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2014年06月16日発行第127号”未開弁護士の呪術”

平成26年 6月16日:初稿
横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの平成26年6月16日発行第127号「未開弁護士の呪術」をお届けします。

○今回も、大山先生の幅広い教養の一端を分けて頂き、勉強させて頂きます。スコットランドグラスゴー出身社会人類学者サー・ジェームズ・ジョージ・フレイザー(Sir James George Frazer, 1854年1月1日 - 1941年5月7日)の金枝篇なんていずれも無教養の私には初めての単語です(^^;)。

○ウィキペディアでは、「『金枝篇』(きんしへん、英: The Golden Bough)はイギリスの社会人類学者ジェームズ・フレイザーによって著された未開社会の神話・呪術・信仰に関する集成的研究書である。金枝とはヤドリギのことで、この書を書いた発端が、イタリアのネミにおける宿り木信仰、『祭司殺し』の謎に発していることから採られた。 完成までに40年以上かかり、フレイザーの半生を費やした全13巻から成る大著である。」と解説されています。

○20年前は、知らない言葉は百科事典を取り出して分厚いページをめくって探さなければなりませんでしたが、いまはパソコンの前でコピペで検索すると一瞬のうちに目指す言葉を調べることが出来ます。ホントに便利な時代になりました。

○フレイザー先生は、「呪術的な行為には、何ら自然科学的な影響力は無いから、やるだけ無駄といった態度」だそうですが、小さいとき、毎朝、母と一緒に神棚に向かって「とおちゃん、さかないっぱい取ってくるように」と手を合わせて祈り続けたことを思い出しました。漁師のように自然を相手にする仕事の成功は、ひたすら神に祈るしかありませんでした。この祈りは「無事に帰ってくる」との祈りでもありました。

○考えてみると、弁護士業務も人間という大自然相手の商売です。お客様或いは迷いながら判断する裁判官相手の祈りの精神は重要です。交通事故事件がメイン業務になった最近は毎日のように判例集や医学書と格闘しながら「お客様にいっぱい賠償金が入ってくるように」と祈り続けています(^^;)。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

未開弁護士の呪術


ジェイムズ・フレイザー卿の「金枝篇」といえば、誰もが少しは知っている本です。「王殺し」とか「共感呪術」なんて言葉は、漫画などにもよく出てくるほどポピュラーな概念でしょう。その一方、本気で読んでいる人はほとんどいないんですね。私だって人のことは言えませんが、とても面白い本であることは間違いありません。

ここで扱われているのは、未開人の思考です。つまりは呪術思考ですね。これはつまるところ、人と自然が繋がっており、相互に呪術的な影響を及ぼしているのだという思考のようです。

こういう思考の下では、例えば人の呪術により、天候を左右できるんだという考えも生まれますよね。フレイザーも、未開社会での雨乞い師について、「未開の思想だ!」とけなして書いています。

未開の思想では、組織の長である王は、その組織全体と繋がっているのです。王が壮健であることが、組織が栄える必要条件なわけです。フレイザーによりますと、ある部落では王には沢山の女性が各地にいるそうです。王は毎日違う女性の下に通うんですね。これだけだと羨ましい話!なんですが、全ての女性を満足させていることが、王の壮健さのバロメーターになるわけです。それが出来ないようだと、王の弱体化が部落の弱体化につながるわけですから、「王殺し」へと向かっていくことになります。なんか、私が王だったら、初日で殺されているような気がしてきました。ううう。。。私も一応うちの事務所の「王」ですから、健康に留意して、「王殺し」にあわない様にしようと、決意を新たにしたのでした!

もっとも、こういった、王に力がないから悪いことが起こるんだという考えは、現代にも引き継がれていると聞いたことがあります。日本でも、経済が調子悪いと「王」である総理大臣の首が挿げ替えられますよね。この現象は、政治学として分析するよりも、文化人類学として分析すべきだそうです。(ホンマかいな。)弁護士業についも、依頼者の中には、少し事件がうまくいかないと、弁護士を変える人っているんですね。これなんかも、王殺しの考えが入っているのではなんて考えちゃうのです。(おいおい)

人間の行為が自然に影響を与えるのだという思想は、世界各地にありますよね。憎い相手の身体の一部を入れた人形を傷つけると、それが現実の相手方にも影響を与えるなんて、今でもあるようです。こういう、呪う方の呪術でなくて、人の無事を祈るような呪術もあります。日本でも、家にいない人の為に陰膳(かげぜん)を供えますよね。旅行中の人が、飢えたり、安全を脅かされたりしないようにするための呪術です。

こういう呪術も、全世界的にある様で、フレイザーも報告しています。ただ、ここでもフレイザー先生は、こういった未開の呪術的思考に非常に冷たいのです。呪術的な行為には、何ら自然科学的な影響力は無いから、やるだけ無駄といった態度です。ある部族で、戦争に行った男たちの安全を祈って、残された者たちが呪術的な祈願をしていたが、既に男たちは戦争で皆殺しにあっていたなんて話を、書いていたはずです。世の中厳しいから、そういうこともあるでしょう。

それでも私は、陰膳を供えたり、お百度参りをするような気持ちは大切だと思います。依頼者が苦しんでいるときには、遊びに行ったりしないで、自分も一緒に苦しむ。呪術的ではありますが、それが依頼者にも良い結果をもたらすと思えるのです。

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◇ 弁護士より一言

呪術による雨乞いですが、フレイザーの批判にもかかわらず、100%成功させている人がいると聞きました。その人が祈ると、絶対に雨が降るんですね。どういう祈りをしているのか分かりますか?

答えは、「雨が降るまで祈りを止めない!」だそうです。諦めないことが、何より大切なんですね。
私も、雨が降るまで祈りを止めない、諦めの悪い弁護士を目指そうと思います!

以上:2,589文字

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