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介護保険適用高齢者後遺障害の将来介護料についての参考判例骨子紹介

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平成27年 6月 5日:初稿
○交通事故による傷害で、介護が必要な後遺障害等級別表第一1,2級に該当する後遺障害を残した場合、将来介護料が損害として認められます。ところが、平成9年に制定された介護保険法に基づく介護保険制度の普及により、加害者側保険会社は、65歳以上の第1号被保険者が交通事故で介護が必要な後遺障害を残した場合、介護保険を理由に将来介護料を損害として認めないと主張することがあります。

○現在、別表第一第2級第1号後遺障害を認定された高齢者の事案を扱っていますが、保険会社は将来介護料の支払を拒否しており、関連判例を調査していますが、高次脳機能障害及び左不全片麻痺等から自賠責2級後遺障害を残す72歳男子の将来介護費用を通所介護等の利用日は日額2000円、非利用日は日額6000円で近親者介護費を認め、職業介護費は日額1万2000円で認定した平成26年11月27日東京地裁判決(自保ジャーナル・第1937号)が見つかりました。

○その同判例必要部分概要を紹介します。
・72歳男子溶接工請負の原告は、平成21年11月18日午前6時55分頃、岩手県盛岡市内の片側2車線道路の第1車線で、原告車のタイヤを交換中、凍結路面を滑走して操縦不能となった被告普通貨物車に衝突され、頭蓋骨骨折等の傷害を負い、221日入院し、高次脳機能障害及び左不全片麻痺等の自賠責2級1号後遺障害を残したとして、既払金3722万6678円を控除して4673万5813円、原告妻と子は440万円を求め、原告に介護保険給付を行った町(参加人)が代位により1320万0465円を求めて訴えを提起。

・裁判所は、自賠責2級1号後遺障害を残す72歳男子の将来介護費用につき、近親者介護費を通所介護等の利用日は日額2000円、非利用日は日額6000円で認め、職業介護費は日額1万2000円で認定。

・退院後の施設介護につき、原告の「D施設への入所は必要有益であったと認められ、これに要した介護給付相当額と原告の自己負担相当額は本件事故と相当因果関係のある損害に当たる」として、食費等の費用を控除した原告の自己負担額と、施設介護を利用した25ヶ月間の介護保険給付額との合計742万8202円を施設料と認定。

・介護施設退所後からの2年間の将来介護費用につき、参加人の「介護保険サービスによる介護給付相当額及び自己負担相当額と、それ以外の時間における妻ら近親者の介護による介護費用相当額の合計額とするのが相当である」とし、妻ら近親者による介護費用を、介護保険サービスの「通所介護・通所リハビリテーションを利用しない週4日(年210日)については日額を6000円とし、同サービスを利用する週3日(年155日)については日額を2000円とする」と近親者介護費用を認め、それ以降の将来介護費用については、原告が被告から将来介護費用の支払いを受けた場合は、介護保険法に基づき給付免責となるが、その場合も、「原告が自費で現在と同内容の介護給付を受けることは可能である」ことから、原告が、「現在と同様の通所介護、通所リハビリテーション等を利用することを前提として算定するのが相当である」とし、「参加人が事業者に支払った週3日分の通所介護、通所リハビリテーションは2年間で合計322万3521円であるから、これが事業者に支払われた総費用額の9割であるとみなして、同費用額を推計すると、1年当たり179万0845円となり、週3日(年155日)に換算すると1日当たり1万1553円となる」等から、職業介護費は、「1日当たり1万2000円」と認定して、平均余命まで認めた。

・休業損害につき、原告は、「長年溶接工として稼働しており、本件事故当時は既に退職していたが、以前勤務していた会社から、人手が足りないときに仕事の依頼を受けて稼働していた」等から、事故前年の収入である44万1150円を基礎収入に、症状固定までの221日間につき休業損害を認めた。

・後遺障害逸失利益については、労働能力喪失期間を平均余命の半分に当たる6年間として、事故前年実収入を基礎収入に、100%の労働能力喪失により認めた。

・慰謝料算定につき、原告に傷害慰謝料270万円、後遺障害慰謝料2170万円を認め、妻100万円、子各50万円の固有慰謝料を認定した。

・介護保険給付による参加人の代位範囲につき、参加人は、「原告の将来介護費用の一部につき保険給付を行ったものと認められるから、介護保険法21条1項に基づき、その給付の価額の限度において、原告が被告に対して有する損害賠償請求権を代位取得したものと認められる」等から、介護保険給付については、「過失相殺適用前に総損害から控除すべきであるから、市町村が被保険者の請求権を代位取得するのは、給付額のうち被保険者の過失を控除した分を超えないというべきである」として、参加人は、「原告に対して行った介護給付合計1320万0465円の7割である924万0325円につき、被告に対する損害賠償請求権を代位取得した」と認定。


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