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2017年01月16日発行第189号”弁護士の七部集”

平成29年 1月16日:初稿
横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの平成29年1月16日発行第189号「弁護士の七部集」をお届けします。

○無人島に一冊だけ持っていく本に何を選ぶかと言われると、迷ってなかなか決められません。大山先生が持っていくという「芭蕉七部集」なんて、持っているどころか、おそらく古典か日本史の授業で習ったことはあるのでしょうが、表題すら覚えていませんでした。「芭蕉翁 ボチャンと言うと 立ち止まり」なんて川柳は覚えていましたが(^^;)。

「俳諧七部集」というサイトに「(潁原退蔵編『〔校註〕俳諧七部集』〈昭和16年。明治書院刊〉による)」として、「笠は長途の雨にほころび、紙衣はとまり とまりのあらしにもめたり。侘つくしたるわび人、我さへあはれにおぼえける。むかし狂哥の才士、此国にたどりし事を、不図おもひ出て申侍る。」から始まる俳句データが掲載されています。

「芭蕉DB」「芭蕉七部集」というサイトで、「狂句木枯の身は竹齋に似たる 哉」は、「『竹斎』は、仮名草子本(烏丸光広作)の題名で当時のベストセラー。やぶ医者が下男を連れて諸国行脚をする和製ドン・キホーテ物語。芭蕉は自らのやつれた姿と俳諧に掛ける尋常ならざる想いを竹斎の風狂になぞらえた。」なんて解説が掲載されています。本を買わなくてもネットで何でも手に入ります。

○無人島に何か持っていくとなれば、私としては、ノートPCと答えたいところですが、無人島ですから、ネットなど繋がらないのでしょうね(^^;)

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

弁護士の七部集


無人島に本を一冊だけ持っていけるなら、何をもっていくかなんて質問がありますよね。私の場合、間違っても法律書なんか持っていきません!たぶん、「芭蕉七部集」を持っていくと思うのです。芭蕉大先生が選んだ、「俳句」と「連歌」を載せた御本です。

俳句の方は、知らない人はいないでしょう。五七五の短い言葉で、心象や物象を切り取って見せます。

「暮淋し花の後ろの鬼瓦」なんて感じです。夕暮れどきの寂しさの中、一瞬華やかな「花」を出し、最後に「鬼瓦」をとり合わせるなんて、本当にうまいなあと感動しちゃいます。今の時代に生きていれば、映像作家などでも、一流になれるんでしょうね。

一方「連歌」については、知らない人の方が多いかもしれません。最初の人が、五七五の句を作りますと、次の人が、七七と付けていきます。その七七に対して、また五七五と付ける。これを繰り返していくんです。

例えばこんな感じですね。
「春めくや人さまざまの伊勢まいり」と、まずは五七五で始まります。江戸庶民の、一生に一度の楽しみが「伊勢参り」だったそうです。暖かい陽気の中、それぞれが伊勢参りを楽しんでいるんですね。こういう句が出ると、現代人は「ふん。旅行会社の陰謀だ!」みたいに言いたくなりますが、それじゃダメなんです。連歌の場合、前の人の句を否定せずに、付けていきます。「桜ちる中馬ながく連」といった感じです。伊勢参りに行くお金持ちでしょうか?馬を何頭も引き連れてのお伊勢参りです。その背景に、桜まで散らして、前の句を引き立たせてあげます。

次に、この七七に対して、五七五を付けます。
「山かすむ月一時に舘立て」
ぽかぽか陽気のお伊勢参りの風景から、月の光の中のお嫁入りの行列みたいに、場面が一気に転換されるわけです。連歌には、色々と難しいルールはありますが、基本は「前の句を否定しない」「前の句に付けることで、新しい世界を作り出す」「以前の状況に戻ることなく、前に前にと進んでいく」というのが、ポイントです。これって、あらゆる場面で大切だと思うのです。

私はサラリーマン時代が長かったんですが、会社での「会議」は評判悪いですよね。「会議」の定義は、「keepminutes, lose hours」だそうです。(か、隠そう隠そうとしても、英語の実力が。。。)そんな中で、有意義な会議というのは、主催者が「連歌」方式で進めていたなと思うのです。前の人の発言を否定せずに、それに付ける形で、自分の考える世界を提示させるわけです。さらに、話を後ろ向きにしないで、前に前にと進めていく采配が大切です。

この「連歌」の考えは、弁護士の仕事でもとても重要に思えます。弁護士同士の交渉でも、お互いが相手の主張を否定せずに、それに付ける形で自分の考えを提示すると、とても良い解決ができるのです。

民事裁判の場合など、裁判官によって、和解できるかどうかがまるで違ってくるんですね。下手な裁判官ですと、当事者間で正反対の主張を繰り返すだけになります。ところが、実力のある裁判官が中に入りますと、一方の言い分に対して、否定ではなくて、付けさせるんです。前に前にと進んでいくうちに、お互いそれなりに満足のいく和解案が出てくるのです。

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◇ 弁護士より一言

高校生の娘が自由研究ということで、大人たちに、「なんで今の仕事に就いたんですか?」と質問したそうです。美術の先生にきいたところ、「芸術家になりたかったけど、美術好きだけど、才能ないから。。。」
旅行の添乗員さんに聞いたら、「たまたまここが採ってくれたから。でも、旅行会社に入っちゃだめよ!」おいおい。嘘でもいいから、前向きなことを娘に教えてよ!

こういうのを聞くと、芭蕉のように好きなことをして食べていけた人は、本当にすごいなと思うのです。「パパはどうして弁護士になったの?」と聞かれたときに、自信をもって前向きな回答ができるよう、今から準備しておこうと思ったのでした!
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