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裁判所鑑定心因性視力障害で素因減額が否定された例6

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平成22年10月31日:初稿
力 フリッカー視野計を用いる中心フリッカー値の検査は,視神経機能をみる自覚的検査であるが,各種神経疾患に対する感度が高く,視神経疾患に対する特異度も高い。一般に35Hz以上は正常,25Hz以下を異常,26ないし34Hzが要検査とされている。
 Xの中心・フリッカー値(乙第4号証77頁)は右が32ないし42Hz,左が28ないし32Hzと健眼(左眼)より患眼(右眼)の方が良好な結果となっている。この中心フリッカー値からは,視神経機能は右眼の方が左眼よりかえって良好ということとなり,視力検査の結果とは相反するものとなっている。仮に左右を逆に記載していたとしても悪い方の値が28ないし32Hzという結果は,視神経機能低下はそれほど強くなく,正常範囲であることを示している。
 この点A回答書では,「10月26日のオクトパス視野検査では,中心視野の視神経線維の障害が質斑中心鶴からのものに限られ,傍中心のものは保たれているため,中心フリッカー値が正常を示したのではないかと考えられる。」としているが,同日のオクトパス視野検査では黄斑中心嵩からのものばかりでなく,周辺部からの繊維も相当障害されている。このオクトパス視野検査結果が真のものなら,当然中心フリッカー値は異常になるはずである。
 Xは,同検査を,ちらつきがあるかどうかの判断は微妙で,相当程度誤差範囲の大きい検査とするが,そのような誤差をなるべく排除する目的で,Xに対しても複数回の検査が行われているが,×○病院の診療録に記載された中心フリッカー値の1回1回の測定結果をみるとばらつきはほとんどなく,右眼中心フリッカー値はどの測定結果もすべて左眼中心フリッカー値より良好である。

キ コンピューターを使用した静的量的視野検査であるオクトパス視野検査では,自覚的検査結果の信頼性を調べるため,偽陽性(視標提示がないにもかかわらず応答があった場合)率・偽陰性(見えるはずの視標輝度で応答のなかった場合)率が測定される。一般に,偽陽性率・偽陰性率が15パーセントを超えると,検査結果に信頼性がないとされる。 Xに対しては,オクトパス視野検査は平成16年10月26日,同年12月2日及び平成17年4月1日に実施されているが,偽陰性率はそれぞれ12.5パーセント,50パーセント,37.5パーセントと高い数値を示しており,検査結果は不当に低く出ている可能性が高い。
 この点A回答書では,「偽陰性が高い数値を示すのは心因性の要因が加わっているためと思われる。左オクトパス視野に異常がみられないことから,検査そのものは信頼できると考えられる。」とするが,健眼である左眼の偽陰性も非常に高い。これは,(実際に光は出ていないのに)光を出すときに出る操作音だけに反応してブザーを押していたからであり,患眼(右眼)が悪いことを強調しようと,健眼(左眼)は正常だから過剰に反応していたという意味で,Xの作為をさらに強調するものと評価される。
ク 傷害部位及び視機能低下発生時期に関して,Xは医学文献を挙げて反論するが,Xの挙げる文献(甲第27ないし29号証)において呈示された症例は,「Swinging flash light test」陽性という視神経障害を示す他党的検査所見は満たした上での統計報告である。

ケ Xは,もともと大型及び普通第一種自動車免許と普通自動二輪車免許を有していたところ,本件事故の後である平成19年7月20日に免許の更新をしており,中型第一種免許に合格している。免許更新の際には,視力検査も実施されているところ,これをクリアしていることは,Xの右眼の視力障害について詐病を可能性を疑わざるを得ない。
 この点Xは,休憩の際に視力検査表を暗記したからであるなどと弁解するが,宮城県公安委員会に照会した結果によってもかかる不正行為がなしえたとは考えられず,信用できない。

以上:1,605文字

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