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番外編-恩師からの短答式試験対策第2回目助言

昭和51年 8月23日(月):初稿 平成19年10月11日(木):更新
○「番外編-恩師からの短答式試験対策第1回目助言」に記載したとおり、司法試験の第一関門である短答式試験を大学4年時から受け始めて、卒業1年目、2年目と3回連続して不合格となり、相当短答式試験について苦手意識を持つようになりました。

○そこで色々な方にアドバイスを求めましたが、恩師Uさんのアドバイスが大変参考になり、その2回目のものを参考にご紹介し、またUさんのご恩をシッカリ記憶に留めます。その文面によるとUさんが受験時代にお作りになった刑法択一ノートまで私の送って頂いてました。

○Uさんから送って頂いた択一対策ノートを参考に自分なりに択一ノートを作ったように記憶していますが、そのノートは現在手元にありません。私も合格後、高校の後輩2名から受験指導を依頼されて、何ヶ月か論文を出題しましたが、そのとき参考にくれてやったのかも知れません。

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拝啓
 すっかりごぶさたいたし申し訳ありません。
 八月二〇日付貴信拝見しました。

 耳の手術がうまくいったようで、何よりでした。 身体に不安があっては、馬力もでません。

 さて、択一ノートの件ですが、私の択一ノートを送ります。
 刑法のノートです。 これは
①問題集をやって、間違ったところ、
②記憶があいまいなところ、
③間違いやすいところ、
 をピックアップしてメモしたものです。民法もこれと同じものをつくっております。しかし、刑法よりはるかにうすいもので、あまり貴君の参考にはならないと思います。
 憲法は、各条文ごとに、同じ趣旨のピックアップノートをつくりました。それをさがしたのですが見あたりません。

 ただ、択一ノートにこだわりすぎるのはよくないでしょう。 なぜ、何を目的に、択一ノートをつくるのか、充分に考えてください。
 私の場合
  ①一度間違ったところを二度とミスしないため
  ②はっきりと区別して正確な知識を身につけるため
  ③直前に、一気に①②の点をおさらいするため
 といった目的でつくりました。

 下手をすると、択一ノートづくりにあまりに多くの労力をついやす結果になりかねません。

 私としては、過去の試験問題を徹底的に理解するため、にノートをつくりました。

 択一攻略法は未だに、これ、と言えるものを発見できません。
 しかし私としては、
  ①条文の正確な理解
  ②過去の問題の徹底的分析
  ③教科書の基本的部分についての正確な理解
  ④重要判例の正確な理解
 さえあれば、充分合格できると思います。
 これら④つの課題をどうマスターするか、をよく考えるべきでしょう。
 貴君は、真法会の問題集や新しい問題集にまで手を広げたほうが良いのかどうか迷っておられる様子です。

 私は、問題集は、過去のヤツをやれば充分と考えます。 ただ、過去の問題の徹底的分析という「徹底的分析」というのが何か、ということでしょう。
 これは、うまく説明できません。ただ、問題の解答の部分を流し読みしないで、自分で解答を書き直してみるぐらいの気持ちで、この肢のどこが、なぜ正しいとか誤りとかということを教科書、条文で丹念に検討していく、ということが大切だと思います。

 問題集も大切ですが、先に述べた①~④は、全てが大切なのです。この四つをマスターしない限り合格できないでしょう。
 どうしたら、この四つをマスターできるか考えてみてください。

 私も修習の仲間(三人)にどうやって択一を攻略したか、聞いてみましょう。

 未添削のものは、すぐお送りします。
 ちょとと待ってください。
 生活もやっとおちついてきましたので、手紙を書きましょう。

 とりあえず、今日はこれくらいで、O氏、M氏によろしく。
 
 じゃーまた。                                                              敬具
                                                                           ○○ ○
         昭和五一年八月二十三日
小松 様
以上:1,707文字

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