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2014年05月01日発行第124号”弁護士をお金で買いますか?(1)”

平成26年 5月 1日:初稿
横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの平成26年5月1日発行第124号「弁護士をお金で買いますか?(1)」をお届けします。

○何事もお金の力でどうにでもなることを示す言葉として、「地獄の沙汰も金次第」、「浮き世の沙汰も金次第」、「仏の沙汰も金次第」など「金次第」と付く言葉があります。ところが、弁護士稼業をやっていると、損害賠償請求事件などで、お客様から「お金の問題ではないのです。」と言われることが良くありますが、これに対し、「結局、お金に換算して見積もるしかないのです。」と応えることも良くあります。

○お客様には、自分をこんなに苦しい目に遭わせた相手も同じ目に遭わせてやりたいのであり、相手からお金を取るのが目的ではありません、なんて言う方もいます。しかし、例えば交通事故で傷害を受け苦しい治療を受ける状態を、加害者に対して再現するなんて、今の時代、到底、許されません。痛み等の精神的苦痛に対する損害即ち慰謝料としてお金に換算して請求するしかありませんと説明します。

○では、本当にお金の力でどうにでもなるかというと、そうでもないところが、人間の面白いところです。例えば、時に激高したお客様から「お金はいくらでも払うから、なんとかこの事件を引き受けて欲しい。」と言われても、「いくらお金を積まれても絶対に受けられない。」と言う事件もあります。このような場面でも、多くの場合、いくら高額報酬を貰ってもこんな事件を受けて悪評が立って、結局収入が減る可能性が高いとの損得勘定が入っています。

○しかし、まれに損得勘定抜きに自己の信念上絶対に受けられないと言うような事件に遭う場合もあり、逆に、持ち出しでも構わない、損得勘定では絶対に割に合わないけれども、何とかやってみたいと言う事件もまれにあります。そのような事件は、私の趣味だと思ってやっています。この趣味でやっている事件で、結果として困っている方の助けになることもあるかも知れませんが、正に自分がやりたいことに打ち込む至高の楽しみの事件であり、これを人権擁護・社会正義実現の仕事だなんて恥ずかしくて言えません(^^;)。
「あなたはお金で買われますか」という質問に、次回、大山先生がなんとお答えになるか楽しみです。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

弁護士をお金で買いますか?(1)


お金によって、正義が歪められたり、愛情が壊されたりすることはよくありますよね。その一方、お金が社会で非常に重要な役割を果たしていることも間違いのない事実です。日本でも昔から、「金が敵(かたき)の世の中だ」と言われる一方、「早く敵に巡り会いたい」とも言われていたのです!

マイケル・サンデル教授に、「それをお金で買いますか」という、とても面白い本があります。「これからの『正義』の話をしよう」が日本でもベストセラーになった、サンデル教授の本ですね。市場の力が圧倒的に強い現代資本主義社会では、全てのものが「お金」で評価され、お金を持つ人がほとんど全てのものを買うことが出来るわけです。サンデル教授は、そのような市場主義が、「正義」を破壊しているのではないかと、問題提起します。

この本の中で、本来お金では買えないはずだったものを、お金で売り買いしている例として、色々と面白い話が書かれています。たとえば、フェイスブックの「友達」は、一人当たり100円で「購入」可能だそうです。これは日本でも同じでしょうね。従業員が減量すると、その分報奨金を出す企業の話しもありました!

サンデル先生は否定的ですが、私なんかこういう企業で働きたいです。遊園地の中には、お金を払いさえすれば、人気アトラクションを優先的に使える制度を設けているところもあります。これなんかも、優先権ををお金で買っていることになるわけです。

まあ、以上の例は大した問題ではないかもしれません。しかし、年会費250万円支払えば、いつでも最高のお医者さんの診察・治療を優先的に受けることの出来る、コンシェルジュドクターという制度がアメリカにはあるそうです。こうなってくると健康や安全安心もお金で買えるということですね。お金のない人たちは、病院で長い間待たされて、必ずしも優秀とは言えない医者に診て貰わざるを得ないわけです。日本でも、保険制度を離れた自由診療のもとでは、お金のある人がより良い治療を買っているわけです。

この辺の事情は、日本の司法の世界でも同じです。お金のある人は、弁護士を買って、より良い結果を得ることが出来ます。実際問題として、比較的軽い罪で前科が付いている人たちの場合、早い段階で弁護士が付いていれば、不起訴で終わっていただろうなというケースは沢山あるんです。

一方、人間はお金さえもらえれば頑張るのかというと、そうでもないようです。慈善活動を依頼するに当たり、ある人たちには無償で、別の人たちにはほんの少しの報酬で、さらに別の人たちには多額の報酬で、それぞれお願いしたそうです。このとき、成果が低い順に、少しのお金を貰った人たち、沢山のお金を貰った人たちときて、一番成果を上げたのは、無償で依頼された人達だったということです。社会的に意義のある活動の場合、お金とは無関係に良い成果を上げている人たちがいるんですね。日本の刑事弁護の場合でも、手弁当で活躍している熱心な弁護士達が、無罪判決を勝ち取ったりしてますよね。

この問題は弁護士から見ると、「あなたはお金で買われますか」という質問になりそうです。その辺も含めて、次回に続けます。

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◇ 弁護士より一言

お金といえば、「ロミオとジュリエット」に有名なセリフがありますよね。死んだジュリエットの後を追うために、ロミオは薬屋から、自殺用の毒を買います。毒の対価としてお金を渡すときのセリフです。「ほら金だ。人の心には、毒より恐ろしい毒。」

このとき、ロミオは16歳ですから、私が薬屋なら、「この若造が偉そうに!」と、ムカッときちゃいますね。(まあ、それでも毒は売るでしょうけど。)ちなみにこのとき、ジュリエットは14歳でした。この5月に14歳となる娘を持つ父親として、「まったく昔の若い者は。。。」とつい言ってみたくなったのでした。

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