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2015年06月01日発行第150号”ブラックジャックのプロ弁護士”

平成27年 6月 1日(月):初稿
横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの平成27年6月1日発行第150号「ブラックジャックのプロ弁護士」をお届けします。

○手塚治虫漫画といえば「鉄腕アトム」から始め、物心ついた頃から、大変お世話になりました。ウィキペディアの手塚治虫氏解説によると「鉄腕アトム」の前身となる「アトム大使」は昭和26年に「少年」に掲載され始めたようです。昭和26年は私の生まれた年です。昭和38年、私が小学6年生になる年から、日本初となる30分枠のテレビアニメーションシリーズ『鉄腕アトム』放映が始まりましたが、欠かさず見ていました。

○「ブラックジャック」は昭和48(1973)年に「週刊少年チャンピオン」に連載開始されたようです。中学時代に読んだような記憶でしたが、昭和48年は既に大学3年生で、司法試験勉強を始めた頃でした。当時、「週刊少年チャンピオン」は購入していませんでしたので、本屋での立ち読みだったかも知れません。1回読み切りで事件を解決する小気味よい展開が記憶に残っています。全242話もあったとのことで、電子版を探して読み直し、その「プロ意識」を再確認してみます。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

ブラックジャックのプロ弁護士


手塚治虫に、ブラックジャック(BJ)というマンガがあります。主人公のBJは、モグリの天才医師です。目玉が飛び出る様な報酬を要求する代わりに、医者としての結果は絶対に出すという、「プロ」意識の塊のような人です。もちろんこれは医師法に違反する犯罪行為ですが、子供のころに読んで、とても感動したことを覚えています!

ところが最近読んだ本に、高額の成功報酬(受給されたお金の半分!)で失業者に生活保護を受けさせることを請け負っている「プロ」の人達の話がありました。もちろん違法行為ですね。なんだかんだ言って貧しい人からはお金を貰わないBJとは違いますが、高額の報酬の対価として、それなりの「結果」を出すという点では、共通するところがあります。この人達は、市町村から生活保護を出させるために、あらゆる手段を使います。

まずは、生活保護の申請を、どこの市町村で行うか、というところから勝負!が始まります。生活保護の窓口は、各市町村ですよね。そうしますと、それぞれの市町村により、生活保護の認定基準が事実上違うわけです。比較的裕福な人がたくさん住んでいて、財政的に豊かな市町村の方が、緩い基準で生活保護を認めてくれるということです。

次に、住居のあっせんをします。生活保護の申請には、何故か住居が必要です。住むところもないほど貧しい人は、生活保護の申請も出来ないわけです。さらに、簡易宿泊所みたいなところでは、住居と認めて貰えません。そこで、安いけれどもそれなりの部屋を、用意してあげるわけですね。そして、役所に生活保護の申請をしますと、担当者が本人に会いにやってきますので、そのときの対応まで指導します。

まず、担当者を立って出迎えてはいけない。弱弱しく、万年床に寝ている必要があります。部屋は汚く散らかすだけではなく、生ごみをばら撒いて、酷い悪臭を漂わせておきます。担当者が臭いに負けて、ろくに質問もしないで逃げ出すようにするんですね。勿論、各担当者の特徴も掴んで、受けの良い回答を教えておきます。「プロというのは、結果を出すためにここまでやるのか!」と、感動しました。

生活保護の申請は、多くの弁護士が手弁当のボランティア活動としてかかわっています。生活保護が出たからといって、「報酬」をとったりはしません。まさに、「アマ」として活動しているわけです。これはこれで、とても立派な行為です。私も見習います! その一方、「アマ」の弁護士達による活動は、せいぜい、申請者に付き添って役所に行って、申請のサポートをしてあげる程度です。結果が出なくても、 「行政に抗議したが、不当にも認められませんでした。人権の為に、これからも頑張ります!」なんて感じで終ってしまいます。「結果」に拘わっていないんですね。

BJが、生活保護の申請を依頼されたら、結果をきっちりと出したはずです。そして私が依頼者なら、たとえ高額の報酬を支払うとしても、責任を持って、しっかりと結果を出してくれる、本物の「プロ」に仕事を依頼したいのです。多くの国民が、同じ考えだと思います。違法な仕事がダメなのは当たり前です。高額すぎる報酬も問題でしょう。だからといって、「人権」「ボランティア」を免罪符に、結果を出さない人には、仕事を頼みたくありません。

私はこれまで、多くの弁護士達に対して、プロ意識の欠如を感じてきました。BJのような、結果に貪欲な「プロ弁護士」になりたいものです。

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◇ 弁護士より一言

GWに家族旅行で、長野の善光寺に行って来ました。ホテルはどこも満室で、なんとかビジネスホテルが取れました。しかし小学4年生の息子は、「下にコンビニがついているなんてスゴイ! 高級ホテルだね。」と喜んでくれたのです。コンビニに何度も遊びに行っては、楽しんでいました。家に戻ってきても、感動は続いているようで、「学校の先生に教えてあげたいんだけど、なんて言うホテルだっけ?」と聞いてきました。「何ホテルだったけね~」なんて、とぼけたんです。親は見栄っ張りです。ううう。。。 でも、本当に良いホテルでしたよ。コンビニも付いてたし!

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