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人身傷害補償担保特約最高裁判決紹介-事実関係

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平成24年 3月13日:初稿
○「人身傷害補償担保特約で請求できる保険金額4」で、人傷保険会社が人傷保険金を被害者に支払った場合、加害者に対して代位取得できる範囲の問題について、絶対説、比例配分説、訴訟基準差額説の概要を説明し、被害者にとって最も有利な解釈である訴訟基準差額説の立場を取った東京地裁平成19年2月22日判決(判タ1232号128頁、自動車保険ジャーナル1685号17頁)、東京高裁平成20年3月15日判決(判時2004号143頁)を紹介し、「おそらく今後の判例はこの立場(訴訟基準差額説)に立つと見て良いでしょう。」と予想していました。

○この問題について決着する平成24年2月20日最高裁判決が出され裁判所Webサイトに公開されましたので全文紹介します。先ず、事実関係です。


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事件番号 平21(受)1461号
事件名 損害賠償請求事件

主文

1 原判決中第1審原告らに関する部分を次のとおり変更する。
 第1審判決中第1審原告らに関する部分を次のとおり変更する。
(1)第1審被告らは,第1審原告X1に対し,連帯して,1227万9743円及びうち813万2560円に対する平成19年10月26日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(2)第1審被告らは,第1審原告X2に対し,連帯して,1104万2921円及びうち703万2560円に対する平成19年10月26日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(3)第1審原告らのその余の請求をいずれも棄却する。

2 訴訟の総費用は,これを5分し,その3を第1審原告らの負担とし,その余を第1審被告らの連帯負担とする。 
 
理由

 平成21年(受)第1461号上告代理人小松初男,同吉田大輔の上告受理申立て理由(第5の4を除く。)及び同第1462号上告代理人近藤明日子の上告受理申立て理由について

1 本件は,交通事故によって死亡したAの両親である第1審原告らが,加害車両の運転者である第1審被告Y1に対しては民法709条に基づき,加害車両の保有者である第1審被告Y2に対しては自動車損害賠償保障法3条に基づき,損害賠償を求める事案である。第1審原告らは,第1審原告X1が自動車保険契約を締結していた保険会社から,上記保険契約に適用される普通保険約款中の人身傷害条項に基づき,保険金の支払を受けたことから,上記保険会社による損害賠償請求権の代位取得の範囲等が主たる争点となった。

2 原審の適法に確定した事実関係の概要等は,次のとおりである。
(1)Aは,平成17年5月1日午後6時40分頃,横断歩道の設けられていない道路を横断中,前方注視を怠るなどして上記道路を進行してきた第1審被告Y1が運転し,第1審被告Y2が保有する普通乗用自動車に衝突され,脳挫傷,気管挫裂傷等の傷害を負い(以下,この事故を「本件事故」という。),入院治療を受けたが,同年11月26日,死亡した。

(2) 本件事故によりAが被った損害は合計7828万2219円であるが,本件事故におけるAの過失割合が10%であることから,上記割合により過失相殺をすると,Aが第1審被告らに対して賠償請求をすることができる損害金(以下,単に「Aの損害金」という。)の額は,7045万3997円となる。Aの両親である第1審原告らは,Aの第1審被告らに対する損害賠償請求権を2分の1ずつ相続により取得した。

(3) 第1審原告らは,本件事故によりAが被った損害につき,公立学校共済組合から123万9297円の,第1審被告Y2から793万0904円の各支払を受けた。その結果,第1審原告らが第1審被告らに対して賠償請求をすることができるAの損害金の残元本は,上記(2)の7045万3997円から上記各支払額を控除した6128万3796円となった。

(4) 第1審原告X1固有の損害は,270万円であり,第1審原告X2固有の損害は,160万円である。

(5) 第1審原告X1は,本件事故当時,B(以下「訴外保険会社」という。)との間で,人身傷害条項のある普通保険約款(以下「本件約款」という。)が適用される自動車保険契約(以下「本件保険契約」という。)を締結しており,Aは,上記条項に係る被保険者であった。

(6) 本件約款中の人身傷害条項には,要旨,次のような定めがあった。
ア 訴外保険会社は,日本国内において,自動車の運行に起因する事故等に該当する急激かつ偶然な外来の事故により,被保険者が身体に傷害を被ることによって被保険者又はその父母,配偶者若しくは子が被る損害に対し,保険金を支払う。

イ 訴外保険会社は,被保険者の故意又は極めて重大な過失(事故の直接の原因となり得る過失であって,通常の不注意等では説明のできない行為(不作為を含む。)を伴うものをいう。)によって生じた損害に対しては,保険金を支払わない。

ウ 訴外保険会社が保険金を支払うべき損害の額は,本件約款所定の算定基準に従い算定された金額の合計額(以下「人傷基準損害額」という。)とする。

エ 訴外保険会社が支払う保険金の額は,人傷基準損害額から①保険金請求権者が賠償義務者から既に取得した損害賠償金の額及び②上記アの損害を補償するために支払われる給付で保険金請求権者が既に取得したものがある場合はその取得額等を差し引いた額とする。

オ 保険金請求権者が他人に損害賠償の請求をすることができる場合には,訴外保険会社は,その損害に対して支払った保険金の額の限度内で,かつ,保険金請求権者の権利を害さない範囲内で,保険金請求権者がその他人に対して有する権利を取得する(以下「本件代位条項」という。)。

(7) 本件約款には,訴外保険会社が上記(6)アの損害の元本に対する遅延損害金を支払う旨の定めはない。

(8) Aについての人傷基準損害額は,6741万7099円である。第1審原告らは,平成19年10月25日,本件事故によりAが被った損害につき,訴外保険会社から,本件約款中の人身傷害条項に基づき,保険金として,上記の人傷基準損害額から上記(3)の各支払額を差し引いた5824万6898円(以下「本件保険金」という。)の支払を受けた。

(9)ア 第1審原告X1の請求(当審における減縮後のもの)は,以下の金員の支払を求めるものである。
(ア) Aの損害金の残元本の2分の1である924万3908円

(イ) 固有の損害金元本330万円及びこれに対する本件事故日から本件保険金支払日までの遅延損害金(民法所定年5分の割合によるもの。以下同じ。)41万0465円

(ウ) 上記(ア)の924万3908円及び上記(イ)の330万円の合計1254万3908円に対する本件保険金支払日の翌日から支払済みまでの遅延損害金

イ 第1審原告X2の請求(当審における減縮後のもの)は,以下の金員の支払を求めるものである。
(ア) 上記ア(ア)と同じ

(イ) 固有の損害金元本210万円及びこれに対する本件事故日から本件保険金支払日までの遅延損害金26万1205円

(ウ) 上記ア(ア)の924万3908円及び上記(イ)の210万円の合計1134万3908円に対する本件保険金支払日の翌日から支払済みまでの遅延損害金

ウ 第1審原告らは,主位的には,本件保険金を支払った訴外保険会社はAの損害金の残元本に対する本件事故日から本件保険金支払日までの遅延損害金の支払請求権を代位取得すると主張して,上記ア及び上記イの各(ア)のAの損害金の残元本を請求しているが,予備的に,仮に,本件保険金を支払った訴外保険会社が上記遅延損害金の支払請求権を代位取得しないのであれば,第1審原告らは上記遅延損害金の2分の1の支払請求権を有していると主張しており,それぞれ,Aの損害金の残元本の2分の1である543万2560円及び上記遅延損害金の2分の1である381万1348円を請求しているとみられることは,記録上明らかである。

以上:3,283文字

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