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上告審手続の経験とその備忘録

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平成25年 1月28日:初稿
○最近、ある交通事故事件で最高裁に上告しなければならない事案が生じました。弁護士生活まもなく丸33年経過しますが、私が担当した事件で、1審、2審と勝訴して上告された事件は、何件かありますが、私が担当して上告した事件は、正確に記憶しているものは1件しかありません。ある離婚事件で1審で離婚が認容されるも、2審で覆され、渾身の上告受理申立理由書を作成・提出しましたが、最高裁では、結論だけ僅か数行の記載で、上告受理申立は不受理決定がなされて終結しました。

○私が担当した事件で上告されたものが数件ありますが、何らの心配することなく、数ヶ月で上告が却下乃至不受理決定となって終結し、上告審で高裁の判断が覆った経験は全くありません。民事事件では、高裁判断が事実上の最終結論となっています。最高裁の上告・上告受理申立事件の審理期間やその結論については、「最高裁判所における訴訟事件の概況」と言うPDFファイルが公表されています。これによると、平成22年の上告事件総数1859件の77.7%が審理期間3ヶ月以内で終局し、98.7%が却下または棄却決定で終局し、同年の上告受理事件総数2247件の73.7%が審理期間3ヶ月以内で終局し、96.4%が上告不受理決定で終局しています。この結果を見ると、最高裁は、殆ど開かずの門とも言えます。

○しかし、1審で一部認容された結論が高裁で覆され、その高裁で覆された理由が何としても納得できず、最高裁に上告及び上告受理申立をしています。上記の通り、最高裁は殆ど開かずの門ですが、少しでも開ける道がないか、あれやこれやの模索中です。
以下、上告に関する備忘録です。

1.最高裁への上告理由
第312条(上告の理由)
 上告は、判決に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、することができる。
2 上告は、次に掲げる事由があることを理由とするときも、することができる。ただし、第4号に掲げる事由については、第34条第2項(第59条において準用する場合を含む。)の規定による追認があったときは、この限りでない。
1.法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。
2.法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。
2の2.日本の裁判所の管轄権の専属に関する規定に違反したこと。
3.専属管轄に関する規定に違反したこと(第6条第1項各号に定める裁判所が第一審の終局判決をした場合において当該訴訟が同項の規定により他の裁判所の専属管轄に属するときを除く。)。
4.法定代理権、訴訟代理権又は代理人が訴訟行為をするのに必要な授権を欠いたこと。
5.口頭弁論の公開の規定に違反したこと。
6.判決に理由を付せず、又は理由に食違いがあること。


最高裁への上告理由は
①憲法違反、②重大な法令違反に限定
普通の事件で、適用可能性があるのは
6.判決に理由を付せず、又は理由に食違いがあること」が殆ど。
しかし、この要件での認定は極めて厳しいと言うより殆どない。

2.最高裁への上告受理の申立
318条(上告受理の申立て)
 上告をすべき裁判所が最高裁判所である場合には、最高裁判所は、原判決に最高裁判所の判例(これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは控訴裁判所である高等裁判所の判例)と相反する判断がある事件その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件について、申立てにより、決定で、上告審として事件を受理することができる。


 これは上告理由が制限された結果、その補完措置として認められた制度。要件は、
①これまでの最高裁判断がない解釈問題、
②最高裁の従前判断を変更すべき場合、
③高裁判断に誤った法令解釈が含まれこれを是正すべき場合。

3.上告手続
(1)上告期限と費用

 控訴審判決日から2週間以内(本件では1月8日中、実質は同時午後5時)に上告状を仙台高裁に提出する。
民訴規則第187条(上告提起の場合における費用の予納)
 上告を提起するときは、上告状の送達に必要な費用のほか、上告提起通知書、上告理由書及び裁判書の送達並びに上告裁判所が訴訟記録の送付を受けた旨の通知に必要な費用の概算額を予納しなければならない。

(2)上告と上告受理の申立併合申立可能
民訴規則第188条(上告提起と上告受理申立てを一通の書面でする場合の取扱い)
 上告の提起と上告受理の申立てを1通の書面でするときは、その書面が上告状と上告受理申立書を兼ねるものであることを明らかにしなければならない。この場合において、上告の理由及び上告受理の申立ての理由をその書面に記載するときは、これらを区別して記載しなければならない。

(3)上告理由書提出
民訴規則第189条(上告提起通知書の送達等)
 上告の提起があった場合においては、上告状却下の命令又は法第316条(原裁判所による上告の却下)第1項第1号の規定による上告却下の決定があったときを除き、当事者に上告提起通知書を送達しなければならない。
2 前項の規定により被上告人に上告提起通知書を送達するときは、同時に、上告状を送達しなければならない。
第193条(上告理由の記載の仕方)
 上告の理由は、具体的に記載しなければならない。
第194条(上告理由書の提出期間・法第315条)
 上告理由書の提出の期間は、上告人が第189条(上告提起通知書の送達等)第1項の規定による上告提起通知書の送達を受けた日から50日とする。

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