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2013年3月16日発行第97号”傍観者の弁護士”

平成25年 3月17日:初稿
横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの平成25年3月16日発行第97号「傍観者の弁護士」をお届けします。

○毎度のことですが、無教養な私は、大山先生が毎月2回発行するニュースレターによって、少しは教養をつけるよう暗示されます。例によって無教養な私は、ピーター・ドラッカーという名前だけは、何かで聞いたような記憶がある程度で、まして、その著作「傍観者の時代」なんて全く知りませんでした(^^;)。

○「傍観者の時代」には、法哲学を学んだドラッカー先生が、結論が同じなのに、そこに至る理由付けについて色々な「根拠」が説かれていることに疑問を出されたそうです。「結論がどちらにしても同じだとしたら、『根拠』なるものは、一体なんなのだ」との疑問です。ドラッカー先生、この疑問にどのような答えをだしたか興味あるところですが、大山先生はここまでは記述されていません。「傍観者の時代」を購入してシッカリ読めと示唆されたとして、早速、購入してみます(^^;)。

○法律学を勉強していると、様々な論点についてA説、B説、C説とこれまた様々の説が対立していることが判ります。しかし、確かにどの説を採っても実際の結論は同じという場面が多々あります。これについて私自身は、結局、法律学とは「説得の学問」と理解しています。「法律学学習の目的」に「実務に入って法律学学習の最終目的は、相手を説得する技術の習得と思うようになりました。」と記載していますが、自分の感性に最も響く説を採ることが「説得の技術」習得に有効と考えています。

○民事訴訟事件の多い私の弁護士としての最大の仕事は、「裁判官の説得」です。私が抱える事件について、お客様の言い分を如何に説得力を持って裁判官に判って頂くかに、日夜粉骨砕身の努力を積み重ねているつもりです(^^;)。「裁判官を説得」するため過去の裁判例や学者の論文、更に医学論争の事件では医学文献等膨大な量の情報を集めて、そこからお客様に有利に裁判官を説得するためのデータを取り出して、論旨明快・簡潔明瞭な文章に組立てる努力の連続です。

○裁判官が書く「判決」もまた説得の文章です。こちらは弁護士のように自分のお客様だけための説得ではなく、極論すれば日本国民全員が納得する説得力のある論旨明快・簡潔明瞭な文章での結論を記述しなければなりません。これを意識する余りか、却って訳の判らない文章になっている判例も結構多いのが残念なところです。

○「ピーター・ドラッカーの名言 格言」なるサイトを発見しましたが、ホントにタメになる言葉があります。「他人の短所が目につきすぎる人は、経営者には向いていない。長所を効果的に発揮させるのが自分の仕事だと考える人が、有能な経営者になれる。」、「経営者が学びえないが、どうしても身につけていかなければならない資質がひとつある。それは品性だ。」なんてホントに耳に痛いものです(^^;)。
ビジネスの目的の正しい定義はただひとつ。顧客を作り出すことである。 There is only one valid definition of business purpose: to create a customer.」も肝に銘じます。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

傍観者の弁護士

横浜で法律事務所を独立開業して、丸6年になりました。開業にあたっていろいろな本を読んで勉強したんですが、そのうちの一つがピーター・ドラッカーです。偉大な経営学者からは、多くのことを教わりました。

企業の目的は、利益ではなくて、お客様の創造である」なんて、本当に目から鱗が落ちるような指摘でした。物事の調査にあたっては、「事実」を調べるのではなく、まずは各人の「意見」から調べろなどというのも、本当に実践的なアドバイスとして重宝したものです。「弱点を克服するな、強みの上に築け」というアドバイスを、いつも忘れないように努めているのは私だけではないはずです。

そんなドラッカー先生の自伝ともいうべき本に、「傍観者の時代」というのがあります。20世紀前半に青春時代を送ったドラッカーが、多くの知識人と出会い、自分の思想を作っていく過程は、読んでいてとても面白いものです。

本の中には、興味深いエピソードが沢山あるんですが、例えば教師についての考察があります。ドラッカー先生は、教師を観察するのが、知的楽しみの一つだったそうです。その中で、ドラッカーの知った真実というのは、「生徒には一流の教師を見分ける力がある」ということだそうです。一流の教師は、それぞれ教え方も、生徒に対する接し方もみんな違っています。厳しい教師もいれば、優しい教師もいます。無口な教師もいれば、お喋りな教師もいます。

しかし、一流の教師は、どのようなタイプの中にもいて、生徒はそれを見間違わないというんですね。
言われてみますと、私も学生のときに、良い教師と悪い教師は、簡単に見分けがついていたような気がします。弁護士についても。お客様から同じように評価されているのかもしれないと思うと、少し怖くなってくるのです!

さらに、ドラッカー先生が、法哲学の勉強をした話もあります。法学者の叔父さんに、法哲学で最大の難問は何かと聞いたところ、それは「刑罰の根拠」だと言われたんですね。そこで若きドラッカーは、刑罰の根拠について考えてみるわけです。昔の偉人たちの見解を勉強しますと、刑罰の根拠は、「復讐」「更生」「予防」など、様々な見解があることが分かります。

ところが、そういった「根拠」の違いによって、現実の刑罰をどうするのかという結論の部分になりますと、結局は「死刑」「懲役刑」「罰金刑」などという、いずれについても同じものとなります。

ドラッカーは、これはおかしいではないかと考えるわけです。結論がどちらにしても同じだとしたら、「根拠」なるものは、一体なんなのだということです。さすがに未来の大経営学者は、若いころから考えることが違います! いまだに日本では、刑法の時間に刑罰の根拠などについて勉強しています。

しかし、私自身弁護士として刑事事件の実務を行う上で、「刑罰根拠」の違いで結論に違いがあるような事案に出会ったことがないのです。だとすれば、そんなことを、時間をかけて勉強する意味は何なんでしょうか?
裁判実務をはじめとして、日本の法曹界自体が、ドラッカー先生から学ぶことが多数あるのではないかと感じています。

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◇ 弁護士より一言

ドラッカー大先生といえば、13歳のころのエピソードが記憶に残っています。少年ドラッカーは、当時の学校の先生に言われたんですね。「あなたは、何によって記憶されたいですか?」「50歳になってもこの問いに答えられないと、人生を無為に過ごしたことになりますよ。」この問を忘れずにいたドラッカーは、世界一の経営学者として記憶されることになったのです!

私も、本日50歳の誕生日を迎えました。しかし恥ずかしながら、自分が、何によって記憶されたいのか、いまだに言うことが出来ないのです。せめて、ニュースレターを10年間続けた弁護士(なんだそりゃ!)として、皆さんの記憶の残るように、これからも頑張っていきたいと思うのでした。
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