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松本守雄医師講演会”頚椎加齢性疾患と頚部損傷”備忘録5

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平成23年11月20日:初稿
○「松本守雄医師講演会”頚椎加齢性疾患と頚部損傷”備忘録4」の続きで最終回です。
 今回で松本守雄医師講演会備忘録を記載し終えますが、交通事故での外傷性頚部症候群には,様々な事例があり、かつ、その症状については医学上の学説の違いもあるようなので、今後、この備忘録に、私の経験による参考例等を追加記述して、より充実した備忘録にしていこうと思っております。

9.慢性化と予後
 慢性化とは、頚椎捻挫の通常の回復過程を超えて愁訴が残存して、それによってADL障害、就業障害が持続して、かつ患者が治療の持続を求めている状態
 むち打ち損傷は、多くは3ヶ月以内、長くても6ヶ月以内に治癒する例が多いが、それ以上長引く例は、15~30%くらいと報告されている。

※追突事故等交通事故による外傷性頚椎症候群と診断された方々の中で法律事務所を訪れる方々は、ほぼ100%、この15~30%の中に入る方々ばかりのため、私の感想は、ホントに70~85%もの方々が、3~6ヶ月で治癒しているのだろうかとの疑問があります(^^)。

予後関連因子
 慢性化する等予後の悪くなる患者は、高齢者、頚椎症・脊柱管狭窄症等頚椎に元々問題のある方、衝撃の大きな事故に遭った方、うつ気質、ヒステリー気質の方等が多い。
 補償問題も慢性化に非常に関連している。交通事故補償制度のないリトアニアには慢性例はないとの研究報告あり。

 さらに医原生と呼ばれる担当医師の不用意な言動、初期にマッサージをした等の不適切な医療行為が慢性化の原因になることもある。

 ※私自身は、この医原生、特に医師が,自分の苦しみの訴えを、まともに聞いてくれないとの不満が強い患者が、それによって益々症状を悪化させる例を多く見ており、この問題が重要と思っております。交通事故による傷害は整形外科関連が多く、整形外科医の言動に一番接するせいか、整形外科医には、「加茂淳整形外科医師著作で感激した記述紹介」で紹介した「ドクターズルール10」と言う医師の心得を肝に銘じて欲しいと思う方が多いように感じております。特に以下のルールです。
2.臨床的証拠がないからといって、病気が存在しないという証拠にならない。患者の訴えは正しいものである。医学的にあり得ないと考えずに、訴えに耳を傾けること。患者は全身で24時間、疾病と対決している。

長期予後
 外傷性頚部症候群の患者の5年、10年後の経過に関する研究は海外でも国内でも殆どない。
 イギリスでの患者40例の15年間追跡調査研究報告例
 15年目も70%の患者が何らかの症状が残っており、頚部痛が一番頻度が高い
 症状の残っている患者の半分は精神的に少し障害があり、10年と15年調査では、18%の患者が改善するも28%が悪化

※外傷性頚椎症候群等での神経症状労働能力喪失期間は、神経性だから治癒するだろうとの安易な推測で、保険会社は2~3年に限定し、裁判例でも5~10年に限定する例が多いのですが、どれだけ医学的根拠があるのだろうかと疑問に思っていましたが、この記述では医学的根拠はないことになります。この点についてはより精密な文献調査が必要です。

患者からよくある質問
 患者から「後遺症は残るんでしょうか」、「10年、20年後はどうなっているのでしょうか」、「頚が痛いが、10年前のむち打ち事故のせいじゃないでしょうか」との質問をよく受ける。しかし、答えは「わからない」というしかない。
 このような患者の長期フォローアップが必要。

むち打ち損傷が患者の症状やMRI所見に与える影響に関する研究
 そこで損保協会と一緒に、むち打ち損傷患者と健常者の10年間のMRIでの頚椎状態の変化について長期フォローアップ研究した結果、MRIによる頚椎状態は、健常者に比較して、むち打ち損傷患者の頚椎状態が特に悪くなるとの相関関係は認められなかった。むち打ち損傷になったからと言ってその後の椎間板の破綻加速の原因にはならないと結論。

※ここは何例の患者をみたのか不明ですが、この報告をまとめた文献があれば見てみたいものです。

10.まとめ
 疾患・外傷の診断時には、頚椎の加齢変化は健常者でも起こることを留意すべき
 診断・後遺障害認定の際には、臨床経過と神経症状、画像所見の整合性が重要
 頚部損傷の難治事例は頻度は低いが病態には不明な点も多いが、むち打ち損傷の長期予後は、臨床的にもMRI所見上もほぼ良好であるので、患者に不要な心配を与えないためにも中心性頚髄損傷の診断は安易につけてはいけない

以上:1,854文字

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