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2011/ 1/16 第45号 国富論の振込詐欺

平成24年 2月29日:初稿
横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

 国富論といえば、かのアダム・スミス大先生の御本ですね。私もかつて、岩波の白帯を購入しましたが、10ページほどでくじけました。

 しかし、本は読んでなくても、国富論の中の、分業の話しは知っています。有名なのは、ピンを作る職人の話しですね。ピンを作るのには、いくつもの工程が必要です。それぞれの工程を覚えこむには、かなりの時間がかかるので、訓練されていない労働者に、一人でピンを作ってみろといっても、まず無理なわけです。

 ところが、ピンを作る工程を細分化して、1人の人はそのうちの1つだけ担当することにすれば、訓練されていない労働者でも、簡単にピンが作れるということです。

 ある者は針金を引き伸ばし、次の者はそれをまっすぐにし、3人目がこれを切り、4人目がそれをとがらせ、5人目は先端を磨くといった具合ですね。分業によって、国に富をもたらすことが出来るのだよと、アダム・スミス先生は、200年以上も前に教えて下さいました。

 話しは変わりますが、私は刑事事件もかなりやっているんですね。世間を騒がせている、振り込め詐欺の事件なども経験があります。そこで気が付いたのですが、振り込め詐欺の場合、アダム・スミス先生も感心するくらい、分業体制が取られているのです。

 ある者はお年寄りに電話をかけ、次の者がお年寄りからカードや通帳を受け取りに行き、3番目の者が銀行にお金をおろしに行きといった具合ですね。

 国富論の事例との共通点は、こういう作業を分担する人が、訓練されていない犯罪者(なんだそりゃ)だということです。仕事にあぶれている人を見つけてきて、犯罪の一部を分担させるわけです。分業することで、犯罪の素人でも簡単に、非常に多くのお金をだまし取れちゃうんですね。

 更に凄いのは、この分業において、それぞれの行為を分担する人は、他のことをしている人たちのことを、ほとんど知らされないということです。つまり、警察が下っ端の人を捕まえても、上の人までは辿り着けないのです。

 振り込め詐欺の首謀者は、分業体制を作るだけでも凄いのに、その上さらに、警察に捕まらない工夫までしているのですから、本当に大したものです。天国のアダム・スミス先生がどう思っているかなと考えると、なんだか可笑しくなります。もっとも、こんな分業ならいくらやっても、国を富ませることにはなりませんね。

 ひるがえって、うちの事務所も含めた、弁護士の仕事を考えますと、分業による効率化からは程遠い気がします。

 通常の弁護士業務の場合、一件一件手作業で、基本的に一人の弁護士が全てをやりますから、相応の知識と経験がないと対応が難しいのです。確かに、弁護士業務では、未経験の人をちょっとだけ訓練して、仕事の一部を分担させるというわけにはいきませんが、分業による効率化によって、もう少し何とかなるのではないかという気はしますね。

 振り込め詐欺の首謀者の人には、犯罪など止めて、効率的な分業体制の作り方を法律事務所に教えて欲しいものだと思ったのでした。それなら少しは、分業で国を富ませることもできるはずです!
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 弁護士より一言

 白髪を染めるか染めないか決めるために、美容院に行った話しです。

 おしゃれなお姉さんの隣の席に座らせられて、髪を切られました。「なんか変に思われないだろうか?」と、自意識過剰な中学生のように、気になったのです。

 美容院なのに、男性もかなりいます。みんないけすかない奴ばかりに思えてきます。(おいおい)ことほど左様に辛い時間でしたが、美容師さんの対応には感心しました。私の知的で上品な雰囲気を生かすには、染めない方が良いなんてことを言ってくれたのです。

 そんなこと言って恥ずかしくないのかと思うんですが、にこやかに、私の目を見ながら、自信たっぷりに言ってくれるのです。

 なんかこっちもその気になっちゃいましたね。そんなわけで、上品で知的な私の髪の毛は白いままなのです!

 (2011年1月16日第45号)
以上:1,612文字

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