。原告と被告、それぞれに弁護士が付かねばならないからだ。ところが、全国に203ある地裁支部の管轄地域で、弁護士が1人もいない地域が3カ所、1人しかいない地域が21カ所も残っている。

 全国各地で法律の相談に乗る日本司法支援センター(法テラス)が一昨年発足した。だが、必要とする弁護士300人に対し、集まったのは3分の1だ。

 来春には裁判員制度が始まる。集中審理のため、連日開廷となる。弁護士が足りなくなるのは目に見えている。

 さらに、起訴前の容疑者に国選弁護人をつける事件が来年から広がる。被害者の刑事裁判への参加が年内に始まり、法廷で付き添う弁護士も必要になる。

 弁護士をあまり増やすな、というのなら、こうした問題を解決してからにしてもらいたい。並はずれた高収入は望めなくとも、弁護士のやるべき仕事は全国津々浦々にたくさんあるのだ。

 かつて日弁連は司法改革の先頭に立った。その改革は市民のためであり、法律家の既得権を守るためではなかったはずだ。その原点を忘れてもらっては困る。

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