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統合失調症既往症患者頚随損傷被害交通事故損害賠償請求事件顛末7-まとめ

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平成27年 4月10日:初稿
○「統合失調症既往症患者頚随損傷被害交通事故損害賠償請求事件顛末6」の続きで最終回です。
繰り返し記載していますが、16歳で統合失調症を発症して、以来、無職無収入であったAさんが40歳で交通事故に遭い、頚随損傷で別表第一第1級後遺障害となるも、事故形態がAさんの赤信号無視自転車走行横断のためAさんに85%の過失があるとして、加害者側保険会社は、自賠責保険金を超えた損害は発生しないと断定し、一切の交渉を拒否していた事案です。

○40歳での頚随損傷で別表第一第1級後遺障害の場合、通常3億円前後の損害賠償が認められます。しかし、Aさんの場合、統合失調症による事実上の労働能力全損の既往症、赤信号横断で原則過失割合85%をそのまま適用すると10分の1の3000万円以下の金額しか認められない可能性が高いと判断せざるを得ず、当初相談にきたAさんのご家族にはそのように回答しました。

○実際、加害者側保険会社は自賠責保険金を超える損害はあり得ないと判断し、Aさんのご家族からの請求には一切応じないという態度でした。しかし、Aさんと同居するご両親はいずれも70代半ばで、今後Aさんの介護に当たることが出来る期間は限られています。妹さんは他に嫁いでおり、Aさんの介護に当たることは出来ません。Aさんは、十分な損害賠償金を取得できなければ、今後どうやって生きていけるか、このままでは、死んでも死にきれないとご高齢のご両親は嘆きます。

○そこで少しでも多く損害賠償金が取れるよう頑張りましょうとAさんの事件を受任し、入院中のAさんを見舞いました。当時、Aさんは事故後半年程度で、頚随損傷のため首から下が動かず、全く無表情でベッドに横たわって会話も殆どできない状況でした。この状態が生涯続くのかと思うと、ホントに気の毒で暗澹たる気持になり、兎に角、少しでも多い損害賠償金を獲得しなければならないと痛感しました。

○相談に来たAさんの妹さんから、事故状況等を詳細に事情をお伺いすると、先ず過失割合についてAさんが赤信号横断だとしても加害者側過失が極めて大きく、5割は下らないと思えました。そこで現場を何度も回ってビデオ撮影を繰り返し、連続写真で加害者側過失の大きさを立証する資料を作成しました。

○次にAさんの統合失調症については、僅かながら回復傾向にあるとの主張可能な材料があることが判明しました。そこで「苦労した交通事故事件で弁護士冥利に尽きるお褒めに感謝5」で紹介した追突後の統合失調症発症事案の訴訟のために従前購入していた10冊近い統合失調症関係医学文献を詳細に点検し、更に必要な専門書を購入して、統合失調症の回復可能性について調査して、Aさんの場合、回復可能性が高いことを力説する資料を作成しました。

○Aさんの場合、統合失調症の既往症がどの程度考慮され自賠責保険金がどの程度の金額になるかが大きな鍵で、最悪3級程度の既往症が認定されるおそれもありました。しかし、既往症認定は僅か12級で赤信号横断による過失割合減額もなく、自賠責保険金限度額4000万円の内3776万円と認められました。自賠責保険金受領後残額支払いを求めた訴訟では過失割合、既往症が大きな争点になり、裁判所から8000万円の和解案が出されるも保険会社は5000万円以上の金額は絶対に出せないとして、「統合失調症既往症患者頚随損傷被害交通事故損害賠償請求事件判決紹介1」で紹介した判決となりました。

○保険株式会社は直ちに控訴しましたが、Aさんのご家族は裁判早期終結を懇請し、保険会社も一審判決のお陰で5000万円以上は絶対に出さないとの方針を撤回し、最終的にAさん側で納得する金額で控訴審開始前に和解することが出来ました。最終的には当初予想金額を遙かに超える損害賠償金を獲得出来、Aさんご家族には大いに喜んで頂きました。不利な状況があっても諦めずに主張できることは徹底的に主張することの重要性を痛感し、私自身大変勉強になる事件でした。
以上:1,631文字

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