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整備不良原因で発生した人身事故と自賠法運行供用者責任1

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平成29年 6月13日:初稿
○整備不良車両運行中に整備不良が原因で発生した人身事故についての人身損害をその整備不良車の自賠責保険請求が出来ますかとの質問を受けました。具体的には、AさんがBさんからBさん所有車両車検手続後、車検を依頼した自動車修理会社Cの工場からその車両を運行してBさん宅に運ぶことを依頼され、その搬送のための運行中にC社の整備不良のため搬送途中で車両が暴走してブレーキが効かなくなり、最終的にギアをパーキングに入れて緊急停車し、その結果、Aさんの上半身がハンドルに激突し、頚椎捻挫等で半年間通院をしたという事案です。

○C社は整備不良の責任を認め、半年間の通院治療費は支払ってくれましたが、半年後に倒産して支払不能状態となり、Aさんに生じた通院治療費以外の損害としての休業損害・慰謝料等のC社への請求が出来なくなりました。そこで休業損害・慰謝料等の人身損害について、Bさん所有車両にかけていた自賠責保険に請求できますかとの相談です。

○関係する自賠法の規定は次の通りです。
第3条(自動車損害賠償責任)
 自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。ただし、自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかつたこと、被害者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があつたこと並びに自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかつたことを証明したときは、この限りでない。
第11条(責任保険及び責任共済の契約)
 責任保険の契約は、第3条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生した場合において、これによる保有者の損害及び運転者もその被害者に対して損害賠償の責任を負うべきときのこれによる運転者の損害を保険会社がてん補することを約し、保険契約者が保険会社に保険料を支払うことを約することによつて、その効力を生ずる。


○Bさんは、自賠法第3条の「自己のために自動車を運行の用に供する者」に当たりますので、「その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。」ことになり、また、「自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかつたことを証明」することはできませんので、Aさんに生じた損害の賠償責任があるようにも読めそうです。

○問題は、「その運行」をしていた運転者はAさんであり、この運転者Aさんが「他人」に該当するかどうかです。また、運転者Aさんの運行に関して、本件事故発生についての過失はありません。事故発生の原因は、C社の整備不良にあることがハッキリしているからです。とするとAさんは、他人に該当しないし、且つ、運転に関して無過失は明らかであるから、この事案は、Bさんに運行供用者責任は生じないという理屈も成り立ちそうです。

○そこでこのような場合の裁判例を探しているのですが、現時点では見つかっていません。事故発生後、Aさんは速やかに警察に連絡して、事故状況を調査して貰い、整備不良によって発生した人身事故として扱ってくれ、事故証明書もあるとのことです。事故証明書には、通常、甲欄に加害車両及び加害運転者名が、乙欄に被害車両と被害車両運転者名が記載されます。本件では、加害車両の運転者はAさんであり、また、被害者もAさんとなります。このような事故証明書がホントに発行されたのかどうか、現在、事故証明書の取寄を要請しているところです。

○本件は、不良整備をしたC社に責任があることは明白なのでC社が損害賠償義務を全うすれば自賠責保険の問題は生じません。ところがそのC社が支払不能状態になったために生じた誠に希有な事例であり、その結論については、さらに裁判例・学説等の調査を継続します。
以上:1,530文字

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