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追突事故での統合失調症発症との因果関係を否認した高裁判例全文紹介1

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平成26年 9月22日:初稿
○「追突事故での統合失調症発症との因果関係を否認した高裁判例概要紹介」の続きで、この平成24年12月25日仙台高裁判決(自保ジャーナル・第1892号)全文を4回に分けて紹介します。


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主 文
1 1審被告らの各控訴に基づき、原判決を次のとおり変更する。
2 1審被告Y保険会社は、1審原告に対し、294万5,219円及びこれに対する平成21年4月4日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 1審原告の1審被告Y保険会社に対するその余の請求及び1審被告W保険会社に対する請求をいずれも棄却する。
4 1審原告の控訴を棄却する。
5 訴訟費用は、第1、2審を通じ15分し、その1を1審被告Y保険会社の、その余を1審原告の負担とする。
6 この判決は第2項に限り仮に執行することができる。

事実及び理由
第一 控訴の趣旨
1 1審原告

(1) 原判決を次のとおり変更する。
(2) 1審被告Y保険会社(以下「1審被告Y保険会社」という。)は、1審原告に対し、3374万1645円及びこれに対する平成21年4月4日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(3) 1審被告W保険会社(以下「1審被告W保険会社」という。)は、1審原 告に対し、前項の金員のうち976万円を支払え。
(4) 訴訟費用は、第1、2審とも、1審被告らの負担とする。

2 1審被告Y保険会社
(1) 原判決中、1審被告Y保険会社敗訴部分を取り消す。
(2) 上記部分につき、1審原告の請求を棄却する。
(3) 訴訟費用は、第1、2審とも、1審原告の負担とする。

3 1審被告W保険会社
(1) 原判決中、1審被告W保険会社敗訴部分を取り消す。
(2) 上記部分につき、1審原告の請求を棄却する。
(3) 訴訟費用は、第1、2審とも、1審原告の負担とする。

第二 事案の概要
1 本件は、交通事故により負傷し、後遺障害等級第7級相当の後遺障害が残存し たと主張する1審原告が、交通事故の加害車両について自動車総合保険契約(以下 「任意保険」という。)を締結していた1審被告Y保険会社に対し、任意保険の直接 請求権に基づく損害賠償請求として7,651万8,910円及び内6,774万9,2 05円に対する損害賠償の最終内金支払日の翌日である平成21年4月4日からの遅 延損害金の支払を求めるとともに、加害車両について自動車損害賠償責任保険契約 (以下「自賠責保険」という。)を締結していた1審被告W保険会社に対し、自動車 損害賠償保障法16条に基づく損害賠償額の支払請求として、同法施行令の定める後 遺障害保険金額の不足額976万円の支払を求めた事案である。

原審は、1審被告らに対する1審原告の請求をそれぞれ一部認容したため、これを不服とする1審被告ら及び1審原告が控訴した。なお、1審原告の控訴は、1審被告 Y保険会社との関係では一部控訴である。

2 前提事実及び争点は、原判決4頁24行目「甲22、甲23」を「甲22の1・2、23の1・2」と改めるほかは、原判決「事実及び理由」中の第二の1及び2に記載のとおりであるから、これを引用する。

3 当審における各当事者の主張
(1) 1審被告Y保険会社

ア 本件交通事故は、1審原告の割り込みや急ブレーキを原因とするもので、1 審原告に過失があることは明らかである。実況見分調書における丁山の指示説明は捜査官の思い込みによるものである可能性が高く、信用性がない。

イ 本件交通事故から推定される有効衝突速度からみて、原告車の乗員に何らか の身体的影響が生じることはない。1審原告の主張する後遺障害につき本件交通事故との相当因果関係を認めるべきではない。

ウ 1審原告が通院していたB病院神経精神科辛川六郎医師(以下「辛川医師」という。)の診療録の記載を前提としても、1審原告の統合失調症発症の原因は不明で、本件交通事故は同発症に関与していないか、あったとしてもきっかけ程度のもの にすぎないというのであるから、本件交通事故と1審原告の統合失調症発症との間に相当因果関係を認めることはできない。仮に、相当因果関係が認められるとしても、 90%の素因減額がされるべきである。

(2) 1審被告W保険会社
本件交通事故と1審原告の統合失調症発症との間に相当因果関係はない。

(3) 1審原告
本件交通事故により1審原告が発症した統合失調症の症状は重く、社会生活への参加を困難とするものであり、治療に長期間要することが確実であることからすると、1審原告の労働能力喪失率は100%、労働能力喪失期間は32年間とされるべきである。また、原判決の素因減額率60%は重きに失する。
 以上によれば、1審原告が被った損害額は7651万8910円と算定できるの であって、少なくとも3374万1645円を下回ることはない。


以上:2,026文字

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