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難聴者のためのバリアフリー雑感-難聴は中途半端な障害のため大変

令和 1年 9月21日(土):初稿
○高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律法律通称バリアフリー法が、平成18年12月に施行されましたが、大阪府HPでは、概要を次のように解説しています。
従来のハートビル法と交通バリアフリー法が統合され,高齢者,障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)が平成18年12月20日に施行されました。この法により,床面積2,000平方メートル以上の「特別特定建築物」を建築(用途変更をして特別特定建築物にすることを含む。)しようとする場合は,「建築物移動等円滑化基準」に適合させなければなりません。また,床面積2,000平方メートル未満の建物であっても,多くの方々が利用する建築物であれば,バリアフリー化するよう努めなければなりません。

○このバリアフリー法正式名称に「移動等の円滑化の促進に関する」との限定があり、以下の条文からも、「移動」がメインで、主に肢体不自由な方の車椅子での移動が支障なく可能になるように整備することを主目的にしているように見えます。
第1条(目的)
 この法律は、高齢者、障害者等の自立した日常生活及び社会生活を確保することの重要性にかんがみ、公共交通機関の旅客施設及び車両等、道路、路外駐車場、公園施設並びに建築物の構造及び設備を改善するための措置、一定の地区における旅客施設、建築物等及びこれらの間の経路を構成する道路、駅前広場、通路その他の施設の一体的な整備を推進するための措置その他の措置を講ずることにより、高齢者、障害者等の移動上及び施設の利用上の利便性及び安全性の向上の促進を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。


○障害者の定義は、「日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受けるものその他日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限を受ける者をいう」とされており、肢体不自由で車椅子を使う方に限らず、視覚・聴覚等感覚器の障害者も含み、聴覚障害者にとって「日常生活又は社会生活に身体の機能上の制限」とは、他人との意思の伝達即ちコミュニケーション障害に尽きます。

○聴覚障害者には、聴覚を完全に失った全聾の方と、聴力レベルが正常な方に劣る難聴者の2種類があります。コミュニケーション手段として聾唖の方は手話が確立されています。中途半端に聞こえる難聴者は、私もそうですが、手話を知らない方も多く、中途半端に聞こえるために障害者とは認識されず、ときに聞き取れず理解出来なかったことについて、話しを無視されたとの誤解を受けるなど、完全に聞こえない方より中途半端に聞こえるため却って強い生活障害となることもあります。

○難聴者は、普通の会話には不自由しないが、ささやき声や小さな話声が聞き取りにくい軽度から、耳介に接しなければ大きな声を理解し得ない最重度聴力障害まで範囲が相当広いことも難聴者の不自由さが理解されない理由です。私も幼児時代の軽度難聴から徐々に程度が進行し、40代後半で高度難聴に達し補聴器常用となり、50代初めに聴覚障害で第6級身体障害者手帳交付を受けましたが、各レベル毎の不自由を体験してきました。

○授業では中学時代は2番目、高校・大学時代は常に1番前で受けましたが、当時、教師は難聴者の存在など全く考慮することなく、ボソボソと何を言っているか判らない授業もあり、弁護士稼業についてからは、主な仕事場である裁判所の裁判官も同様で苦労しました。相手は言葉が伝わっていると確信していますが、実際は伝わっていないことが理解されないのが一番の苦痛でした。
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