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2016年10月01日発行第182号” 弁護士の「約束」”

平成28年10月 2日:初稿
横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの平成28年10月1日発行第182号「 弁護士の「約束」」をお届けします。

○「インディアンウソつかない」なんて懐かしい言葉が出てきました(^^)。正しくは、「白人ウソつく、インディアンウソつかない」ですね。アメリカ西部劇TVドラマで、大昔、良く聞いた記憶があります。ところが、以下のニュースを見ると今でも「白人ウソつく」ようです。
【シンガポール=岡崎哲】反捕鯨団体「シー・シェパード」による調査捕鯨船妨害事件で東京地裁に執行猶予付き有罪判決を受け強制送還されたピーター・ベスーン元船長(45)が10日、ニュージーランド・オークランド空港に到着した。

 裁判では、南極海での反捕鯨活動にもう参加しないと涙ながらに述べていた元船長だが、空港で報道陣に囲まれると一転、「活動は決してやめない」と語った。

 シー・シェパードは6月に元船長を除名しているが、ポール・ワトソン代表は本紙に、「除名も、元船長がもう反捕鯨活動をしないと語ったのも、法廷戦術に過ぎない」と述べ、元船長が団体の活動に戻る可能性を示唆している。
(2010年7月10日13時28分 読売新聞)
○刑事事件の法廷戦術として裁判官の前で本音と違うことを言うことは当たり前の如く捉えられているようです。おおっぴらには言えませんが、正直を旨とする私が刑事事件を引退した理由の一つが、これだったような記憶がよみがえってきました(^^;)。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

弁護士の「約束」


五代将軍、徳川綱吉に、「生類憐みの令」ってありますよね。「お犬様」を人間よりも大事にした、天下の悪法として有名です。綱吉自身も、この法律の評判が悪いことは知っていたので、死ぬ前に、養子である次期将軍家宣(いえのぶ)に約束させたそうです。「将軍の代が変わっても、絶対に生類憐みの令は継続する。」という約束です。綱吉の死後、幕府では、この約束を守るべきかどうか、大問題になりました。

現代では、政治家が選挙のときに行う約束、「公約」にも、同じような問題があります。政治家が「公約」を破ることは、一国民として面白くありません。もっとも、第2次世界大戦を終わらせた、鈴木貫太郎首相だって、選挙のときは「戦争に絶対勝ちます!」なんて約束していたはずです。当選から数か月で「全面降伏」だなんて、完全な公約違反ですけど、それを非難する人がいるとは、聞いたことありません。

弁護士の場合、こういった天下国家についての「約束」とは無関係ですが、仕事柄多くの「約束」に係わっています。約束を破ることが、法的に認められている場合も一杯あります。高利で消費者金融からお金を借りた場合は、返済の「約束」を破ってもよいことになっています。しかし、こういうのは例外でしょうね。一般的には、「約束」を破ることは、非常に問題です。

しかし困ったことに、弁護士の関与する約束も、相当数が破られちゃうのです。犯罪を起こした人は、弁護士を通して、被害者と示談します。示談できれば、罪が軽くなりますから、弁護士としても必死です。犯人に示談金があればいいのですが、お金がない人も沢山います。そういう場合には、後で支払うという約束で、示談することになります。しかし、刑事裁判が終わると、そんな約束を平気で破る人は沢山います。弁護士としても、「この人、約束を本当に守れるのかな?」なんて思っても、示談を進めるしかありません。まさか相手に、「自分の依頼者は多分約束を守らないですよ。」なんて言えないのです!

犯人のために裁判で、親や奥さんは情状証人になります。「しっかりと監督して、二度とこのようことはさせません!」なんて、裁判の場で約束して貰うわけです。しかし中には「そんな約束できません。」と言って、弁護士を困らせる方もいます。例えば、犯人のご両親から、「うちの息子は、親の言うことなんか聞きません。監督するなんて安請け合いしても、守れる自信はありません。」「いい加減に約束して、守れなければ、今度は私が罰せられるんでしょう?」なんて言われちゃいます。もちろんそんなことないですよ。

犯人自身にも、裁判の場で、「もう二度としません」と約束してもらいます。しかしこれができない人がいます。「将来の自分がどうなるかは、自分でも分からない。そんな不誠実な約束はできない!」なんて言うんです。「犯罪なんて不誠実なことやっといて、いまさらなんだよ!」と、思わず突っ込みたくなります。「裁判官は、あなたの未来予測を知りたいんじゃないの。あなたの、現在の強い決意を知りたいの!」なんて説得します。考えてみますと、裁判官だって、本人や親族の約束を、本気で信じているわけじゃなさそうです。世間の人の方が、裁判関係者よりも「約束」を真剣にとらえているように思えてきたのでした。

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◇ 弁護士より一言
私も子供たちと、軽い気持ちで多くの「約束」をして来ました。「どこかに連れて行ってあげる」みたいな約束です。でも、いろいろと都合がつかなくて、約束を破ることもよくありました。最近は子供たちも、親の約束は話半分に聞いてくれますけど、小さい頃は、約束を本当に楽しみにしていたようです。

「絶対に大丈夫?」なんて何度も聞かれました。そこで、「大丈夫。インディアン嘘つかない!」なんて適当に返答してたんです。「パパって、インディアンなの?」と、真剣な顔で子供に聞かれたときに、心から反省しました。軽い気持ちで「約束」するのは、仕事の上だけにしようと誓ったのでした。(おいおい!)
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