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示談代行制度による交通事故示談契約と消費者契約法1

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平成22年 9月 4日:初稿
○交通事故が発生し、加害者が任意保険に加入している場合、任意保険会社の示談代行員が被害者に折衝して、示談を代行し、その結果、免責証書に基づいて示談契約が実質任意保険会社と被害者の間で成立することが、当然のごとくに行われています。この交通事故被害者と加害者側保険会社示談代行員との間で締結される免責証書に基づく示談契約は大いに問題があることは、「示談代行制度の問題点-取り敢えずのまとめ」等に記載したとおり、このHPで繰り返し述べてきました。

○この示談代行制度の問題点の究極は、交通事故被害に見合った適切な損害賠償金が被害者に支払われていないことであり、その理由は、交通事故に関する情報特に法律知識が被害者と保険会社示談代行員との間に圧倒的が差があることに尽きます。このように一方当事者の情報量が少なくて対等な交渉が出来ない場合の弱い立場の側の当事者を保護する法律に消費者契約法があり、その第1条は次の通りです。
第1条(目的)
 この法律は、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差にかんがみ、事業者の一定の行為により消費者が誤認し、又は困惑した場合について契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができることとするとともに、事業者の損害賠償の責任を免除する条項その他の消費者の利益を不当に害することとなる条項の全部又は一部を無効とするほか、消費者の被害の発生又は拡大を防止するため適格消費者団体が事業者等に対し差止請求をすることができることとすることにより、消費者の利益の擁護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。


○交通事故被害者と加害者側保険会社示談代行員との間には、一般的には、正に「情報の質及び量並びに交渉力の格差」が強く、大きく存在し、被害者の利益の擁護が全く図られておりません。従って示談代行制度に基づく実質保険会社と交通事故被害者との示談契約には、正に消費者契約法が適用されて然るべきではないかと思っております。交通事故被害者は、消費者契約法における「消費者」に該当し、示談代行保険会社は「事業者」に該当するからです。交通事故加害者も個人であり、交通事故示談契約は「個人」対「個人」の契約だから消費者契約法は該当しないなんて理屈は、実態を無視した全くの形式論です。

○消費者契約法第2条で消費者と事業者が次のように定義されています。
第2条(定義)
 この法律において「消費者」とは、個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く。)をいう。
2 この法律(第43条第2項第2号を除く。)において「事業者」とは、法人その他の団体及び事業として又は事業のために契約の当事者となる場合における個人をいう。
3 この法律において「消費者契約」とは、消費者と事業者との間で締結される契約をいう。


「消費者」とは、個人をいうとされていますが、交通事故で身体・生命を害される被害者は正に個人であり「消費者」であり、「事業者」とは、法人その他の団体をいうとされていますが、損害保険会社は正に「事業者」に該当するもので、大きな「情報の質及び量並びに交渉力の格差」がある両者間は、正に消費者契約法が適用されるべきです。

○交通事故示談代行での示談契約に消費者契約法が適用されるとすればどうなるのか、と言うことが重要です。
先ず消費者契約法の次の規定が適用になります。
第3条(事業者及び消費者の努力)
 事業者は、消費者契約の条項を定めるに当たっては、消費者の権利義務その他の消費者契約の内容が消費者にとって明確かつ平易なものになるよう配慮するとともに、消費者契約の締結について勧誘をするに際しては、消費者の理解を深めるために、消費者の権利義務その他の消費者契約の内容についての必要な情報を提供するよう努めなければならない。
2 消費者は、消費者契約を締結するに際しては、事業者から提供された情報を活用し、消費者の権利義務その他の消費者契約の内容について理解するよう努めるものとする。

この努力義務を事業者たる任意保険会社に、具体的にはどのような形で適用させるべきかは別コンテンツで検討します。

以上:1,722文字

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