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加害者請求権消滅時効理由での保険会社への直接請求否認判例まとめ4

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平成26年 4月25日:初稿
○「加害者請求権消滅時効理由での保険会社への直接請求否認判例まとめ3」を続けます。
今回は、交通事故による傷害と脳脊髄液減少症発症について判決の整理と感想です。
先ず当事者の主張は、以下の通りまとめられましたが、診断基準として「起立性頭痛の有無」を重視しています。
(1)本件各事故を原因とする低髄液圧症候群の発症の有無(争点1)
(原告の主張)
 原告は、本件各事故の競合により外傷性の低髄液圧症候群を発症した。このことは、第1事故後の医療記録において低髄液圧症候群の特徴である起立性頭痛をうかがわせる記載があることや、第2事故後の医療記録において低髄液圧症候群であることを示す検査結果及ぴ診断が記録されていることから明らかである。

(被告らの主張)
 原告が外傷性の低髄液圧症候群を発症したことは否認する。第1事故後の医療記録に起立性頭痛に関する記載はなく、客観的に認められる原告の症状や検査の結果は、低髄液圧症候群に関する一般的な診断基準にも合致していない。


○脳脊髄液減少症と言う用語は使用せず低髄液圧症候群との伝統的表現を使用し事故発生後の各病院通院状況を詳細に認定しています。
1 争点1(本件各事故を原因とする低髄液圧症侯群の発症の有無)について
(1) 事実経過
ア 第1事故の発生
イ 東北公済病院宮城野分院
ウ すずのき接骨院
エ 第2事故の発生
オ のむら内科・心療内科クリニック(以下「のむら内科」という。)
カ 社会医療法人康陽会中嶋病院(以下「中嶋病院」という。)
キ 東北公済病院宮城野分院(第2事故以降分)
ク 仙台医療センター(丁数のみで表記したものは、甲27の丁数である。)
(2)低髄液圧症侯群に関する医学的知見
ア 低髄液圧症候群とは
イ 低髄液圧症候群の診断基準
(ア)国際頭痛分類基準
(イ)脳神経外傷学会基準
(ウ)研究会ガイドライン
(エ)厚労省研究班基準
ウ 低髄液圧症候群の治療方法等
(3)検討
ア 起立性頭痛について
イ 起立性頭痛以外の症状について
ウ 画像診断について
(ア)頭部MRI査の結果について
(イ)RI脳槽脊髄腔撮影の結果について
エ 国際頭痛分類の第3版
オ 最終結論

以上の通り、各病院の通院経過を詳細に分析し、低髄液圧症候群の診断基準も詳細に取り上げて、画像検査結果も詳細に分析した上で、最終結論を「以上の検討を総合考盧すれば,原告が本件各事故により低髄液圧症候群を発症したと認めることはできない。」としています。

○判決では、「イ 低髄液圧症候群の診断基準」との項目を設け、国際頭痛分類基準から厚労省研究班基準の詳細を別紙として紹介し、原告の通院状況、医療記録記載、画像検査結果等を詳細に分析した上で、「原告の主張するMRI検査の結果をもって直ちに原告が低髄液圧症候群を発症したものであるとは認められない。」、「原告のRI脳槽脊髄腔撮影の結果は、原告が低髄液圧症候群を発症したのではないかと疑わせる1つの根拠であるとはいえるが、これのみをもっては、その疑いがあるというにとどまらざるを得ず、原告が低髄液圧症候群を発症したことが立証されているとはいえない。」として、最終的に「総合考盧すれば、原告が本件各事故により低髄液圧症候群を発症したと認めることはできない。 」としています。

○現在の判決での認定は、オールorナッシングが大原則であるため、低髄液圧症候群該当基準が10個あってそのうち6個に該当しても、後の4個を満たさないと全く該当しないとのナッシング判断にならざるを得ません。これまでの交通事故による低髄液圧症候群発症を主張する裁判は、勝訴率1%にも満たないと思われますが、多くの事例は診断基準のいくつかには該当するが全部には該当しないとしてナッシング判断をされます。

○被害患者さん達の苦しい症状を目の当たりにすると、このオールorナッシングの判断が何とかならないものかとつくづく感じます。被害患者さんには苦しい症状があり現実に不自由な生活を強いられ、大きな損害が発生していることは間違いありません。この症状に、「低髄液圧症候群」と言う診断名がつくかつかないかで、損害の有無がオールorナッシングのいずれかに決まるとの考えに多いに不合理と矛盾を感じます。素因減額・割合的因果関係論等を取り入れて、診断基準全部に当てはまらなくても一部当てはまれば、一定割合を損害と認めて然るべきではないかと思います。この理論構成をどのように行うか、ない頭を振り絞って検討を続けていきます(^^;)。

以上:1,845文字

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