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2012年5月1日発行第76号”猫の契約交渉”

平成24年 5月 2日:初稿
横浜パートナー法律事務所代表弁護士大山滋郎(おおやまじろう)先生が毎月2回発行しているニュースレター出来たてほやほやの平成24年5月1日発行第76号「猫の契約交渉」をお届けします。今回は、夏目漱石「吾輩は猫である」から、八木独仙先生の石地蔵を動かしたいきさつについての演説部分です。大山先生の、文学に対する造詣の深さにいつも感心させられます。

○「2012年4月16日第75号”文字が書ければ弁護士はできる”」を読まれたある弁護士さんから、「今日の記事も、意味深長ですね! わかりやすい表現で、マーケティングの解説をしている感じですね。いつも参考になる記事紹介ありがとうございます。」との感想を頂きました。有益なデータの転載を許諾頂いた大山先生には心より感謝申し上げます。

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横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

猫の契約交渉

「猫」と言いますと、これはもう夏目漱石の「吾輩は猫である」ですね。今さら説明するのも何ですが、猫の飼い主の苦沙弥先生は筋金入りの変人なんです。奥さんに向かって、「猫を叩いて鳴かせてみろ」なんて言います。猫が「にゃあ」と鳴くと、すかさず奥さんに質問します。「今鳴いたにゃあという声は感投詞か、副詞か何だか知っているか」 呆れた奥さんが黙っていると、大きな声で「おい」と呼びかけます。びっくりした奥さんが「はい」と答えると、「そのはいは、感投詞か、副詞か、どっちだ」

私も他人から、変な人とよく言われますが、苦沙弥先生に比べると、まだまだです! こういう変な人ですから、先生の友達も奇人変人揃いなんですね。その中で、比較的まともな友達に、八木独仙先生がいます。私は、独仙先生が「猫」の中でしていたお地蔵さんのたとえ話が、昔から好きでした。

辻のところにお地蔵さんがいて、交通の邪魔になっているんですね。そこで、町の人たちは、何とかお地蔵さまを動かそうというわけです。「お酒や食べ物を上げるからこっちに来て下さい」といっても、お地蔵さんは動かないんです。脅して動かそうとしても効き目が無い。周りでうるさくして、我慢できずに動くようにしようとしても、お地蔵さんは平気なんです。

すると、町内の人達から頭が足りないと言われている馬鹿竹という人が、自分が動かしてやろうと言いだしたんですね。どうしたかと言いますと、直接お地蔵さんに向かって、「町内のものが動いて下さいといってるので、動いてやって下さい。」とお願いしたんです。
するとお地蔵さんは、「そうか、そんなら早くそう言えばいいのに」と動き出したという話しですね。

独仙先生によりますと、とかく女性は持って回った言い方をするということです。ストレートに言えば済むところを、わざわざ小細工をしておかしくしてしまうから気をつけなさいと、お地蔵様のお話で教えてくれたわけです。これは、女性だけの話しではないですね。実はこの話、弁護士にとっても、非常に耳が痛いのです。私にとっても、他人事じゃありません。

例えば契約交渉や示談交渉などする場合ですね。「こちらはこの条件がどうしても譲れないので、こうして貰えませんか」とは、中々言えないんです。そんなことを言うと、足元を見られるのではないかと、警戒してしまうんですね。

本当は大切な条件に関して、こっちは大して気にしていないよみたいなふりをしながら、交渉を進めたりすることはよくあります。さらに、こちらにとってはどうでもよい条件を取りあえず幾つも出しておいて、それとの交換で、当方の望む条件を手に入れようなどと、まあいろいろと小細工を弄するんです。

契約交渉などある意味騙し合いみたいなところもありますから、ある程度は仕方ないところはあります。その一方、おかしな駆け引きばかりしているために、話が少しも前に進まないということもよくあるのです。変にひねらずに、ストレートに話していれば、あっという間に合意できていたなんてケースも、まれではないんですね。

弁護士としても、独仙先生のお地蔵さんのお話を、頭の片隅に留めておきたいと思うのでした。

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弁護士より一言
中学生のころ、「吾輩は猫である」が愛読書でした。苦沙弥先生や迷亭の教養に憧れたものです。ローマの7代目古王の話が出ると、迷亭が即座に「タークウィン・ゼ・プラウドのことでしょう。」なんていうのを読んで、教養人になるにはここまで覚えないといけないのかと、闘志を燃やしたものです!

あの頃から40年近く経ち、教養人になる夢はキッパリと諦めました。ローマ古王どころか、ローマ皇帝ですら満足に知らないままです。ただ、教養を付けようなどと馬鹿げたこと!を考えないだけ、昔より賢くなったのではと思っています。(中学生のころの私からは、「堕落だ!」と言われるかもしれませんが。。。)

引き続きコメントを楽しみにしております。
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