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2010/ 4/ 1 第26号 犯罪の価格設定(1)

平成24年 2月29日:初稿
横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

 商売にとって、値段設定は非常に重要です。自分の商品やサービスをいくらで販売するのかということですね。

 この点について、かつてトヨタの副社長の講演を聞いたことがあります。商品の値段についての、間違った方程式と正しい方程式を教えてくださいました。

 間違っている方はこうですね。

 コスト(原価)+利益=販売価格この式は、売る側の都合だけを言っているのであって、お客様の観点を無視しているというわけです。価格を決めるのは、お客様であって、会社ではないということですね。

 正しい式はこうなるんだそうです。

 販売価格ー利益=コスト(原価)販売価格は、お客様(市場)が決めるわけです。会社としては、そこから利益をとった、残りの金額で商品を作らないといけない。なるほど、こういう考えから、乾いた雑巾を絞るような、徹底したコスト管理になるんだなと、感心したのを覚えています。

 とまあ、商品の価格について書いてきたのですが、今回取り上げたいのは、犯罪の価格についてなんですね。刑法だなんて法律を見ますと、ものを盗んだ場合は10年以下の懲役だとか、人に怪我をさせた場合は15年以下の懲役だとか規定されているわけです。考えてみますと、こういうのはそれぞれの犯罪につけられた、値段表ともいえると思うのです。

 それはまあ、「恐喝罪なら懲役10年以下で、価格がちょっと高すぎるから、懲役5年以下ともう少し手ごろな価格の横領にしておくか」なんて、刑法を見てから罪を犯す人はいないでしょう。「ベンツは高すぎるから、トヨタにするか」と、値段表を見て決めるのとはわけが違います。しかし、やはり刑法というのは、それぞれの罪を犯した場合の対価がいくらであるかを定めたものであるわけですから、価格表といえるはずです。

 ところが、犯罪の価格は、国家が勝手に決めるのが当然とされてきたわけです。国家としては、大体こんな方程式で犯罪の価格を決めたわけですね。

 犯罪から守るべき価値+抑止力=罰則(犯罪の価格)これは一見正しそうですが、トヨタ方式で言うと必ずしもそうとはいえない気がします。犯罪の価格も、国家のお客様ともいうべき国民が決める問題だと思えてくるからです。

 そもそも日本の刑法は、基本的に明治時代に出来ているわけです。犯罪の価格表たる罰則の重さも、少しは改定されてきていますが、それほど大きく変わっていません。第一、最初に作られたときの価格自体、別に国民の意見を聞いて決められたわけではないのです。お上のほうで何となく決めたんですね。

 私など、「何でこの犯罪の罰はこんなに重いんだろう。」と思ったり、「こんなに軽い刑で本当にいいんだろうか。」と思ったりします。ただ、そもそも商品の価格を市場に決めさせること自体、具体的にどうすれば良いのか難しいものがありますね。ましてや、犯罪の価格を市場に決めさせるのは、もっと難しい気がします。どうも、今回は理屈っぽくなってしまいましたが、次回に続きます。

 
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 弁護士より一言

 毎日テレビで、星座占いみたいなのをやっていますよね。私はああいうのが、大好きなんです。「今日のラッキーカラーは青です。」なんていわれると、青いネクタイを選ぶ程度には、信じているのです。

 先日テレビの占いを見ていたら、「本日最悪の運勢は魚座の人です。

 ご注意下さい。」だなんて言ってます。私は魚座なんですね。一体全体、どんな不運が訪れるのかと緊張して聞いていますと、「夕食には、嫌いなものが沢山でるかもしれません。残さず食べましょう。」ですって。

 最悪の運勢でも、その程度だということで、少し安心したのでした。

 ちなみに、夕食には特に嫌いなものは出なかったのです。ホッ。このニュースレターもいよいよ2年目です。引き続きコメントやご質問を楽しみにしております。

 (2010年4月1日第26号)
以上:1,561文字

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